20代は仕事のオニだった。 30代、人を傷つけ、自らも傷つき、 生きることはきれいごとでは済まされないことを知った。 職場の居心地がよく、仕事仲間を家族のように思った。 40代を目前に、 組織を離れ、自営業になり、孤独を知った。 自分の弱さと未熟さを知った。 人の優しさのありがたみを知った。 時の過ぎゆく早さをかみしめるようになった。 気づくと、 人生を一緒に創っていく家族が欲しいと、心から思っていた。 私はもともと家族っ子。 四人家族で海外暮らしが長く、ひとつのチームのようだった。 異環境でがんばるそれぞれの背中に勇気をもらい、時に励ましあい、 互いの存在を心強く感じながら育った。 いつも指針を示してくれた父、 太陽のように一家を温かく照らしてくれた母、 周りを和ませる天才だった弟。 四人で涙を流して笑った思い出が、脳裏にたくさん蘇る。 私もそんなチームをつくりたいと思うようになった。