◇配布資料は、学会で話したものを、一部箇条書きにして簡単にまとめたものです。 ◇報告原稿は、学会で話した形で書いてあります。細かい部分もある程度書いています。 ■ 配布資料 1.問題の所在 血友病◆01 をいつまでも薬害◆02 の文脈で語る、あるいは語られることは一面的であり、血友病者が希求する血友病への適切な理解を妨げる可能性がある。 薬害研究と同時に、古くからその存在を知られている◆03 血友病の歴史的文脈を踏まえた研究が必要である。1980年に波紋を呼んだ渡部昇一のエッセイ「神聖な義務」 をめぐる言説と、当時の血友病者の社会的状況を取り上げる。生命倫理や出生前診断を考察する際に取り上げられる「神聖な義務」◆04 を「血友病の歴史の一点景」 として捉え直す。 本報告の意義 1.「神聖な義務」に言及した先行研究では、血友病は研究対象であった。血友病者の視点を導入し、血友病者の立場から「神