現実にあるものを通して言葉では表せないものを表現し、生と死、その循環と境界にあるものを描く写真家・川内倫子は、デビューしてまもなく日本国内はもとより海外からの高い評価と要請に応えてその活動の場を自然と広げてきました。 写真という2次元の媒体でありながら視覚以外の知覚をも刺激する川内の作品は、日常にひそむ、無限大に広がる世界の不思議さを気づかせてくれます。 1992年から2005年、13年間の家族アルバムとして日常とその周囲、家族の誕生や祖父の喪失を記録し家族とは何かを求めた「Cui Cui(キュイキュイ)」は、本展では新たに3年間の新作を加えて、写真展としてはじめて構成されます。 川内倫子の国内美術館での初個展となる本展作品は、これまでカルティエ現代美術館財団(個展/パリ)・ハッセルブラッド写真展(個展/イエーテボリ)、東京都現代美術館(グループ展)において、スライドショーとして展示