皇室に強い月刊誌「文芸春秋」は、昨年10月号で巻頭に 「皇后は退位に反対した」 というスクープ記事を載せた。読んでも理由が書いてない。気になっていたら、信頼できる宮内庁関係者の解説を聞いた。 天皇、皇后両陛下は、ご一緒に20年以上かけて独自な「象徴としてのお務め」を創造してこられた。その歳月を振り返ると、皇太子ご夫妻にも十分な在位期間を確保してあげなければ、次の「象徴像」を作り上げるのは大変だろうと案じていらっしゃる。 譲位の真意は、ご自分たちの高齢化による体調への気がかりもさることながら、象徴天皇制を安定的に続けるには、早く皇太子ご夫妻に全責任を委ねるべきだ、という深謀遠慮である。