『代替医療のトリック』 浅井 忍 多くの国で人口の半数以上が代替医療を利用しているという。地球全体では、毎年400億ポンド(5兆3千億円)が代替医療に費やされていると推定され、医療支出のなかでもっとも急速に増加している分野である。通常医療と同じ病気を治療できると主張してきた代替医療は、絶大な効果があるのか、役に立たないのか、あるいはその中間なのか、本書の目的はその真実を知ることである。著者のひとりサイモン・シンは、インド系英国人である。これまでに『フェルマーの最終定理』、『暗号解読』、『宇宙創成』を書き下ろしている。いずれの著書も緻密な調査に基づいた分析と巧みな構成により、高い評価を得ている。一方、エツァート・エルンストは代替医療の分野における世界初の教授である。著者たちが協力することにより、代替医療に対して偏りのない視点で真実を突き止めることができるとしている。 第1章では、以下の4つの