僕は、一刻も早く洗濯機を回さなければならなかった 洗濯洗剤を使い切って数週間が経つ 洗濯物は洗濯機を飛び出し、天井に到達しようという確固たる信念が感じられるほど、堆く積もっていた。その成長スピードは、さながら成長期の竹であった。竹界の六本木ヒルズであった。竹界の六本木ヒルズはもう六本竹ヒルズである。このまま放置していると富裕層のかぐや姫が大量入居してしまうし、階下の201号室が多目的トイレだと勘違いされてしまう あまりの高さにもう笑うしかなかった。草だった。草超えて森超えて竹であった。すべての笑いの最終到達点は "竹" である。私たち人類は、竹を見て笑みをこぼしている とはいえ買わなければという意識は常々抱いている。いるのだが、いざドラッグストアに入店すると、ことごとく忘却してしまう。潜在意識化する洗剤。ドラッグストアには、記憶を喪失させる何らかの"ドラッグ"が空気中を漂っているに違いない