私は、何者でもない。 高校3年のクラスメイトが、小説家になった。 聞けば、あの国民的小説家がデビューを掴んだコンテストで大賞を受賞し、デビューという運びになったという。 その知らせは、本人から、高校3年のクラスLINEで聞いた。 このクラスLINEが最後に動いたのは、確か11月だ。その前は6月頃に動いていた。 どちらもふとした話題で動き出し、途中で担任が近況報告をしろというので、軽く近況報告会が始まる流れだった。 私は、6月も11月も、みんなの近況報告をただみているだけで、反応することもしなければ、自分の近況報告をすることもしなかった。 彼もそうだ。 高校時代、あまり目立つ方ではなかった彼は、小説家デビューの知らせをしてきた時も、「高校時代、〇〇と呼ばれていた・・・です。」とまず自分の紹介を最初にしていたし、同じく目立たたずに教室に生息していた私も、それを見て初めて、このLINEにちゃんと