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衆院選
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この連載「90s in Hanatsubaki」の執筆がはじまったとき、私は編集部にお願いをした。「過去の合本を見直すことはできますか?」。合本というのは1年分の『花椿』をまとめて一冊の本にしたもの。私が編集部にいたころは、編集部員1人に1冊ずつ、自分が仕事した年の合本が支給されていた。『花椿』はうすい冊子なので、一年分束ねてはじめて、一冊の本のようになる。過去の記事を参照するために、合本は頻繁に手にとるものだった。 こうして2018年秋から資生堂本社のある銀座に足を運びながら、『花椿』のバックナンバーを読み直す日々が始まった。私は会社員のころいつも、新橋駅から職場に通っていた。銀座という華やかな街の、後ろ姿から徐々に近づいていくような道のりが気に入っていた。だから今回合本を見るために通うようになったときも、この道のりを選んだ。現在、編集部が入っている建物は、銀座7丁目の本社ビル。この建物
「メイク魂に火をつけろ。」、その挑発的なコピーが化粧品のために謳われたのは約20年前の1997年、当時私は高校生になったばかりの頃。メイクって闘いなんだ、CMを見てそう思った。 女が可愛く、綺麗に、艶やかに、つまり男にモテるためにするものだった化粧やおしゃれは事実私の思春期あたりから進む方向が明らかに違っていった。眉は細く高く、アイラインは強く跳ね上がり、まつげは幾重にも重なり、アルミホイルを細かくちぎったようなラメで女の子たちの目元は人体にはもともとない光を放つようになった。もちろん各々の志向する文化によってそれは異なる。前述したのは主に、ギャルメイクと言われたものの成り行きである。その当時はほかにもオリーブ少女と言われるような文化系女子もいて、さらに「メイク魂に火をつけ」られた主なターゲット層は、多分もう少しだけ上の世代の、すでに社会で活躍中の大人の女性だったと思う。 それでも私たち女
資生堂は、ちょっと敷居が高いイメージ。 私にはまだ手が届かない存在だったが、『花椿』は手にとってその世界を見ることができた。 文字もテーマも色彩も繊細で、大事に大事に読みたくなるから好きだ。今もずっと憧れている。 その裏側を知るために、雑誌の取材で澁谷克彦さんに会いに行った。 その時期はちょうどグループの卒業を心に決めていた頃。決めていたというものの、自信はなく、誰かと話したかった。自分はこれで良いのだろうか。正しい決断なのだろうか、と。 取材のはずがほとんど悩み相談みたいになってた気がする。そんな話も優しく聞いてくださったのを憶えている。 勝手ながら、大人から聞いた話を材料に、心の不安を埋めていく感覚があった。 澁谷さんは、日常の中にある‟美しい”を探究する、素敵な人だった。 話を聞いて、これから先のことを考えると、わくわくすることができた。 取材を終えた後、化粧品をいただいた。 その中
Category 花椿について 花椿の歴史 編集室の紹介 クリエイターの紹介 配布場所 定期購読/1冊からのお申し込み 資生堂とファッションの歴史 COLUMN <Culture> Now, Then! アート、映画、イヴェント、本 今つたえたいコトやモノ <Fashion × Beauty> Heart of Fashion 呉 佳子(資生堂ファッションディレクター)による流行予測とファッションをめぐる人々のインタヴュー集 Collection コレクションのファッション、バックステージの紹介 <SHISEIDO> 偏愛!資生堂 わたしと資生堂のものがたり <Food> 東京喫茶部 小谷実由(モデル)の喫茶店エッセイ <Other> 対話美学 忘れられない対話についての覚書 銀座時空散歩 ハイカラの街でつながるいまとむかし 美をめぐる旅 日本全国、様ざまな「美」を探す旅に出る どうしたい
11月に千年前の言葉を現代によみがえらせる『千年後の百人一首』を上梓した詩人の最果タヒさん。斬新な音楽、パフォーマンスを生み出し続ける「水曜日のカンパネラ」のコムアイさん。「言葉」と「歌」という異なるフィールドで活躍するお二人に、お互いについて、そして創作の衝動についてお話しいただきました。初対面のお二人のお話、お楽しみください! 最果 初めて「水曜日のカンパネラ」を見たとき、コムアイさんが、どう見られたいかを放棄してる感じがして、とにかく気持ちがすっきりしたんです。自分の感覚で喜んで面白がっていい音楽なんだってことを、全身で体験できたんです。 コムアイ 嬉しいです。最果さんも放棄されてますよね。自分の詩がどう読まれるかをいったん手放している。私は、とにかく瞬発力なんです。だからこそ、どういう風に捉えられてもいいと思っていて、理解されないことも多いんだけど、そもそも、人に理解されないと苦し
9/179月17日発行 No.830 『花椿』2022年創業 150周年記念号 「MY NEW STORIES」 9/179月17日発行 No.830 『花椿』2022年創業 150周年記念号 「MY NEW STORIES」
No. 829 『花椿』2021年秋冬号 LIVING ON THIS BEAUTIFUL PLANET No. 829 『花椿』2021年秋冬号 LIVING ON THIS BEAUTIFUL PLANET
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