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コンピューターと自閉症 NHKの海老沢さんに教えていただいた話題です 2000年12月,伊地知信二・奈緒美 1997年9月に「コンピューターのような頭脳:自閉症におけるハンディキャップと才能の二面性」というタイトルでサラ・ミラーさんに関する記事をご紹介しました.その記事を書いたGary Anthesさんが以下のような記事をインターネット上のCOMPUTERWORLDに出しています(http://www.computerworld.com/cwi/story/0,1199,NAV47_STO44587,00.html).主旨は知的障害者や精神疾患の患者の就職難についてで,高機能自閉症のコンピューターグラフィックデザイナーの話がきっかけになっています,自閉症者がコンピューターを得意とすることを示す一例でもあります.日本発達障害学会第34回研究大会特別講演でテンプル・グランディン先生は,マイクロ
MMRと自閉症:主要文献リスト MMR・自閉症・腸炎(24):今後はこのページを更新する形で,この話題をフォローしていきます 現時点での(最新の)一般的見解
Pearson H. Dual identities.Nature 417: 10-11, 2002. 訳者コメント: 重要な内容です.自閉症の頻度に民族差がない事実や,子孫を残すのが苦手な自閉症者が多いのに自閉症の率が減らない(淘汰されない)ことを説明する一つの可能性として,受精卵や胚の遺伝子変異の可能性も検討する必要があります.体細胞モザイシズムは以前からひっかかっていた可能性です.現時点で自閉症とモザイシズムに関する論文はまだ公表されておりません. (概訳) 二者同一性(Dual identities) ---血液中に兄弟に由来する細胞を含んでいる人がいる.また,2つの個体(two individuals)が1つに合体している者もいる.さらに,体の一部のみに異なる変異(mutation)を持っている人もいる.Helen Pearsonがキメリズム(chimaerism)とモザイシズム
Schott GD. Mirror writing: Allen's self observations, Lewis Carroll's "looking-glass" letters, and Leonardo da Vinci's maps. Lancet 354: 2158-2161, 1999. (概訳) はじめに 鏡文字とは,‘普通と反対の方向へ書かれ,個々の文字も反転している書体’である.鏡文字は,一過性に出現することもあれば,持続性のこともある.一つの文字に出ることもあれば,単語や文全体に及ぶこともある.特にきっかけなどが無く自然と出てくることもあれば,潜在していて何かのきっかけで出現することもある.ラテン語系言語では,鏡文字は,通常左手で右から左へ書かれる.不思議なことに,鏡文字を書く人は自分の鏡文字の才能に気づいていないようだし,(自分が書いた)鏡文字を読むことに困難を
Baron-Cohen先生の「自閉症極端男性脳説」を紹介します.ここで紹介するのは,1999年MITから出版された「Neurodevelopmental Disorders」という本の中に載せられたものです(文献1).最初の発表は1997年で,その後Baron-Cohen先生は学会やいろいろなメディアを通じてこの説を精力的に発表しておられるようです.既にインターネット上では日本でも話題となっておりご存知の方もおられると思います(掲載が遅れましてごめんなさい).「男女の認知能力の差異研究をもとに,folk physics(現象の物理的把握)が優位な脳を男性脳,folk psychology(現象の心理的把握)が優位な脳を女性脳と定義したとき,自閉症はfolk physicsがfolk psychologyに比べてかけ離れて優位である極端男性脳である」という説を多くのエビデンスをレビューして論
コンピューターのような頭脳: 自閉症におけるハンディキャップと才能の二面性 1997年9月、伊地知信二/奈緒美(谷口さんから教えていただいた話題です) 8月21日号のInternational Herald TribuneのHealth/Science欄に,「コンピューターのような能力:ハンディキャップと才能の二面性」というタイトルで,ある自閉症者(サラ・ミラーさん42歳)のことが紹介してありました.彼女はコンピュータープログラマーで,コーディングパターンの不整を見つける特殊な能力を持っており,ソフトウェアーのバグ(不備)をほぼ一瞥で指摘できます.顧客のプログラムが彼女の見たことのないものであっても,彼女のコンピューターのような頭脳の中にインプットされているプログラム理論を出力することにより容易に対処できるのだそうです. 彼女はアスペルガー症候群であったらしく,37歳の時に自閉症を指摘され
Marcus GF & Fisher SE. FOXP2 in focus: what can genes tell us about speech and language? Trends in Cognitive Sciences 7: 257-262, 2003. 訳者コメント:以前ご紹介したFOXP2に関する総説です.FOX遺伝子は発生過程でのパターニングに関与し,構造的な特徴を規定する遺伝子群のひとつですが,解剖学的な構造を決定する転写因子遺伝子のひとつに起こった変異が,会話とか言語の能力に影響するという事実は驚くべき発見のひとつです. (概訳) 概要:会話および言語を習得する能力は,少なくとも部分的にはゲノムに依存している.2001年,会話言語の習得能力に関連していると考えられるFOXP2遺伝子に関する最初の論文が世に出た.ここでは,この遺伝子がどのようにして発見され,何をして
Baron-Cohen S. The extreme male brain theory of autism. Trends in Cognitive Sciences 6: 248-254, 2002. 訳者コメント:話題に掲載したBaron-Cohenの自閉症の極端男性脳理論の最新版です.前論文では,男性脳と女性脳の違いを folk physics(現象の物理的把握・物への興味) と folk psychology(現象の心理的把握・人,心への興味) としていますが,本論文では,さらに進めて,systemising (システム化すること)と empathising(共感すること) としています.自閉症者は,極端にシステム化が得意で,共感することが苦手な極端男性脳であるという理論です.極端男性脳理論が,アスペルガーによって1944年に提唱されていたことも興味深いです.アスペルガーはBar
Perner J & Lang B. Development of theory of mind and executive control. Trends in Cognitive Sciences 3: 337-344, 1999. 訳者コメント: 相手が意図していることを読みとることが苦手なのでうそつきのキツネに簡単にだまされたり,がまんすることができずに「見せ物小屋」や「島の遊園地」へ行ったりしたことで非常に有名な人物がおります.じゃじゃ丸自閉症研究所所長の寛くんのニックネームのひとつにもなっているピノキオです.論文のイントロにもありますようにピノキオ的な人(自閉症的な人やADHD的な人)と3歳以下の子供は,人をだましたりごまかしたりすることができません.ポーカーフェースが苦手で,うそをついてもすぐにばれてしまいます.心の理論能力と管理(統合)能力(executive functi
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