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» ブログ » インサイダーズ » 服部毅のエンジニア論点 中国半導体設計恐るべし!HiSiliconを頂点にIC設計企業が1700社 2019年4月 4日 |服部毅のエンジニア論点 既に昨年11月の本欄で、中国Huawei(華為科技;実際の設計は子会社のHiSilicon)が、AI機能を強化したスマートフォン用SoC「Kirin 980」を「世界初の7nm SoC」として、世界トップクラスの半導体やスマートフォンサプライヤに先んじて発表したことを紹介した(参考資料2)。このチップは、すでに同社の最新型スマーとフォンMate 20シリーズに搭載されている。 5Gで先行するHuawei/HiSiliconに米国勢が危機感 さらにHuaweiは、今年1月に次世代通信規格「5G」向けの半導体チップ「Baron 5000」を発表し、近く発売予定の5Gスマホに搭載するという。現行規格の4Gに比べ10
NANDフラッシュメモリは東芝で開発された技術であることは疑いの余地がない。東芝だけではなく日本の主要半導体企業ではDRAM全盛だった最中の1980年代に、東芝の舛岡富士夫社員が発明した。しかし、フラッシュメモリは東芝が開発したと胸を張って言えるだろうか。 東芝はNANDフラッシュメモリ技術を1992年にはSamsungに惜しげもなく供与してしまった。「(舛岡氏は当時を振り返り)『(東芝は)半導体技術をきちんと評価してこなかったのに、いまさら技術流出を言うのは遅い』と憤る。」と新聞は伝えている(参考資料1)。舛岡氏はフラッシュメモリ研究を取り上げられ、部下もおらず予算もつかない技監(舛岡氏によると閑職(参考資料1))に追いやられてしまう。当時、東芝だけでなく日本勢はDRAMに全精力を注力していたため、会社から冷遇された舛岡氏は、1994年に依願退職した。同氏は、最近、「研究を続けるには会社
Intelマレーシア第2回と第3回(参考資料1、2)でCPUテスターをいくつか紹介したが、これらのテスターやテスト用マザーボードは、機密漏洩防止のため、Intelマレーシア後工程工場で内製されていた。Intelマレーシア見学記の最終回となる今回は、CPUテスターの製造の様子を写真で紹介しよう。最後に、おまけでベールに包まれている不良解析ラボについても紹介する。 [→続きを読む] 先月(2023年10月)開催された台湾TSMC2023年第3四半期決算説明会で、CFO による同四半期の業績説明(参考資料1)に続いて、同社CEO兼社長の魏哲家(C.C. Wei)氏(図1)は、世界中の著名証券会社の10名の機関投資家の多種多様な質問に即答した。長時間に及ぶ会見のため、その様子はほとんど報道されていないが、TSMCの実像を知るためにとても興味深い内容が含まれているので、本欄で実況しよう。それにしても
ヒッピーのような姿をした一人の外国人が東京のJR市ヶ谷駅前にあるシャープ東京支社(現東京市ヶ谷ビル)へ入って行った。背広姿を見慣れている受付嬢は一瞬驚いたが、笑顔を作って要件を聞くと「ドクターササキに会いたい」という。ドクターササキとは、当時シャープの副社長で東京支社長の佐々木正博士(注1)であることはすぐにわかった。 アポイントメントを取っているかどうかを確認すると「ない」という。受付嬢としては、すぐに取り次いでよいものかどうか判断できず、佐々木氏の秘書に連絡を入れた。秘書はすぐ受付のところまで降りてきてその外国人に応対すると、スティーブ・ジョブズ(Steven Paul Jobs)と名乗り、以前にドクターササキに会ったことがあると言う。面会の予約はなかったが、幸い佐々木氏が社内にいたこともあり、秘書が佐々木氏本人の意向を直接確認したところ、会うという返事が返ってきた。秘書はジョブズ氏を
太陽光発電など自然エネルギー発電が日本の電力網に大量に導入されると、日本全国各地で停電が起きやすくなる。スマートグリッドでさえ不十分、デジタルグリッドの概念の導入が重要なカギを握る。SPIフォーラム半導体エグゼクティブセミナーにおいて東京大学大学院工学系研究科の阿部力也特任教授はデジタルグリッドという大胆な提案を行った。 太陽光発電は日本中で天気の良いところと悪いところが毎日いたるところで存在するため、電力の豊富な所と不足するところが必ず発生する。発電量が多いと周波数は高くなろうとし、発電量が少ないと周波数は低くなろうとする。これを補うために電力の豊富な所から不足する方向に向かって、電力潮流が起きやすくなる。この電力潮流変動が大きくなると出力を制限して電力量を補正する必要が出てくる。さもないと停電に至る事態が起きる恐れがある。 オバマ大統領の提案するスマートグリッドは、消費者の電力消費量を
システム的な考え方が日本の半導体メーカーには欠けている、というご意見をいただくことがある。半導体メーカーには部品メーカーとしての意識がまだ強く残っており、これでSoCビジネスを行うのには無理がある、との指摘である。 かつて日立製作所におられ今なお「システム屋」としての考えも気構えも失わない人たちからのご意見をいただいた。半導体メーカーに「システムのわかる人を育てなさい」と言ったら、「システムがわからなてくもうまい答えが出るはずだ」との答えが返ってきたそうである。これを認めると自分の立場がなくなるからのようだ。しかし、これではいつまでたってもシステムを理解できないまま、自称システムオンチップ(SoC)を作ることになる。 特に優れた企業ほど、しかも今の業績が良ければ良いほど5年後の未来のシステムに向けて何を開発し何を主力製品とするか、について議論し方向を決め、それを実行している。システムがわか
グローバル化の必要性は今や誰もが口にするようになった。だが、グローバル化はなかなか進まない。かつて海外に進出したこともあるし、海外企業とコラボを組んでもうまくいかなかったことがトラウマになっている例もあるようだ。今、日本半導体のグローバル化は嫌が応にも迫り来ている。好き嫌いを言っていられない。まず、海外企業の気持ちをつかむことが第一歩ではないだろうか。 私自身は10数年前から、海外の視点で日本を見るという作業を続けてきた。1990年代の初め手掛けていた英文誌Nikkei Electronics Asiaからその作業は始まった。この雑誌は韓国・台湾・シンガポール・香港という先端アジアの電子エンジニアを対象とした月刊誌だった。読者視点で記事を作るために自分もアジアのエンジニアから日本を見てどのような話題が受けるかをアジアの読者に取材して常にアジアの視点で日本を見るという仕事をしていた。 台湾を
今年も米PR会社のGlobalPressが主催するe-Summitにやってきた。この会議では、日本で名前の全く知らない新しいベンチャーの話を聴ける。主催者にどの企業に興味があるのかを聞かれたので、無名の企業を紹介してくれ、無名であればそれだけで日本では特ダネになるから、と伝えた。 MIPSの新CEO Sandeep Vij氏 昨年は、MEMSのベンチャーであるKionix(カイオニクス)の話を記事に書いた。インタビューした相手のEric Eisenhut氏が最優先するマーケットは日本、と断定したように、この企業を後にロームが買収することになった。この時に書いた記事はもちろん、日本のメディアは誰も書いていない。昨年秋に電子情報通信学会で講演した時にもKionixの話をした。MEMSセンサーとその出力からシステムのアルゴリズムに結び付く信号列を対応させるか、が重要であるが、MEMSセンサーだけ
前回、分社化における問題を取り上げた。本稿では、分社化後に2社が経営統合する際の問題を3回に分けて考えてみる。第一回目は、2社統合によりどのような摩擦や混乱が生じるかを考察する。エルピーダメモリやルネサステクノロジなど、2社が経営統合した際、2社の技術融合によるシナジー効果“1+1=3”が期待された。しかし、現実は、目論見通りに行かなかった。2社の設計技術を融合することはできなかった。プロセスの“良い所取り”は不可能だった。2社の量産工場で計画通り量産することができなかった。それはなぜなのか? [→続きを読む] 2008年10-12月期決算で、とうとう韓国サムスン電子も赤字に転落し、米国のインテルおよびテキサス・インスツルメンツ以外の半導体メーカーは全て赤字決算となった。特に、もともと営業利益率の低い日本半導体メーカーの赤字は深刻だ。2008年通期で、東芝が2900億円、ルネサステクノロジ
最近の富士通エレクトロニクスの選択と集中の発表は、これまでのNECエレクトロニクスとルネサステクノロジの統合などの発表とは違い、選択と集中を進めていることが見えてきた。半導体各社の製品一覧表を各社のウェッブサイトの製品をベースに作ってみた。その中から見えてきたものは、業界再編するなら製品ごとに行うべきということだ。 (クリックで拡大) 出典:各社のウェッブサイトを基に筆者が作成 この表で特にNECエレ、ルネサス、いずれもマイコンの開発において入出力仕様を公開し、外部のサードパーティにプログラム開発を依頼したりサードパーティがソフトウエアや開発ツールを開発したりしている。オープンにしてサードパーティがマイコンのソフトを組むからこそ、NECエレやルネサスはマイコンの品種を拡大し、ビジネスを大きくすることができた。いわば、外部のサードパーティがソフト開発してくれたからこそ、マイコンビジネスを伸ば
スマートグリッドの開発が始まっている。スマートグリッドとは、「電力供給をおこなう新しい技術であって、エネルギーとコストを節約しつつ、ITや通信技術を用いて供給者と消費者の間にある問題を全体最適化するシステム」とここでは定義して見よう。スマートグリッドは半導体の新しい市場になるのだろうか? まず開発の背景にある事情から述べる。昨年の夏、シリコンバレーで車を運転中の突然の出来事だった。信号が四方向全てにおいてあたかも発振しているようにフラッシュ状態になって驚いた。これは電力会社が停電時に処置する非常手段だ。シリコンバレーではこのところ10年ほど、夏に停電が発生するのは何も珍しくない。理由ははっきりしていて電力需要に供給が追い付かないためだ。住宅やオフィスが増加しそれにつれて電力消費も増加している。電力消費はクーラーやTVなど生活面のみならず、オフィスで使用するPCやOA機器そして大きいのはサー
わが国の半導体産業は立体的であり良いバランスがとれた形を成しているといえよう。DRAMやフラッシュメモリー、マイコンとも呼ばれるMCU、そしてロジックLSI…の数々。その上に多彩なディスクリートデバイスを展開していて、中でもパワー半導体は素晴らしい。 例えばパワー半導体だけで見ると、日本企業が総合的にトップグループの位置に着けているのは間違いない、と感じている。ガートナー社などの2008年のオール半導体売上高ランキングに於いてトップ3は全て海外企業だったが、彼等はパワー半導体では劣勢であり日本の三菱電機、富士電機などに遠く及ばない。 PCも携帯電話も先進国では一巡して需要が飽和傾向にあるなか、石油枯渇問題に加え低炭素社会が目前に広がる現在はエネルギーを効率良く制御できない国は発展しない形勢になって来た。主だったエネルギーである電力を効率よく制御する仕事を担うのがパワー半導体である。データセ
フラッシュメモリ市場がようやく上向いてきた。2023年第4四半期(4Q)におけるNANDフラッシュ全体の販売額は前四半期比24.5%増の114億8580万ドルとなった。ただし、フラッシュメーカーにとって明暗が分かれている。1位のSamsungは同44.8%増の42億ドルでシェアを31%から37%へと拡大したのに対して、Micronの販売額は同1.1%減に留まった。 [→続きを読む]
世界ファウンドリ産業の最新のトップランキングでは、トップのTSMCの独占状況がますます進んだ。2023年第4四半期(4Q)におけるTSMCの売上額は前四半期比14%増の196.6億ドルとなり、上位10社の中で市場シェアは61.2%になった。2023年3QにおけるTSMCのシェアは57.9%と過半数を占めていたものの、今回初めて60%の大台に乗った。これは市場調査会社TrendForceが発表したもの。 [→続きを読む]
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