ラッコは海獣と呼ばれる動物(鯨類、海牛類、鰭脚類、ラッコ)の中では、最も遅れて海の生活を始めた海の哺乳動物だ。そのために、他の海獣のように脂肪をまとった流線型の体ではなく毛がとても多い。また泳ぎもあまり得意ではないので、沿岸にのみ生息して、カニやエビや貝など動きの遅い生き物をエサにしている。 そもそもラッコには他の海獣たちのようにいくつもの種類がいるわけではなく、イタチ科の仲間のうちラッコ1種(3亜種)だけが海獣なのだ。英名では、カワウソがotter、ラッコがsea otterだから、直訳すればラッコは海カワウソあるいはウミウソである。ただし日本語でウミウソとはアシカのことを指す言葉としてあり、アイヌ語が語源とされる「ラッコ」が和名となった。ウミウソよりもラッコの方がいいように思うのは筆者だけではないだろう。とにかく、川の暮らしに適応したイタチがカワウソ、海の暮らしに適応したイタチがラッコ