サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
買ってよかったもの
www2u.biglobe.ne.jp/~vespa
前年の秋に誕生し越冬を終えた女王バチは,4月から6月にかけて,順次出現する.すぐには営巣活動を開始せず,2~4週間かけて樹液やアブラムシの甘露などを舐めて体力を回復した後,営巣場所を求めてあちこち飛び回り,営巣場所が決まると晴天の暖かな日を選んで単独で巣作りを開始する. 最初の働きバチが羽化するまでの約1ヶ月間は,女王バチが狩りや巣材集めなどの外役活動と子育てを行う(単独営巣期).そのためコロニーの存続にとって最も厳しい時期にあたり,女王バチの死亡により廃巣にる割合は極めて高いと考えらている. 働きバチの羽化後は外役活動の回数はしだいに少なくなる(共同営巣期). 6月から7月にかけて働きバチの羽化が本格化すると,女王バチは外役活動を行わず産卵に専念するようになる(分業期).次々に羽化する働きバチは,巣材集めや幼虫の餌集めに忙しく働き,巣は急速に大きくなる. 秋にオスバチと新女王バチの幼虫が
昆虫を食べる習慣は,日本の他,.東南アジアなど各地で見られます.日本ではスズメバチ,イナゴ,カイコ,カミキリムシ,セミ,ザザムシなどが昆虫食の対象とされてきましたが,現在も各地で食べられているのはスズメバチとイナゴの2種類です. スズメバチの幼虫や蛹を食べる習慣は,北は北海道から南は鹿児島県まで,全国各地で知られていますが,その中心は長野県,山梨県、岐阜県の東濃地方や愛知県の三河山間部などで,す.おもに食用の対象となるのはクロスズメバチ属のクロスズメバチ Vespula flaviceps やシダクロスズメバチ Vespula shidai iなどの小型種で,”ヘボ”,”スガレ”,”ジバチ”などと呼んで親しまれています. 山野に新鮮な餌を配置してそこにやって来る働きバチの行方を追いかけ,地中の巣を見つけて持ち帰り,中の幼虫や蛹を食べます.かっては周囲に海がない山間部での貴重な蛋白源で,一般
前年の秋に羽化して越冬した女王バチは,日中の気温が12~13℃になると越冬を終えて活動を開始します.本州の西南暖地では,出現時期の最も早いキイロスズメバチとクロスズメバチが4月上旬頃,最も遅いヒメスズメバチが5月下旬頃になります. その後,2~4週間かけて樹液やアブラムシの甘露などを舐めて体力を回復した後,気温が16~18℃になると営巣活動を開始します.女王バチは営巣場所を求めてあちこち飛び回り,営巣場所が決まると晴天の暖かな日を選んで,1頭で巣作りを開始します. 最初の働きバチが羽化するまでの約1ヶ月間は,新女王バチが幼虫の餌集めや巣材集めなどの外役活動と子育てを1頭で行います(単独営巣期).そのためコロニーの存続にとって最も厳しい時期にあたり,女王バチの死亡により廃巣になってしまう割合は極めて高いと考えられます. 働きバチの羽化後は外役活動の回数はしだいに少なくなります(共同営巣期).
日本に生息する3属12種のアシナガバチのうち,8種が本州に生息しています.名古屋市内でも8種全ての採集記録がありますが,営巣を確認しているのはコアシナガバチとヒメホソアシナガバチを除いた6種です.スズメバチよりも身近な環境に生息しているため,見かける機会も被害に遭う機会も多いハチです.
捕食者として生態系の上位を占めるスズメバチにも多数の天敵が存在します.スズメバチの天敵には次のようなものがあります. (1) 巣の外で成虫を捕食する・・・・・鳥,ムシヒキアブ,オニヤンマ,オオカマキリ,クモなど (2) 成虫に寄生する・・・・・・・・・ネジレバネ,センチュウなど (3) 巣の中で幼虫や蛹を食べたり寄生したりする・・・カギバラバチ,ベッコウハナアブ,メイガなど. また,ハチクマはスズメバチの巣を壊して,巣盤を幼鳥の餌に持ち帰ります.オオスズメバチは他のスズメバチの巣を襲い,育房から幼虫や蛹を抜き取って巣に持ち帰ります.その他にも,越冬中のスズメバチを補食するコメツキムシの幼虫やムカデなどがいます. ここでは,名古屋市でも寄生が確認されているスズメバチネジレバネ,モモイロシマメイガ,スズキベッコウハナアブを取り上げます.
アシナガバチについては,名古屋市でも駆除対策は実施していません.スズメバチに比べて攻撃性が弱いことから,生態を正しく理解すれば十分共存が可能です. アシナガバチは幼虫の餌に庭木などに付くイモムシやケムシを狩ってくれます.益虫としての側面を大切にする意味でも上手に共存されることをお奨めします.我が家では特に危険な場所でない限り,巣はそのまま放置してあります. 昆虫の世界は多産多死が普通です.スズメバチやアシナガバチも例外ではなく,女王バチが単独で営巣中に事故などで死亡して,廃巣になるケースが多数みられます.そのまま放置しても半数かそれ以上が廃巣になってしまいます. 働きバチが羽化する前(女王バチが1頭の状態の時)には,巣を棒などで落としても女王バチは決して攻撃してくることはありません.ただし,巣を落としても同じ場所に2度,3度と巣を作り直することがあるので,落とした後にスプレー式の殺虫剤を噴
ニホンミツバチの巣にはオオスズメバチやキイロスズメバチなどがやってきます.キイロスズメバチは巣門の近くで待ち受け,成虫を捕獲して巣に持ち帰るだけですから,巣が大きなダメージを受けることはありません. オオスズメバチも最初はキイロスズメバチと同じように成虫を捕獲し,肉団子にして巣に持ち帰るだけですが,巣の入り口付近に腹部から出る餌場マークフェロモンが塗る付けられると,この匂いに多数の働きバチが誘引されるようになり,やがて集団攻撃に発展します. オオスズメバチの攻撃に対する対抗手段として,ニホンミツバチは蜂球を作りオオスズメバチを熱殺するという戦術をとります.オオスズメバチが46℃で死亡するのに対して,ミツバチは48℃まで耐えられるという温度差を利用したもので,ニホンミツバチの巣の近くにオオスズメバチの死骸が落ちているのをよく見かけます. また,最近の研究から,スズメバチが死亡する原因として,
ハチ刺傷によるアナフィラキシー症状を緩和するための自己注射器”エピペン”が,医師の処方により入手できるようになりました.主成分はアドレナリンで,強心作用,血圧の上昇作用,気管支の拡張作用があり,アナフィラキシーの徴候や症状を感じた時に速やかに注射すると,ショック症状を軽減させる効果があります.吐き気,発汗,めまい,じんま疹,ふるえなどの初期症状がみられた場合は,ショック症状が発現する前にすみやかに注射します. エピペンの投与対象者は,ハチ刺傷によるアナフィラキシーの既往のある人,またはアナフィラキシーを発現する可能性の高い人(ハチ刺傷時に全身症状が見られ,かつ抗体価が高い人)です.症状出現後30分以内(遅くとも60分以内)に注射すれば,死亡者を減少させる効果が期待できます.適正に使用しないと重大な事故につながる可能性がありますから,使用に当たっては十分な注意が必要です. 今までは保険が適用
免疫反応はウイルスや細菌,異物など(抗原)が体内に侵入した時にこれを排除する仕組みで,抗原抗体反応とも言います.最初の抗原の侵入により体内で抗体が作られるため,同じ抗原が2回目に体内に侵入した時には,1回目よりも急速で強い反応が起こります. 抗体は血液中にできるタンパク質の1種で,免疫グロブリンとも呼ばれており,IgG,IgM,IgA,IgD,IgEの5種類が知られています.予防接種はIgG抗体の働きにより感染症の予防に有効です.また,養蜂家など普段からハチに刺される機会の多い人が,何度も刺されているうちに強い症状が出なくなることがありますが,これもIgG抗体の働きです. 一方,この免疫反応が生体に不利に働き,さまざまな障害を引き起こす場合をアレルギーといいます.アレルギーの原因となる物質には,ハチ毒の他に,スギやヒノキなどの花粉,食物(牛乳,卵白,小麦,ソバなど),ダニなどに由来するハウ
スズメバチやアシナガバチ,ミツバチなどの集団生活をするハチは,外敵から巣を防衛する手段として攻撃性が発達しています.そのため,直接,間接を問わず巣に刺激を加えると毒針を武器にして攻撃してきます. スズメバチに刺されないための対処法は,(1) 巣の所在が明らかな場合,(2)巣が近くにありそうな場合,(3) 巣はないがハチが飛んでいる場合のそれぞれで異なります.
トラップで使用する誘引剤の作り方は人によりさまざまで,下の表のようにいろいろなレシピが紹介されています.これらを参考にして,オリジナルの誘引剤を工夫するのも良いと思います.微生物による発酵作用で樹液と同じような匂いを作り出してスズメバチを誘引します. 同じ誘引剤を使っても誘引効果は地域により異なっている可能性が高く,必ずしも同じような捕獲結果が得られるとは限りません.また,発酵が進むと成分が変化して誘引効果が無くなりますから,1~2週間で新しい誘引剤と取り替えてください. この臭いの成分は最近の研究で明らかにされており,これらのいくつかを組み合わせることによってスズメバチが誘引されることが分かっています.将来はもっと効力の安定した誘引剤の開発が期待されます. ハチ以外にも,カナブン,カブトムシ,チョウ,ガ,ハエなど樹液に集まる昆虫がたくさん入ります.捕獲される昆虫が多くなると,トラップの中
● ハチに関する基礎知識 ● スズメバチの基礎知識 ● 日本のスズメバチ図鑑 ● スズメバチ8種の成虫による見分け方 ● スズメバチの生活史 ● スズメバチカレンダー ● スズメバチの巣と体のしくみ ● スズメバチの営巣場所と巣の見分け方 ● スズメバチはなぜ刺すか ● スズメバチによる刺傷被害 ● スズメバチに刺されないために ● 都市のハチ問題と自治体の対応 ● スズメバチと人との関わり ● スズメバチの対処法 ● スズメバチ誘引トラップ ● スズメバチの生物誌 ● スズメバチの博物誌 ● スズメバチ観察日記 ● スズメバチの参考図書 ● スズメバチQ&A ● 都市のスズメバチ[ダイジェスト版] ● コガタスズメバチ事典 ● アシナガバチ事典 ● ミツバチ事典 ● 名古屋市のスズメバチ対策の変遷 ● 名古屋のスズメバチ事情 ● 名古屋のスズメバチ図鑑 ● 名古屋スズメバチマップ ● 名
わたしがまだ大学にいたころ,研究室に警察から電話がかかってきました。何事かと思えば,なんでも「中年男性がハチに刺されて死んだらしいが,本当にそういうことがありうるのか」とのこと。この判事氏は変死の線で捜査でもしていたのでしょうか。しかしスズメバチの刺傷で毎年数十人を下らない死者が出ているのは紛れもなく事実です。 ハブやヒグマなど,人間の生命に危険を与える生物はむろん他にもいます。しかし生息地は限られており,ヒグマなど昨今では出会うほうが難しいのではないでしょうか。一方,スズメバチは全国どこでも見られ,住宅地での発生すら問題になっています。もちろん林野にも多く,仕事がら野外に出る機会の多い私たちは,その危険性について知っておかねばなりません。 とはいえ,いたずらな恐怖は禁物です。彼らもむやみに人を刺すわけではなく,万一刺されたとしても命にかかわることはまずありません。スズメバチについてはマス
このサイトは,都市に生息するスズメバチの知られざる生態や,スズメバチに関するさまざまな話題をお知らせする「スズメバチの総合サイト」です. このサイトを通して,「都市のスズメバチ」の興味深い生態の一端に触れていただき,スズメバチへの理解が深まれば幸いです.
ハチに刺されないようにいくら注意していても,不幸にして被害にあうことも少なくありません.もしもハチに刺されてしまったら,重症になることは稀ですから,必要以上に不安がらずに落ち着いて次のように行動してください. 刺された場所が巣の近くなら,速やかにその場所から離れてください.少し身をかがめるようにして,姿勢を低くして逃げます.逃げる際は手ではらったりするとハチを刺激して危険です.1匹のハチに刺されると毒液(興奮物質)が空中にまき散らされるため,その場に止まっているとさらに多数のハチの攻撃を受けることがあります.スズメバチが追いかけてくる距離は種により違いますが,概ね巣から10~50m程度で,通常は20~30mも離れれば心配ありません.アシナガバチでは数m~30m程度追いかけてきます. 傷口を流水(水道水など)でよく洗い流し,手で毒液を絞り出すようにします.この際,口で吸い出していけません.た
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『www2u.biglobe.ne.jp』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く