論理に飛躍があったら、それは鼻づまりのせいです。 ついに神話的暴力を「滅ぼすことが課題」であることが明らかになった。もっともこれはベンヤミンにとっての課題であり、私自身は同意を留保する。神話や伝説がどう扱われるべきかは、亡霊の両義性にも似たやっかいな問題を含んでおり、ベンヤミンにはその厄介さに対する視点が欠けているように思われる。 それはさておき、ベンヤミンが神話的暴力に対して持ち出してくるのは神的暴力である。 まさにこの課題こそ、究極において、神話的暴力に停止を命じうる純粋な直接的暴力についての問いを、もういちど提起するものだ。いっさいの領域で神話に神が対立するように、神話的な暴力には神的な暴力が対立する。しかもあらゆる点で対立する。(ベンヤミン『暴力批判論 他十篇 (岩波文庫―ベンヤミンの仕事)』p59) 神話的暴力(法を措定、境界を設定、罪をつくり贖わせる、脅迫的、血の匂いがする、ニ