今では「社会主義がだめだ」というのは常識だが、つい20年ほど前までは、世界の人口の半分近くを社会主義国が占め、日本でも「社会党」が野党第一党だった。「資本主義から社会主義に移行するのが歴史の必然だ」と信じる人がかなりいて、朝日新聞などは中国の文化大革命を賞賛していた。 特に知識人の世界では、こういう「進歩派」が多数を占めていた。それは欧米でも同じで、共産党の勢力はそれほど大きくなかったが、社会民主主義は広く支持を受けていた。1930年代には、資本主義の世界が大恐慌に沈む一方、ロシアは順調に成長を続けているように見えた。だから今ではとても想像がつかないが、そのころ社会主義を批判するのは非常に勇気のいることだった。 戦前の日本では、共産党が軍国主義に抵抗する勢力として(ごく少数ではあるが)最後まで残ったため、戦後その権威は高かった。ハイエクどころか、ワルラスもメンガーも「近代経済学」という特殊
id:matsunaga さんの「イエスの話。」に書いたコメントの続き。 個人的で乱暴な感想だが(なので実証的な裏づけを伴わない)、キリスト教徒でない人でこの箇所が好きな人は多い。噴飯物とはいわないが、キリスト教が嫌い、あれはパウロ教だというような人にもこの箇所を好む人がいる。それはずいぶん勝手な意見だよね、なぜなら聖書はそもそも教会の著作であって、かつまた今われわれが知っている文書群を「聖書」といい異読(並行記述)を整理して纏めたのも教会なのだから、と私は感じる。この箇所については、とりわけそうである。なぜなら34*1世紀までの文書にこの箇所は登場せず、明らかにキリスト教が公認され制度化していく時代の、まさに当時の教会が考えていたキリスト像がヨハネ 7:53-8:11 にはあるのだから。 わたし自身は文献研究としての聖書文献学の知見を受け入れつつ、かつ教会の伝統のなかで教会の読みを受け入
この10年間ぐらい、人類学における「共同体」概念の脱構築/再構築を研究テーマのひとつにしていますが、今回の発表の目的は、共同体概念の脱構築/再構築を現代社会のイデオロギーとしてのネオリベラリズム文化批判と結びつけることにあります。それは、具体的には、バタイユの影響の下で展開されたジャン=リュック・ナンシーの「共同体」論以降の新しい「共同体」論の系譜を、ハイデガー以来の〈個〉の「代替不可能性」(交換不可能性・単独性)の議論と結びつけるという試みになります。そして、そのような共同体概念の脱構築/再構築のためには、レヴィ=ストロースのいう「真正性の水準」という区別の導入が重要となることを示したいと思います。 まず確認しておきたいのは、「共同体」という概念が、近代のオリエンタリズムと同型の思考によって創られたものだということです。オリエンタリズムとは、近代の支配的な主体を自律的で能動的で合理的な
20080128追記 全文撤回します。コメント欄参照して下さい。 以下の文章は参照のため削除しません。 えーと。id:tikani_nemuru_Mさんとの応答なんですが。 前提 東はこういうべきだった・公共性と歴史と科学(追記で応答 - 地下生活者の手遊びのブコメで、 科学が扱う事実とは、追試が可能なものだよ。虐殺の事実は再現して見せる事ができない。具体的な物証の検討は科学で扱えるが、伝聞ゲームはシニフィアだから郵便的。にゃー先生と東では扱ってるモノが違うんだって はてなブックマーク - 不動産屋のラノベ読みのはてブ - 2008年12月2日 と申し上げたところ、 id:REVもすでに突っ込んでるけど、「科学が扱う事実とは、追試が可能なもの」なのであれば、進化論だけでなく、大陸移動説もビッグバン仮説も科学ではにゃーね。 こういう誤解が蔓延しているから、歴史修正主義と進化論への難癖を結びつ
今回は、特別編です。僕の認識は「リフレは必要だが、それだけではダメである」というものです。今回は、「それだけではダメ」の部分について説明する、二つの記事をアップします。「では、何が必要か」という問題は、次回に。多分、1、2週間後くらいに書きます。*1 更新情報 2008/10/07 07:00 一部、誤解があるようですが、「反リフレの経済学」の趣旨は、「インフレは生じない」ではなく、生じるインフレの性質が異なっており、「インフレは生じても総需要は増えない」です。その点をわかりやすくするための修正を検討します。 2008/10/06 22:00 あれま、「流動性プレミアム」の意味が逆になってるみたいですね。どう修正するか、検討します。*2 2008/10/06 09:00 ブックマークが分散しがちなので、整理しておきます。 【推奨】「リフレ/反リフレの経済学」全体へのブックマーク 「リフレの
<特集・論文> ハーバーマスとデリダのヨーロッパ 三 島 憲 一 「しばしば,この脱構築の時代と啓蒙とが対置されること がありますが,それは違うのです。私は啓蒙の味方,進歩 の味方であり, 進歩主義者> です」。デリダ 「差異に敏感な普遍主義」ハーバーマス 1. はじめに 神々のパッチワーク 哲学や社会学のみならず,文科系や社会科学系 の 野一般で,学問の精神とまったく相反する神 様選びと偶像崇拝がわが国に横行して久しい。西 欧の偉大な思想家や理論家を自 が世界をみる枠 組みにしてそれで「事足れり」としている気配が 濃厚である。それはヘーゲル,ルソー,フッサー ル,ニーチェといった古典であったりする場合も あるし,マックス・ヴェーバー,ハイデガー,バ ーリン,シュトラウス,あるいはハンナ・アーレ ント,ハーバーマス,フレーザー,バトラーとい った比較的新しい名前であったりする場合もある。
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