サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
pyotr1840.hatenablog.jp
前口上 ◇さて、先に「私たちの時代の「学芸」 - ピョートル4世の<孫の手>雑評」で、東・北田の両氏には「そこはかとなく『よくできすぎ』のいかがわしさを感じる」と書いておきながら、昨日の「「日本版ポリティカルコンパス」結果=保守左派 - ピョートル4世の<孫の手>雑評」では東浩紀の議論を急に引っぱってきた私だが、実はこの表題の件で1週間ほど悩んでいた。このブログでは、何らかの(あくまで私の勝手な動機に基づくが)積極的意味のある情報以外は流すまい(プロフィール欄に掲げた、あえて「世の中を憂えず」の意図)というくらいの自制はしていたのだが、一時はそれを断念しなければならないかと思ったほどだ。よって、このいいかげんなブログにしては珍しく、時間をかけて資料を調べ慎重に原稿を作成したほどである。 ◇しかしこれ、東浩紀と北田暁大をそもそも知らない人には、何の面白みもない記事になりかねない。一般化して言
「予想された結末」 ◇「やはりこうなったか」。id:leleleさんのブログでの「仲正×北田トークセッション中止」の告知*1を見ての、私の感想である。11/13に行われた両氏の第2回トークセッション(特にその後半)は、9/11の充実した第1回とは打って変わって、(私の感じた限りでは)極めて険悪な雰囲気が漂うものであった。すでに多くの方がそれぞれの感じ方によってブログ上で記録・感想を記されているが、以下、その場にいた者の一人として私からも報告したい。 ◇ただ、私はこの件について、やや独特の成り行きがあって、個人的に感慨深いものがある。id:gyodaiktさんこと北田暁大氏について、私は(『限界の思考』の基になるセッションには参加しておらず)今年から氏の『嗤う日本の「ナショナリズム」』*2やいくつかの雑誌連載・記事・ブログのエントリなどを読み、Web上での他の方の意見なども参照した結果、その
三浦雅士から(強引に)「東アジア思想史」「三教一致」「心学」へ ◇三浦雅士の小林秀雄批判は、氏の「青春」論の文脈からする、思想史的で相当に射程の長いものであるようだ*1。前回、三浦氏の書評欄コラムを簡単に紹介(三浦雅士「小林秀雄は批評家ではない。編集者である」 - ピョートル4世の<孫の手>雑評)したが、それへの補足から話題を展開してみる。 ◇氏は、特に明治20年前後(1880年代末)の作家たちの動向から、「壮士」と呼ばれた政治青年の世界がこのころに変質し、YMCA運動の影響を受けつつ、「青年」「青春」という枠組みを成立させ、それが日本に定着していくことを論じている。その議論の射程の長さは、例えば次のように書かれる(序説p19)。 恋愛も、父と子の対立も、あるいは政治と文学、社会と個人の対立も、この特異な青春という主題の、いくつかの系に過ぎない。むろん、恋も愛も昔からあっただろう。だが、青
石田衣良「空は、今日も、青いか?(12)世界に100人の神様がいるなら」 ◇またまた『R25』隔週連載エセーをネタにしつつ、表題の件を考える。今回の一文は、7・7ロンドン同時爆破テロと、その前後にもやむことのないイラクでの自爆テロについて。『世界がもし100人の村だったら』と同じように、世界中の小学校で「世界には100人の神様がいて、私たちが信じているのも、そのうちのひとりにすぎません」と教えられたら…、という夢を語る話。 ◇その内容はともかくとして、次のような一節が、日本人の宗教理解の一類型をとてもよく示しているので、引用してみる。 ぼくは多くの日本人といっしょで、無信仰無宗教無神論の人間である。さらにいえば、宗教など無用だと考える人間だ。人は死んでしまえば、一切無になる。それでいいのだと思っている。もし天国があるとしても、自爆テロの犯人や駐留米軍の戦死者がいるような場所なら、そちらも願
批評家・東浩紀氏の思想を儒教=仏教=神道的に「かみくだく」 1.「ポストモダン」の状況認識篇 目次 【1:問題と方法の確認】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 【2:『動ポモ』を初歩からもう一度?】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 【3:「ポストモダン」という時代認識】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 【4:「大きな物語」の機能不全とシミュラークルの全面化】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 【5:東浩紀の日本社会論の背景】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 【6:東浩紀の日本社会論の射程】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 【7:次回以降の予告】 - ピョートル4世の<孫の手>雑評 ◇東氏の2001年の著作『動物化するポストモダン オタクから見た日本社会』*1は、東氏が現代思想の領域で高い評価を得た後、より一般向けに発表した著作である。新書版で、一見誰でも読みやすそうな体
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『ピョートル4世の「孫の手」雑評』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く