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大谷翔平
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私が小説を書くときに禁じ手としているのが、「タイムスリップ」や「時空の移動」です。これを用いていいのならなんだって書けると思えるからです。あり得ないことを前提にして書いた小説なんて、まったくリアリティがありません。 しかし一方で、最初からそのあたりをネタ晴らししてくれていれば、物語を楽しむことができます。こちらも、そこは娯楽だと割り切れていますから。 というわけで、今回はネタ晴らしをすれば、タイムマシンもののショートショートです。これは、過去に遡ること20年前に、某紙に入選作として掲載されました。 しかし正直なところ、周囲の反応はいまいちだったという記憶があります。はたして皆様に受け入れてもらえるのかどうかは、私も自信がありませが、短い物語ですので、どうかお付き合いください。 keynuu773.hatenablog.com 完成同然 会社の決定事項を伝えるため、私はR博士の研究室を訪ねた
驚いた国会議員もいたものです。まさか北方領土を取り返すために「戦争をやろう」と提案するとは。「戦争」という言葉は、「反対」という文脈の中で使われることがほとんどなので、ことさら重く受け止めることはなかったのですが、推進する文脈で使用すると、たちまちきな臭くなります。 村上春樹に抗議した議員 国会議員の暴言は今に始まったことではなく、暴言による大臣クラスの引責辞任は毎年のように繰り返されます。 このように公人の発言が話題になったときに、いつも思い出すのが、村上春樹の「女のいない男たち」に収録されている短編小説「ドライブ・マイ・カー」です。 ここに登場するみさきという女性は、運転が抜群に上手く、人間的にも魅力的な人物として描かれています。みさきは、月刊誌の「文芸春秋」で発表された当初は、実在する北海道の中頓別町出身として設定されていましたが、単行本の発行に際しては「上十二滝町」という架空の町に
今回は約25年前、とある研究誌で発表した短い小説をご紹介します。この頃書いた小説は、時代の変化に追いつけず現在では紹介できないものが多いのですが、これは何とか時代を超えても耐えられるのではないかと判断しました。どうぞお楽しみください。 『マイクルの野望』(Micheal in Alabama) いつもの習慣に従い、コーヒーを2口啜った後、朝刊に目を通したハンバーガーチェーン店ワック社の社長マイクル・ハミルトンは、1960年の大統領選で共和党が敗北した時以上の驚愕を覚えた。 パリ市当局『ノン』。マクドナルドの出店はパリの景観を台無しにする。 記事によると、マクドナルドはエッフェル塔近くのセーヌ川に船上レストランを計画したが、パリの伝統的な景観が台無しになるという市民の強い反対の声により、その計画を断念したというのだ。 フランスの陸海運担当大臣は「エッフェル塔の下にマクドナルドなんて、一言で言
約30年ぶりに、鴨川納涼床で懐石料理を楽しんできました。帰りの電車で空席は優先座席のみ。やむなく座ると、あの悪夢が蘇ってきました。 そんなわけで、今回は以前に掲載した「爺は滅びて眠れる森で美女は眠る」を再掲します。ブログ開始直後の記事だったために、まだ記事の載せ方が不慣れでした。今回少し整理して掲載します。 暴走老人現る ついに「暴走老人」に襲撃されてしまいました。 珍しく外出した私は、夕刻ラッシュ時のJRに乗って帰路につきました。かろうじて空いていた四人掛 けの席のひとつに座り、ヘッドホンで音楽を聴きながらタブレットを触っていると、そばに立った細身の高齢男性(以下、暴走老人)が私を咎めているようなしぐさをしています。 すぐに、ここが優先席だったことに気づき、タブレットがペースメーカーに悪影響があるのを案じているのだろうと判断しました。そこで私は、ヘッドホンを耳から外して「安心してください
女性は男性の3倍喋っているといわれていますが、その大半は愚痴であるように思えます。私も女性の愚痴を聞くことがよくありますが、不思議なのはその宿敵をものすごく価値のある存在として自ら認めている点です。 温度計で高さを測る人 私はそういうときには「君は、この樹木の高さは2メートルありますと報告をしているのに、宿敵は温度計を振りかざして『あなたのデータは間違っている』と言っているようなものだ。そんな人間を相手にする方が間違っている」とドヤ顔で語ります。 ただこの比喩は難解なようで、あまり受けはよくありません。「要するに『同じ土俵に乗るなということですね』のひと言で、あっさりと片付けられてしまいます。メンツ丸潰れですが、さすが歴史を超えて残ることわざは分かりやすい。 というわけで、今回は価値観のズレをテーマにしたショートショートです。これはとある外国を舞台にした話ですが、お金にまつわる話なので、お
日々、意味のないことをやっていると感じることがあります。それは、ビヨンセやテイラー・スイフトのインスタグラムに「いいね」を押すことです。既に私が押す時点で100万いいね、200万いいね超えをしていますから、いまさら一人増えようが何の意味もありません。それなのに、押しミスをしたら、わざわざ押し直したりして、これは本当に空しい。 他人の心配をするのは自分のため 空しい行動と言えば、私の知っている人で、雨や雪が降ると必ず早朝から身内に電話をかけて「滑らないように」と注意を促す人がいました。聞かされる相手は大のおとなです。最初は純粋にアドバイスをしているものだと思っていましたが、ある時、この人は他者の心配をしているのではなく、自分を安心させるために忠告をしているということに気付きました。 現に何か事が起こった際に、自ら駆けつける術もそれに代わる救済方法も持ち合わせていない人でした。人は誰しも忠告が
勤め人時代は、他人からあれこれ指摘をされると妙に腹立たしく思ったものです。しかしフリーランスとなった今、なぜあんなことで腹を立てたのだろうと不思議に思えてなりません。 結局あのプライドは、競争社会の中で自分を奮い立たせる役割、つまりモチベーションだったのでしょう。しかし組織を離れた今となっては、そんなものはまったく無価値だったと気づかされます。自分ですらそう思えるのですから、まして他人から見れば、私のプライドなど無き者如きだったのでしょう。 本日はそんなプライド高き男のショートショートを紹介しましょう。 keynuu773.hatenablog.com 『誰かが……』 広告代理店に勤めている俺は提案した企画がことごとく認められ、30代にして部長の職に就いている。成功の秘訣は独創性に尽きるだろう。俺に言わせれば二番煎じの発想なんて何の価値もない。 ある日、俺は高級レストランに美女を誘った。こ
ある相談コーナーに「『母の日』に姑に何を贈ればいいのか悩んでいる」というものがありました。何を悩んでいるのでしょう。答は「『姑の日』に贈ればいい」です。 そんなものありませんけどね。 「母の日」は5月の第2日曜ではない 母の日は米国では国民の祝日に制定されています。日本では母の日は、祝日ではない単なる5月の第2日曜日に過ぎませんが、実は法律上「母に感謝する日」と定義づけられている祝日があるのをご存知でしょうか。 「国民の祝日に関する法律」に次のように定められています。 第二条 「国民の祝日」を次のように定める。 こどもの日 五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。 つまりこどもの日の5月5日こそが真の「母の日」だったのです。 父とダンスをもう一度踊りたいという歌 それにしても、5月5日が「母に感謝する日」なのはいいとしても、父に感謝する祝日がないのはどう
「総理大臣を批判した」といえば威勢がいいようですが、その実、電車でマナー違反をしている若者に注意をする方が何百倍も勇気を要します。総理を批判したところで何のリアクションもありませんが、若者は殴ってくる可能性がありますからね。 テイラーの新曲は意外にGood! 新曲「ME!」を出したテイラー・スイフトですが、このスペルをひっくり返すと「13W」になることから、13週間後にアルバムが発売されると噂されています。はたして真実はどうなのでしょうか。曲名の表記は、通常は各単語の頭文字だけが大文字になるので、わざわざEの大文字を使ったところをみると、あながちでたらめでもなさそうですね。 米国は有名人も政治的発言をする そのテイラー・スイフトは昨年の中間選挙で民主党の候補を応援すると発言して物議を醸しだしました。 これを知ったトランプ大統領のコメントが面白かったですね。「テイラーは100%好きだったが、
小説を発表する機会が増えると、作者である私よりも作品の方が独り歩きをします。何かの機会で読者に遭遇したときに「あら、思っていたイメージと全然違う」などと失礼極まりない言葉を投げつけられることもしばしばです。そんな作品と作家のギャップについてお話しします。 「聴く耳の秀才」といわれた かつてインターネットで劇作を学んでいた時代がありました。現役の劇作家の指導は丹念で非常に勉強になりました。あのとき学んだことは今でも大きな糧となって私の中に息づいています。 そんなネット講座で、ある著名な女性作家が担当講師となりました。私は修正すべき点を指摘されたときに、そのまま修正するのではなく、意を汲んで別の角度から直すということを繰り返していました。あるとき、その方法を絶賛されて、某女性作家から「あなたは聴く秀才です」とまで言われて、すっかり舞い上がったものでした。 ところが数年後、彼女の書いた演劇が地元
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