他人のパソコン(PC)の遠隔操作事件で、警察が逮捕した四人の男性は全員無実だった。サイバー犯罪捜査の拙劣さばかりか、ずさんさがはっきりした。捜査の在り方を根本的に見直すべきだ。 「真犯人でない方を逮捕した可能性は高い」。警察庁の片桐裕長官はそう述べて誤認逮捕を認めた。警察トップとしての異例の発言は、事態の重大さと強い危機意識を示している。 犯罪予告を書き込んだり、脅迫メールを送りつけたりする事件が相次ぎ、四人を逮捕したのは神奈川県警、警視庁、大阪府警、三重県警だった。持っていたPCのネット上の“指紋”といえるIPアドレスを追跡する捜査手法で突き止めたのだ。