Author: M ペンを折ることさえ、ここではもう「別の手段による詩の継続」を意味しているにすぎないという宿命に、それからも耐え続けた。 freezingm▽gmail.com ◇『山本哲也詩集』 思潮社 現代詩文庫180 ■ほぼ15年以上前から知己を得ている詩人で、そういった理由で読みにくさを感じていた。論理性、批評意識といったものがことばの選択に反映していて、それがひとつひとつのことばの発露を制御しているといった印象をずっといだいていた。流れるような意識が現れるときも、それは操作されたものではないのかと思っていた。自然そっくりの反自然、徹底的に拒まれた感傷だけがたどりつく感傷といった印象である。以前、「偏在する空虚」という題で『一篇の詩を書いてしまうと』の書評を書いたことがある。どこにも発表していないその文を引用する。 ◆偏在する空虚 ■山本哲也の詩集『一篇の詩を書いてしまうと』に出