「すみません、チーズバーガー1つ。あと、これは真剣なお願いなんですけど、ピクルス抜いてもらってもいいですか」 男はそう言うと、額を床に擦り付けた。 「お客様???如何されました?」 男の突然の奇行に驚く店員を尻目に、 男は声を震わせながら繰り返す。 「ピクルスを、ピクルスを抜いて欲しいんです。」 「ピクルスを抜いてくれれば話は早いんです。」 店員は目を白黒させている。 「お客様、、とりあえず一旦立ちましょうか、、」 「ピクルスを抜いて欲しい、それ以上でも以下でもないんです。」 「・・・・」 男は長いため息をつく。 少しパーマのかかった髪を指先でいじりながら、彼は言う。 「すみません、実はピクルスを抜いてもらうのをお願いするのは初めてで、、少しばかり緊張しています。もし、あなたの目に、私が失礼な男に映っていたら大変申し訳ないです。私の名前は武藤ジェイソン一樹と言います。バツイチです。」 武藤