図1 尿路の構造 (日本泌尿器学会HPより引用) 腎盂腎炎とは、腎臓に細菌が感染する病気です。 図1のとおり、腎臓でつくられた尿は、腎盂(腎臓内の尿のたまるところ)、尿管を経て膀胱に溜められ、尿道から排出されます。この尿の通り道である尿路は本来菌がいませんが、細菌が侵入し感染した場合を尿路感染症といいます。細菌が感染した部位によって下部尿路感染症と上部尿路感染症に大きく分けられます。下部尿路感染症は、尿道や膀胱に起こる感染症で、その多くは膀胱炎です。一方、上部尿路感染症は、腎盂や腎臓に起こる感染症で、多くは腎盂腎炎と診断されます。腎盂内で細菌が繁殖し腎臓にまで炎症が及んだものを腎盂腎炎といいます。 図2 大腸菌(神奈川衛生研究所HPより引用) 腎盂腎炎は、尿道の出口から侵入した細菌が尿路をさかのぼり腎盂に達することで起こります。 一般的に尿路に侵入した細菌は排尿により体外へ排出され、免疫力