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大谷翔平
doksyo-tek.hatenablog.com
先日、料理というキーワードで小説を横断する企画についてご紹介しました。 このキーワードによる横断、言い換えれば、本が持つ表現内容をリンクしていくことで生まれる新しい体験について、少し考えてみたいと思います。 図書館にはテーマで本を探す件名検索というしくみがあります。テーマのことを「主題」と言い、主題を簡潔に言い表すキーワードのことを「件名」と言うそうです。 例えば、『貧者の領域』という本があった場合、タイトル名・帯・著者プロフィール・目次などから、あらかじめ図書館員が件名を付与しておきます。そうすると、『貧者の領域』は、テーマ(具体的には「貧困」「社会的排除」といったキーワード)からも探すことができるというわけです。ちなみに、これらのキーワード、国会図書館の場合は「国立国会図書館件名標目表」(NDLSH)という予め決められたキーワード集から選ぶそうです。 参考 国立国会図書館月報、No.5
読みやすさにはいろいろな定義があると思いますが、これが一番シンプルでいいんじゃないかな~という定義をしてみたいと思います。 ネタ元は、Readability: a one-hundred-year-old field still in his teens(のスライド5~6枚目)です。ReadabilityはLegibilityとComprehensibilityと異なる、ということが示されていますが、doksyo-tekは、むしろ、これら3つを併せて(日本語で言うところの)読みやすさになるだろうと思っています。つまり、読みやすさとは、次の3要素からなると言えないでしょうか。 読みやすさ: Legibility:対象の文の、配置(文字の大きさ・行間・フォントなど)のこと Comprehensibility:対象の文を、読んでわかった・理解したという度合のこと Readability:対象の文
はじめに 三谷宏治さんの『戦略読書』に感銘を受け、2016年の1年間、お粗末ながら戦略読書を実践してみました。 具体的には、まず「何を読むか」「どう読むか」「どんなバランス(配分)で読むか」を可視化する「読書ポートフォリオ・マトリクス(RPM)」を作成しました。 次に読書に充てられる1日あたりの現実的な時間から、「1年間に100冊、400時間読む。」という目標値を設定しました。 図1 RPM 2016年版 本記事は、1年を通じて戦略的な読書はうまくいったのかどうか、振り返りつつ、2017年につながる戦略読書の方向性を見いだしてみたいと思います(既に2017年が1ヶ月以上過ぎていることはナイショ)。 2016年の取り組み概要 2016年の取り組みは、大きく以下の3点に分けられます。 年のはじめの方針策定 毎月の定点観測 振り返り 1は「はじめに」に示した通りです。 2では、毎月の読書の定量化
聴く読書とは? いわゆる朗読のことです。 昔、NHKで名作の朗読番組ってありましたのよね?人生の愛読書となった『君たちはどう生きるか』、初めて読んだ(いや聞いた?)のは、朗読ラジオでした。当時はなんていう番組だったのかな。これの前身かな。。 www.nhk.or.jp さて、時は流れ、現代。朗読コンテンツはオーディオブックと呼ばれ、スマホや携帯型音楽端末を介して楽しめるようになりました。オーディオブックとは、要するに、書籍に書かれていることが読み上げられた音声ファイル(ないしその再生ソフトウェア)のこと、と言っていいと思います。 マーケット 聞きなれないオーディオブック、世界的にはそれなりに市場があるようです。「電子書籍の次の柱に――大手出版社など16社、「日本オーディオブック協議会」設立 - ITmedia eBook USER」によれば、 国内のオーディオブック市場は現在、パッケージ(
漆原直行、中川淳一郎、山本一郎の3氏による、ビジネス書に的を絞った読書論です。皆さん非常に尖った論客なので、歯に衣着せぬ切り込みぶりが爽快な一冊でもあります。 概要 本はお三方個別の読書論と、座談会形式の議論がサンドイッチになって構成されており、読み進めるにつれてビジネス書の世界が浮き彫りになっていきます。随所におススメのビジネス書が紹介されていますので、ミニマムでビジネス書の真髄に触れることもできますし、マックスで多面的にビジネス書を捉えることもできます。 以下、各氏の読書論を意訳してみました。 中川氏の読書論 読む本のタイプとして2種類提示しています。①共通言語になるもの、②繰り返し読むもの、です。前者は他者との会話を円滑に進めるための潤滑油的な情報として使うものであり、後者は自分にとって血肉となるもの、です。 漆原氏の読書論 基本姿勢は読みたいものを、読みたいように、読みたいだけ読む
昨年、「紙媒体のほうがディスプレイより理解できる」とする実験結果が発表されました。 www.toppan-f.co.jp この実験は、人がダイレクトメールに接した際、紙媒体とディスプレイでの脳反応の違いをNIRS(近赤外分光法)で測定した、というものでした。その結果、情報理解に関する部位では紙媒体のほうが反応が強く、理解させるのに優れているとしています。この実験、ネットでは多くの議論を呼んだようです。 hardware.srad.jp 今回は、この実験をきっかけに、「表示媒体の違いにおける読みやすさ」について考えてみたいと思います。 スラッシュドットに寄せられた意見は、整理すると以下になります(抜粋/一部意訳あり)。基本的に「この観点は考えられているのだろうか?」という指摘を含めた意見が多く見受けられました。 実験に寄せられた意見 (1)比較点 1-1 「同じ情報であっても紙媒体(反射光
はじめに これまでの経緯は以下になります。 Digital reading behavior(デジタル読書の振る舞いについて) Print vs. digital(紙 vs デジタル) Preference for reading medium(読書媒体の選択) Multi-tasking and learning(マルチタスクと学習) 下記論文のDigital reading(デジタル読書)に関する研究トピックス、今回は最後のトピック「Technological advancement and traditional attachment」(技術の進歩と伝統的な愛着)です。 Ziming Liu: "Digital reading: An Overview", Chinese Journal of Library and Information Science (English edit
はじめに これまでの経緯は、以下の記事になります。 Digital reading behavior(デジタル読書の振る舞いについて) Print vs. digital(紙 vs デジタル) Preference for reading medium(読書媒体の選択) 今回も下記論文のDigital reading(デジタル読書)に関する研究トピックスを読んでいきます。今回は研究トピックスその4「Multi-tasking and learning」(マルチタスクと学習)です。 Ziming Liu: "Digital reading: An Overview", Chinese Journal of Library and Information Science (English edition), 5.1, p.85-94(2012) Multi-tasking and learni
Microsoft Wordには、「文書の読みやすさをテストする」機能が備わっています。この機能をちょっと試してみました。 support.office.com 事前準備 【使用ソフトウェア】 MS Word 2003 MS Word 2010 【設定】 MS Word2003:「ツール」→「オプション」→「スペルチェックと文章校正」タブ→「メニュー、ツールバーから文章校正を行う」にチェック→「文書の読みやすさを評価する」にチェック。 MS Word 2010:「ファイル」タブ→「オプション」→「Wordのオプション」ダイアログボックス→「文章校正」→「文書の読みやすさを評価する」にチェック。 【利用コンテンツ】 今回は、Wikipedia(英語版)の「Book」に関するページを用いました。 【制約】 利用は冒頭の3段落のみです。 ”[1]” のような注釈は削除しています。 色/太字/斜体
前回はFlesch Reading Ease、Flesch-Kincaid Grade Levelという、英語圏では有名な指標について述べました。これらは「読みさすさの評価指標」として、文章が持つ言葉の意味やレイアウトは捨てて、文章が持つ表面的な情報(言葉や構文の長さ)を用いた指標でした。 今回は以下の論文を参考に、読みさすさ評価指標・日本語版について考えてみようと思います。 建石由佳, 小野芳彦, 山田尚勇: "日本文の読みやすさの評価式", 情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション, 1988-HI-018, 1-8(1988-05-09). この論文は日本語文章の読みやすさの評価式を検討したもので、読みやすさの要因を以下の4つとしています。 文の平均の長さ(文字数) 各文字種(英字、ひらがな、漢字、カタカナ)の連(同一文字種の文字の一続き)の相対頻度 文字種ごとの連
前々回は英語での読みやすさ指標、前回は日本語での読みやすさ指標の先駆的研究について述べました。今回は、日本語の読みやすさ指標について、最近の動向について触れてみたいと思います。 こんな面白いツールが公開されています。 図1.日本語テキストの難易度を測る -obi-2- このツールは、名古屋大学佐藤研究室で開発されたツールで、日本語テキストの難易度(リーダビリティ)を推定するプログラムになります。一見Flesch-Kincaid Grade Levelと類似しており、小学校1年~高校3年+大学の計13段階に難易度を分類推定してくれます。正確な解説は公開情報に譲ったほうがよさそうですね。 帯2:日本語テキストの難易度推定 更に、もっと正確には論文も公開されています。 近藤陽介, 松吉俊, 佐藤理史. 教科書コーパスを用いた日本語テキストの難易度推定. 言語処理学会第14回年次大会発表論文集,
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