【プレスリリース】「奈良のシカ」の起源に迫る ―紀伊半島のニホンジカの遺伝構造とその形成過程― 公開日 : 2023-01-31 10:00 奈良公園に生息するニホンジカは、神の使いとして古くから厳重に保護が行われてきました。現在、すっかり人馴れした奈良公園のシカは、せんべいをねだる姿が多くの観光客をひきつけるなど、観光資源のひとつとなっています。しかし、これらのシカの由来に関する遺伝的研究はほとんどなく、周辺地域のシカとの遺伝的な違いについても明らかになっていませんでした。そこで奈良教育大学、福島大学、山形大学からなる共同研究グループは、奈良公園と紀伊半島各地のニホンジカを対象に詳細な遺伝解析を実施しました。その結果、大きく以下の3点が明らかとなりました。 ⚫ 奈良公園のシカは周辺地域と近縁ではあるものの独自の遺伝子型を持つ集団であること ⚫ 奈良周辺地域のシカ集団は1000年以上消