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大谷翔平
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『魔術的リアリズム――20世紀のラテンアメリカ小説』出版記念として著者の寺尾隆吉氏と、鼓”ラテンアメリカ文学者はワシが育てた”直氏による対談を聞いてきた。 マジック・リアリズムについては、数年前に「Magical Realism: Theory, History, Community」という洋書を買ってちまちま読んでいる程度の知識なのだが、ラテンアメリカのブームはもちろん、アンジェラ・カーターやラシュディ、ノーベル文学賞の莫言に加え、とある論文では芥川の『河童』さえマジック・リアリズムに仕立て上げられて、誰もがマジック・リアリズムってなんなのさ、というもやもや感がつきまとっていたはず。それをすぱっと定義づけてくれるのが今回の著書と講演会だったのです。 当日の流れについては某氏がまとめているので、自分なりに。 マジック・リアリズムの舞台は架空の空間を作り出すことで成り立つということ。根底には
唐突にランク付けをするなら、コルタサル、ナボコフ、ガルシア=マルケスと同じレベルの衝撃を受けた短編集と言い切ってしまいたい。登場人物はそれぞれ夢のお告げや過去への憧憬を執念深く抱いており、やや一般の人々になじまない面を持つ。彼らの思い入れを肯定しつつも、現実には受け入れられていない事実もきっちり描き出すところがトレヴァーの残酷であり恐ろしいところ。思い入れが社会にそぐわないときに社会からつまはじきにされてしまう拒絶の状態が静かに、しかし確実に進行しており、常に恐怖感がつきまとう読書でした。ホラーよりもこういう話の方がこわい。 冒頭の「トリッジ」から不穏さは漂っていたが、「こわれた家庭」を読んでトレヴァーがただものではないことを確信した。あらすじは老婆の家にボランティアの学生が送り込まれて意にそぐわない家の改修をされてしまうというもの。一見ただの不条理ものだが、ラスト間際で主人公の老婆が信じ
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