新型コロナウイルス感染症の第5波は、デルタ株の猛威によって東京をはじめ首都圏で医療崩壊をもたらした。デルタ株の脅威に対して、1日でも早いワクチン接種が推奨されている。既にワクチン接種のエビデンスは明らかで、2回接種後の重症化率は極めて低いとのデータが示されている。 一方で、依然としてワクチンそのものへの拒否感や副反応への恐れから、治療薬に期待する声も大きい。特に話題となっているのが抗寄生虫薬「イベルメクチン」である。 イベルメクチンについては、現時点でプラセボと比較した二重盲検ランダム化比較試験で新型コロナウイルス感染症に対する有効性は認められていない。北里大学病院が実施中の医師主導治験、興和が実施中の企業治験の結果待ちという状況である。 これまでに、コクランレビューは「イベルメクチンの有効性と安全性は不確実」としているほか、規制当局の米国食品医薬品局(FDA)は新型コロナウイルス感染症へ