まもなく日本でも新型コロナのワクチン接種が始まります。 世界で最初に開発され実用に供されたのがファイザー社のワクチンです。 このワクチンは従来の生ワクチンや不活化ワクチンあるいはトキソイドワクチンと異なり、ごく一部のタンパク情報を担うmRNAを使用しているのが特徴です。mRNAが投与されると人間の細胞はmRNAの情報に基づくタンパクを作成するようになります。新型コロナワクチンでは、新型コロナウイルスの突起(スパイクと呼ばれる)を構成するタンパクが作成されます。新型コロナの突起タンパクは人間にとっては異物であるため突起タンパクに対する抗体の産生やT細胞の応答を促すようになります。こうした免疫反応によって新型コロナウイルスの感染能力を低下させるという仕組みです。ファイザー社の新型コロナワクチンの効果は臨床治験では94%の有効率を示しました(ワクチン非投与群が100人感染したのに対しワクチン投与