2009年、オーストラリアで、ある栄養素を過剰に含んだ豆乳の摂取による甲状腺機能障害が発生して問題になりました。オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)の公表資料によると、問題になった豆乳(Bonsoy豆乳)には“Kombu(昆布)”が加えられていたとのことですが、ある栄養素とは、何だかおわかりでしょうか。 そう、ヒトの体内では甲状腺に多く存在し甲状腺ホルモンの材料となっているヨウ素(iodine)です。昆布など海藻類には、そのヨウ素が多く含まれています。調査結果では、通常の豆乳のヨウ素濃度が15~281μg/Lであったのに対し、この豆乳には25,000、27,580μg/Lのヨウ素が含まれていたと報告されています。含まれていた濃度を見ると、過剰摂取になりやすかったことがわかりますね。 ヨウ素が慢性的に欠乏すると甲状腺機能障害が誘発されますが、逆に過剰に摂取した場合にも甲状