12月15日、16日の両日にわたって行われた安倍晋三首相、ロシアのプーチン大統領の会談結果について、領土問題では進展がなかったというのが、新聞論調や自民党も含む各党の大方の見方である。それどころか野党は「失敗だった」と批判している。 しかし、ことが簡単に進むと考える方が間違っている。国後、択捉、歯舞、色丹が旧ソ連に奪われて、すでに70年余も経過している。この間、旧ソ連時代も含めてさまざまな交渉が行われてきたが、ただの一歩も前進することはなかった。 しかも交渉相手のプーチン大統領は、今回の首脳会談に先だって、「第2次世界大戦の結果は、しかるべき国際的な文書で確定している」「領土問題は存在しない」と公言していたのである。そんな相手と交渉しても、ことが簡単に進まないのは自明のことであった。