2012年は日本とインドとの間の国交六十周年となります。 この機会に日本とインドが平和条約を結ぶに至った時代背景などを再確認してみることも意義があると思います。なぜインドは単独で講和を結ぶに至ったのか、その後の両国の二国間関係、そして現在どのような状況にあるのかについて考えることは、これからの日印関係発展のためにも必要なことと感じます。 第二次大戦後連合国進駐軍の支配下にあった日本は、1951年9月、米国サンフランシスコでの講和条約会議に於いて「日本国と連合国との平和条約(講和条約)」に署名しました。この条約に調印したのは52カ国でしたが、そこにはインドは入っていません。主要国では中国とソ連(現ロシア)も参加していませんでした。(中国とは1972年に平和条約を締結して国交回復し、ロシアとは未だに平和条約が結ばれていません。) 日本とインドが「日印間の平和条約」に調印したのはサンフランシスコ