脱炭素社会の実現に向け、EV(電気自動車)普及に大きくかじを切った欧州諸国。いまや中国による輸出車の半数近くを受け入れるようになり、対抗策も論じられるなど既存の政策は曲がり角を迎えている。 EVブームの終えん? マスクの品薄や外出自粛、半導体供給の逼迫(ひっぱく)などわれわれの日常を大きく変えたCOVID19がようやく去り、コロナ禍以前のようなにぎわいが街中に戻った2023年末から24年初めにかけ、EV(電動車)ブームの終えんを伝える報道が増えた。結論を先取りすれば、筆者はEVブームが終わったとは見ておらず、米欧における補助金由来の焼け太り的な需要が一服したのであり、EVは世界各地で堅調に売れ行きを伸ばし続けている認識だ。本稿では、中国製EVのグローバルな生産・販売に門戸を「開いてしまった」欧州諸国の経緯と現状、問題点を論じる。 「EVブーム」という言葉は、例えばウォール・ストリート・ジャ
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