ハンガリー事件と日本―一九五六年・思想史的考察 作者: 小島亮出版社/メーカー: 現代思潮新社発売日: 2003/05メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (6件) を見る 「君の涙、ドナウに流れ」に触発されてすぐに注文したこの本が年末にとどいたのですぐに読んだが、日本思想史としてもナショナリズム論としても非常に重要な問題提起をしていることに驚いた。再版されてからも既に数年が経過しているので、いまさら取り上げるのも不勉強をさらすようなものだが、これも年末から正月にかけて読んだ大澤真幸『ナショナリズムの由来』から読み取れる論点とも重要なかかわりを持っているように感じたので、とりあえずこの本について簡単に触れておきたい。 著者は講座派マルクス主義の強い影響下に思想を形成したと後書きで触れているのだが、そこから抜け出ようという苦闘の表れか、講座派知識人のハンガリー