第三セクター・肥薩おれんじ鉄道(熊本県八代市)の2011年度決算の純損益が、約1億5000万円の黒字となる見通しであることが22日、分かった。営業収益の一部となるJR貨物からの「線路使用料」収入が大幅に増えたため。04年の開業以降、初めて黒字に転じる。 国は昨年、並行在来線支援のため、JR貨物が三セクに支払う線路使用料の算定基準を見直した。この結果、おれんじ鉄道に対する11年度の使用料は、従来より2億6000万円増額された。 黒字化には、10、11年度の車両全般検査に伴い、鹿児島、熊本両県などからの補助金が前期より伸びることも影響した。約11億4000万円あった累積赤字は、9億円台に縮減される見込み。 ただ、12年度からの経営計画は、14年度以降のJR九州からの人員支援の在り方が協議中のため策定されていない。県が、経営安定化を図るため設置した約5億円の経営安定基金も、残り2年程度で底