これらの「国家能力のカテゴリー」は、「サイバー空間における防衛力」、つまり侵略を排除する国家の意思と能力を表す安全保障の最終的な担保と言えるもので、他のいかなる手段でも代替がきかないものだと捉えている。 従って本レポートは、日本が「主要国で最下位グループ」であることを伝えているのではなく、「国(家)の利益に対するサイバー脅威」に対し、日本には軍事・安全保障の領域で発揮すべきサイバー能力が著しく低い領域が存在していることを伝えている。 日本と価値観を共有しない中国とロシア 中国は、世界で最も広範なサイバー領域の国内監視・検閲システムを構築し、指導部が厳格にコントロールしていることなどから、「ガバナンス、指揮・統制」は高いレベルにある。また、国家としてのサイバーパワーは、2015年発表の軍事戦略(※3)と、16年に発表された初の公式なサイバーセキュリティの法令(※4)や戦略で反映されているため