Author: M ペンを折ることさえ、ここではもう「別の手段による詩の継続」を意味しているにすぎないという宿命に、それからも耐え続けた。 freezingm▽gmail.com わたしたちは、わたしたちに死を書き込むために言葉を選択したのである。この「言葉」という部分をシステムといいかえてみれば、これはちょうど、村上春樹のエルサレム賞受賞講演の中の「システム」を「記号」に置きかえてみよといった内田樹と同じことを、ただ逆向きに行っているだけである。内田樹の村上春樹への過大な評価は、読みかえの技術の妙にあったが、それを称えることは村上春樹の講演を称えることにはきっとならない。 そこで、僕たちひとりひとりはかけがえのない魂を内包した壊れやすい「卵」であり、その卵の側に立つという使命感と、それに敵対する壁としての<システム>の物語がはじまる。何が打倒されるべきなのか、システムである。何が守られる