2017年11月28日 田中 宇 インド洋に面したミャンマーの西部、ラカイン州の北部に住む数十万人のイスラム教徒(ムスリム)の勢力、欧米日などのマスコミで「ロヒンギャ」という名称で報じられている人々は、ミャンマーにとって、まさに「まつろわぬ民」である。彼らが住むラカイン北部は、バングラディシュと長い国境を接しており、彼らは戦後ずっと、断続的に武装蜂起しながら、仏教徒の国であるミャンマーから分離し、ムスリムの国であるバングラディシュの一部になろうとし続け、失敗している。 かつてこの地域は英国の植民地だったが、第二次大戦中に日本がやってきた。仏教徒の組織が日本を支持したのに対し、英国はラカイン(当時はアラカン)のムスリムたちに、日本を追い出したらムスリムの国として独立させてやると約束し、仏教徒とムスリムの戦いとなった。戦後独立したビルマ(今のミャンマー)は国民の9割が仏教徒だった。ムスリムは、
北朝鮮から来たと見られる木造船が一時立ち寄った北海道松前町の沖にある無人島の建物からテレビや冷蔵庫などの家電製品がなくなっていることが関係者への取材でわかりました。木造船からはテレビなどが見つかったほか、乗組員が家電製品を海に投棄しているのが確認されていて、警察などが詳しいいきさつを調べることにしています。 第1管区海上保安本部によりますと、乗組員は北朝鮮の本人確認証などを持つ男性10人で、1か月ほど前にかじが壊れて漂流したということで、松前町の沖の無人島、松前小島に上陸したことが確認されています。 さらに巡視船が発見した際、乗組員が家電製品などを海に投棄し、巡視船がその一部を回収したほか、立ち入り検査では船内からテレビなどが見つかっていて、警察と海上保安本部は3日、松前小島に捜査員などを派遣して調べました。 その結果、地元の漁協が所有する建物からテレビや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品のほか
国家プロジェクトとして進む車両の安全な自動運転の実現に向け、位置情報の精度を誤差数センチまで高めた日本版GPS衛星「みちびき」を使って公道で行われている初めての実証実験の様子が3日、公開されました。 内閣府は、「みちびき」に加えて、道路標識や信号、建物などを丸ごと再現した仮想空間をコンピューター上に作り出す高精度の3次元地図を整備することで、安全な自動運転の実現を目指しています。 ことし10月末から沖縄県の宜野湾市と北中城村を結ぶおよそ20キロの公道でみちびきの信号を使った初めてのバスの自動運転の実証実験を行っていて、その様子が3日報道陣に公開されました。バスは、「みちびき」で特定した位置情報を高精度3次元地図の中に落とし込んでルートを決めます。 そしてレーダーなどで捉えた周囲の状況から人工知能が車や障害物を判断して速度を調整しながら走行します。実験ではほかの車が近くを走っていても、車線の
アジアとヨーロッパをつなぐ海上交通の要衝にある東アフリカのジブチに、中国軍がこの夏、初めて海外に設けた基地をNHKのテレビカメラが捉えました。基地は部隊の長期的な駐留を見据えた重厚な造りで、アメリカなどは中国が軍事的な拠点とするのではないかと警戒しています。 基地は厚さ8メートルほどの万里の長城を思わせるデザインの頑強な壁で囲まれ、監視塔には兵士の姿も確認できます。敷地内には司令部が入ると見られる建物や、4、5階建ての住居棟、さらにヘリコプターの格納庫と見られる建物の屋根も確認でき、基地全体が部隊の長期的な駐留を見据えた重厚な造りとなっています。 基地ではこれまでに衛星写真の分析で、長さ400メートルのヘリコプターの発着場が建設されていることや、艦船が停留する岸壁と見られる施設の建設予定地も確認されています。 この基地について中国は、ソマリア沖の海賊対策のための補給基地だなどと説明していま
慰安婦問題を象徴する少女像が、去年12月、韓国プサン(釜山)の日本総領事館の前に設置されたことをめぐり、姉妹都市の福岡市は、今月にも市の幹部を派遣して直接、懸念を伝える方針です。 こうした中、プサンと姉妹都市の提携を結んでいる福岡市は、今月にも局長級の幹部を派遣し、プサンの幹部に直接、懸念を伝える方針であることがわかりました。 この中で福岡市は、市民から姉妹都市の解消を求める声が寄せられていることや、交流事業の円滑な運営にも影響が出ていることなどを伝えることにしています。 福岡市の高島市長は、ことし7月に、プサン市長とのテレビ電話による会談で、直接、懸念を伝えたところ、プサン市長が「対応を検討する」と答えたとして、今回、幹部を直接派遣することで具体的な対応を取るよう迫る狙いがあるものと見られます。
野田総務大臣は高知市内で記者団に対し、全国の自治体の基金について、厳しい財政状況のなか災害などに備えて積み上げたもので、残高の増加を理由に、国から自治体への地方交付税の配分を抑制すべきではないという考えを改めて示しました。 こうした中、野田総務大臣は高知県を訪れ、尾崎知事らと会談し、基金の状況について説明を受けました。この中で尾崎知事が、「高知県は、南海トラフ巨大地震への対策で財政負担が大きく、職員の人件費を削減して基金を積み上げている。基金がなければ、いざという時に対応できない」と述べたの対し、野田大臣は、「基金の財源が人件費の削減というのは胸が痛い。しっかりと対応したい」と応じました。 会談の後、野田大臣は記者団に対し、「基金は余った金ではなく、人件費の削減などによって蓄えたもので、住民の安心・安全の確保のために持つことは、自治体の当たり前の姿勢だ」と述べ、年末の予算編成で、基金の残高
ホテルや旅館、食品製造など地場産業に行員を1年間派遣し、企業を見る目を養おうと試みている地銀がある。 複数の行員を地場産業に派遣し、現場で働くことによって行員の目利き力を向上させようという試みだ。担保・保証主義から脱し、成長企業を発掘できれば、地域経済の活性化をもたらすのはもちろんのこと、銀行の収益アップにもつながる。銀行に担保・保証主義に依存しない融資の実行を求める金融庁の方針とも合致した取り組みだ。 ただ、こうした取り組みの成果が出てくるには相応の時間が必要となる。日銀による「異次元の金融緩和」を背景とした現在の低金利は銀行の経営環境を急速に悪化させており、成果が出るのを待っているだけの余裕はない。 日銀は10月に公表した「金融システムリポート」で低金利以外にも銀行の収益が上がらない原因を分析している。一つは過剰競争だ。可住地面積(総土地面積から林野面積および湖沼面積を差し引いた面積)
アメリカのABCテレビは、いわゆる「ロシア疑惑」をめぐりトランプ大統領とロシアとの関わりを伝えた報道の内容に誤りがあったとして、担当した記者を停職処分にしました。これに対しトランプ大統領は、早速、ツイッターで「処分、おめでとう」などとつぶやき、メディアを強くけん制しました。 このニュースに関連して、ABCテレビは1日、「フリン氏は『大統領選挙中にトランプ氏からロシア側と接触するよう指示された』と証言する用意がある」と報じ、アメリカの株式市場が一時急落する要因になりました。 しかし、その後、ABCテレビは、指示は選挙中ではなく、選挙後の政権移行の期間中だったと訂正したうえで、「深刻な誤りを深く後悔し、謝罪する」として、担当した記者を4週間、無給の停職処分にしたと発表しました。 これについてトランプ大統領は2日夜、早速、ツイッターに「ABCよ、ロシアの魔女狩りをめぐり、すさまじく不正確で、いい
親の虐待などを理由に子どもを児童養護施設や里親などで育てる「社会的養護」について、子ども自身の希望を反映させる仕組みを考えるシンポジウムが千葉市で開かれました。 子どもの希望を反映させる仕組みを考えようと、関係する学会が3日、千葉市でシンポジウムを開き、施設の職員などおよそ200人が参加しました。まず、アメリカのワシントン州では施設や里親のもとで育った人が、その経験を踏まえて行政機関に政策提言を行う制度が整備されていることが紹介されました。そのあと、国内外の専門家など6人が意見を交わし、日本もこうした制度を導入したうえで、「子どもに選択肢を示せるだけの多様な受け皿を用意するべきだ」とか、「みずから育つ環境を選ぶ権利があることを教える必要がある」といった意見が出されました。 参加した金沢市の児童養護施設の施設長は「子どもを主体として育て方を考えることが欠けていた。一人一人と向き合って必要な環
厚生労働省は、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度の保険料を4年ぶりに見直し、来年度(平成30年度)から、年金の収入が864万円以上の人が1年間に納める保険料の上限額を5万円引き上げて62万円にする方針を決めました。 具体的には、来年度(平成30年度)から、年金の収入が864万円以上の人が1年間に納める保険料の上限額を今の57万円から5万円引き上げて62万円にする方針です。 また、自営業者らが加入する国民健康保険の保険料も2年ぶりに見直し、給与の収入が1078万円以上の単身世帯と、年金の収入が1062万円以上の単身世帯については、来年度から、年間の保険料の上限額を今の73万円から4万円引き上げて77万円にする方針です。 ただ、40歳から64歳までの国民健康保険の加入者が健康保険料とともに納めている介護保険料の上限額は、年間16万円のまま据え置くことにしています。
河野外務大臣は沖縄県の翁長知事と会談し、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設断念を求めた翁長知事に対し、北朝鮮情勢などに対応するためには日米同盟の抑止力や対処力の強化が必要だとして、移設を進める政府の立場に理解を求めました。 これに対し、河野大臣は「北朝鮮が、核実験やミサイル発射を繰り返しており、緊迫化する日本や東アジアの安全保障には在日アメリカ軍の役割が一層、重要だ。日米同盟を深化させるとともに、沖縄の負担軽減に積極的に取り組んでいきたい」と述べ、北朝鮮情勢などに対応するためには日米同盟の抑止力や対処力の強化が必要だとして、移設を進める政府の立場に理解を求めました。 これに先立って、河野大臣は、沖縄に駐留するアメリカ軍のトップ・ニコルソン四軍調整官と会談し、アメリカ兵による事件や事故があとを絶たないことについて、「起きてはいけないことで、しっかり対応していくことが在日アメリカ軍の安
アメリカ軍と韓国軍が最新鋭のステルス戦闘機を参加させて4日から定例の共同訓練を始めるのを前に、北朝鮮は「アメリカが朝鮮半島情勢を一触即発の状況に追い込んでいる」と非難する声明を発表し、核・ミサイル開発は自衛的な措置だと強調しました。 この中で、「アメリカが核戦略兵器を動員して大規模な軍事的挑発を絶えず行い、朝鮮半島情勢を一触即発の状況に追い込んでいる」と非難しました。 そのうえで、「われわれの国家核武力の使命は、アメリカの侵略と攻撃を抑止、撃退し、侵略の本拠地に壊滅的な報復攻撃を加えることにある」として、トランプ政権をけん制しました。 そして、「われわれがアメリカと力の均衡を成し遂げるとき、朝鮮半島と世界の平和と安全を守ることができる」と主張し、核・ミサイル開発は自衛的な措置だと重ねて強調しました。 北朝鮮は、1日も、ICBM=大陸間弾道ミサイル級の「火星15型」を初めて発射したことを祝う
中国を訪問している公明党の山口代表は2日夜、中国共産党で対外交流を担当する中央対外連絡部のトップ、宋涛部長と会談し、北朝鮮問題の解決に向けて日中両国の連携を強めていくことで一致しました。 この中で、山口氏は「日本人が今、いちばん不安に感じているのは、北朝鮮の核・ミサイルの問題だ。国連安保理決議に基づく制裁措置を中国が実施していることを歓迎しており、これからも力を合わせて対話による平和的な解決に結び付けていきたい」と述べました。 これに対し、宋涛部長は「北朝鮮の非核化を実現することは共通の願いであり、日中両国で努力し世界の平和と安定につなげたい」と応じ、北朝鮮問題の解決に向けて日中両国の連携を強めていくことで一致しました。 これに先立って、山口氏は、各国の政党の代表者らとともに、中国共産党の最高指導部の1人で序列5位の王滬寧政治局常務委員と会談し、「ことしは日中国交正常化45周年、来年は日中
ーーー 北朝鮮は核実験やミサイル発射を繰り返していますが、核・ミサイル開発の進展をどう見ていますか。 小原氏: 北朝鮮の技術革新が進んだ背景には、ミサイルのエンジンが変わったことがあります。エンジンの形状が変わり、旧ソ連製の「RD250」に似ていると言われています。 以前は、炎の色が濃いオレンジでしたが、エンジンを変えてから行った去年9月の燃焼実験では、透明に近くなりました。 また、ことし3月の実験では、エンジンの周りにミサイルの姿勢を安定させる「ヴァーニア・エンジン」も付けています。北朝鮮は、この旧ソ連製のエンジンを闇市場から入手したと言われています。 さらに、北朝鮮は核弾頭を500キロから600キロに小型化したと言われているうえ、水爆の実験も行ったと主張しています。証拠は得られていませんが、爆発の規模が確実に大きくなっていることが計測でわかっているので、実験に成功した可能性は排除できま
ホワイトハウスで安全保障を担当するマクマスター大統領補佐官に単独インタビュー。トランプ政権は、核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮にどう対処していくのでしょうか。近く、武力行使に踏み切ることはないのでしょうか。インタビューの全文を掲載しました。 ※2017年11月2日にインタビュー (動画:5分33秒) 英語全文は以下のリンクで 英語全文 日本訪問で同盟関係強化 ――― マクマスター補佐官、きょうはありがとうございます。私たちは大統領の訪日を心から歓迎します。 マクマスター氏: ありがとうございます。トランプ大統領は訪日をとても楽しみにしています。大統領就任後まもなく安倍総理大臣をお迎えして以来、日本を訪れるのを心待ちにしていました。両首脳はマールアラーゴ(トランプ氏のフロリダ州の別荘)で素晴らしい時を過ごし、今度は日本で安倍総理大臣とお会いするのを楽しみにしています。 ――― 大統領は訪日
ベトナム・カントーのカイラン水上マーケットに続く運河で、住まいにしている船の中で孫を見つめるはかりの修理師(2017年7月17日撮影)。(c)AFP/Roberto SCHMIDT〔AFPBB News〕 筆者が住む東京西郊の八王子市は人口56万人余の学園都市として知られ、大学も多い。外国人も1万人以上在住し、大部が留学生である。電車に乗り合わせたり道路で行き合ったりすると、なるべく声をかけるようにしている。 ほとんどが高等教育で来日している留学生なので、勉強と日本理解に尽力し、帰国後は生計とともに両国の架け橋となることを意識した若者のように見受けられる。ところが、語学留学などで来ている外国人には問題山積のようである。 2008年に始まった「留学生30万人計画」の下、平成28年(2016)度の留学生数は約25万8000人となっている。 トップ3の中国約9万8000人、ベトナム約5万4000
ドイツ首都ベルリンで開催された「ゲイ・プライド」パレードの参加者(2017年7月22日撮影)。(c)AFP/John MACDOUGALL〔AFPBB News〕 「天皇皇后両陛下が国賓を迎えて開く宮中晩餐会で国賓のパートナーが同性だった場合、自分は晩餐会への(同性パートナーの)出席には反対」 さらにその背景として「日本国の伝統に合わない」云々という、言うも恥ずかしい教養の欠如振りを見せている。あまりにも突っ込みどころ満載な、このお粗末な報道から、いくつか問題を考えてみたいと思います。 婚姻制度は文化によって違う あえて名前などは記しませんが、くだんの政治家さんは、フランスのフランソワ・オランド前大統領が国賓として来日した際に、宮中晩餐会に事実婚のパートナー女性を伴って参加したことを取り上げたそうです。 そのうえで「奥さんではないパートナー女性が天皇皇后両陛下と並んで座るのに、宮内庁がどう
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く