某所で丸山眞男について報告したのだが、その際に使用したレジュメを、寝かせておいても仕方ないし、そもそも常識的なことしか書いてないので公開してしまおうと思う。レポートの題材にお困りな方はどうぞご自由にお使いください、という感じで。 その前に少しだけイントロを書いておこう。 『日本政治思想史研究』の頃の丸山真男に見られる方法論上の特徴は、単線的発展史観に基づく日本社会に対する「近代の未成熟批判」にある、と僕は思う。それはあくまでも「未成熟」なのであって、将来において近代化を遂げる可能性は既に内包されている、ということになる。ここにマルクス主義、というか講座派史観の影響があるのは確実だろう。つまり全ての国が一様に、(先進・後進の区別はあっても)同じ過程をたどって近代化を遂げるという考え方だ。それによって、過去の日本において存在していた、そして現在においても社会の中に隠されている「可能性としての近
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