2015/10/9号「気象衛星「ひまわり8号」で見た黒潮」では、日本の気象衛星「ひまわり8号」からは画期的な海洋のデータが得られていることを解説しました。その後の黒潮親潮ウォッチの記事でも利用しています(記事一覧)。今回も、「ひまわり8号」のデータを使って黒潮とその周辺沿岸の様子を見てみましょう。 図1は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が「ひまわり8号」のデータから作成した海面水温から、2016年5月12日の1日で平均して図にしたものです(※1, ※2, ※3)。西から東に伸びる水温の高い帯が黒潮です。その北側の沿岸寄りを見ると、西から東に流れる黒潮とは逆に、東から西に高い水温が枝分かれして伸びている部分があります(図中のA,Bの点線矢印)。このような枝分かれした流れは、黒潮の反流(黒潮反流)と呼ばれています。JAXA作成の「ひまわり8号」海面水温は、この日の黒潮反流を良くとらえています