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パリ五輪
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科学について、何かを論じようとする場合に、まず取り上げるべき問題は、科学の限界の問題である。 今日われわれが科学と称しているものは、その取り扱い得る問題に、限界があるか否かということを、まず検討してみる必要がある。 今世紀にはいって、科学が非常に進歩し、特に自然科学が最近になって、急激な発展をとげたことは、今更述べ立てるまでもない。 いわゆる人工頭脳のような機械ができたり、原子力が解放されたり、人工衛星が飛んだりしたために、正に科学ブームの世の中になった観がある。 そしてこの調子で科学が進歩をつづけて行くと、近い将来に人間のあらゆる問題が、科学によって解決されるであろう、というような錯覚に陥っている人が、かなりあるように思われる。 もちろん科学は、非常に力強いものではあるが、科学が力強いというのは、ある限界の中の話であって、その限界の外では、案外に無力なものであることを、つい忘れがちになっ
中谷 宇吉郎 岩波書店 (岩波新書 青版 313, G50), 1958年 HTML化: 増田 耕一 (作業中, ひととおり入力完了 2003年8月17日, 最新改訂 2018年3月21日) [HTML化についての注 (2018年3月21日補足)] 自分用に入力したものを暫定的に置いたもので、長期的に置き続けることは約束しません。 入力のまちがいに気づいたときには修正していますが、 全体を通して原文と読みあわせて校正はしていません。 原文で漢数字が使われているのを算用数字にしてしまったところがあります。 数式は、自己流にむりやりHTMLにしており、正しく読めるかどうか確かではありません。 とくに、数式の上線(オーバーライン)は正しく表現できていません (スタイルシートによる表現に思い至ったのですが、まだ実行していません)。 目次 ページ
佐藤 靖, 2014: NASA — 宇宙開発の60年 (中公新書 2271)。中央公論新社, 282 pp. ISBN 978-4-12-102271-4. (この読書メモは書評でも内容紹介でもなく、これを読んだ機会にわたしが思いあたったことの覚え書きである。) 1980年から気象学を専門とし、とくに大気・水圏のエネルギーと水の循環を扱ってきたわたしにとって、NASAとのかかわりはずっと続いている。また、人工衛星という技術の始まりについて読んだので、NASAの発足のいきさつについてもいちおう読んだ。しかし、そのように始まったNASAと、わたしの知っているNASAとがどうつながっているのかをよく理解してこなかった。NASAについて書かれた本は(英語ならば)たくさんありすぎて、どれを読んだらよいのかわからないのだった。科学史を専攻した佐藤氏が博士論文をもとに日本語で2007年に出した本の存在
参考文献 【HTML版注: 東大IR3Sから出版された『地球温暖化懐疑論批判』の文献リストに対して、次のような変更があります。 インターネット上のURLを確認し、なるべく有効なものに変更しています。 IR3S版に示されていたURLの情報は「このような形」で残してあります。 アルファベット順の乱れを修正しました(まだ完全でないかもしれません)。 人名は、できるかぎり「姓・名」の順に統一しました。ただし個人名がフルネームか イニシャルだけかは不統一のままです。 IR3S版の本文にあってリストに見あたらなかった文献を追加しました。 ただし間接引用の文献は収録できていないこともあります。 雑誌名のうち多数回出てくるものについて次のような略称を使うことにしました。 GRL: Geophysical Research Letters JGR: Journal of Geophysical Resear
Sheila Jasanoff, 1990 (paperback 1994): The Fifth Branch — Science Advisers as Policymakers. Cambridge MA USA: Harvard University Press, 302 pp. ISBN 0-674-30062-9 (pbk.) 科学と政治の関係の議論を調べると、regulatory science (日本語では「規制科学」)という用語を見かける。その意味は人によって必ずしも同じではないらしい(たとえば中島, 2002参照)が、そのうちでもJasanoffという人が言ったことが重要らしいので確認しておきたくなった。2010年8月に東京・駒場で「4S」学会があり著者が呼びかけ人のセッションもあると聞いて、それまでに本を読んで講演を聞きに行こうと思ったのだが、そこまで読書の優先順位を
立石 裕二, 2011: 環境問題の科学社会学。世界思想社, 306 pp. ISBN978-4-7907-1515-3. 社会で起こる問題、ことに政策決定に関して、科学者の仕事が求められる。科学者は基本的に、同業の科学者の評価にこたえる研究をする(中山 1980に従って「アカデミズム科学」としておく)が、社会の求めにこたえる場合の科学者の仕事は、それとは違った規範に従う、たとえばGibbonsたちのいう「モード2」[別記事参照]あるいはJasanoff (1990) [読書メモ]のいう「規制科学」であるべきだという考えもある。しかしアカデミズム科学の内容の質は査読などの同僚評価によってそれなりに確保されているが、他の種類の科学は関係者の利害に左右されて科学としての質が保てないのではないかという疑問も指摘されている。本書の「科学者が科学者としての自律性を維持しながら社会にかかわる形にはどん
Harry COLLINS & Robert EVANS, 2007年 (ペーパーバック 2009年): Rethinking Expertise. University of Chicago Press, 159 pp. ISBN 978-0-226-11361-6 (pbk.). (この読書ノートは、この版(ペーパーバック)を読んで書いたものである。) [日本語版] H. コリンズ、R. エヴァンズ 著, 奥田 太郎 監訳, 和田 慈 [めぐむ], 清水 右郷 [うきょう] 訳, 2020年: 専門知を再考する。名古屋大学出版会, 179+30 pp. ISBN 978-4-8158-0986-7. [読書メモ] 科学史家の伊藤憲二さんのblog[注1] の2009年11月16日の記事で、 行政刷新会議の「事業仕分け」に関連して、 problem of extensionという課題が指
Marco Bittelli, Gaylon S. Campbell & Fausto Tomei, 2015, paperback 2020: Soil Physics with Python: Transport in the Soil-Plant-Atmosphere System. Oxford University Press, 449 pp. ISBN 978-0-19-885479-1 (pbk.) 手もとにあるのは、2020年に出た A5 と B5 の中間の判形のペーパーバック。2022年に、洋書の通信販売のサイトでみつけて注文した。 著者に Gaylon Campbell がはいっていてこの題名だから、日本語版が『パソコンで学ぶ 土の物理学』[読書メモ] として出ている本の例文のプログラム言語を BASIC から Python にかえたものだろうと思った。たしかにそうなの
Kristin S. SHRADER-FRECHETTE, 1991年: Risk and Rationality: Philosophical Foundations for Populist Reforms. University of California Press. 日本語版: クリスティン・シュレーダー=フレチェット 著, 松田 毅 監訳 (2007年): 環境リスクと合理的意思決定 -- 市民参加の哲学。 京都: 昭和堂。 2009年4月、本屋の店頭で日本語版を見た。 著者の名前は「環境の倫理」という本(まだ読んでいないのだが)の編者として、 また科学哲学的論文(ORESKES et al., 1994)の共著者として、 見たことがあった。 温暖化問題に関する社会の意思決定について考えようと思っていたので、 その参考に読んでみることにした。 わたしはまだリスク論の本をあまり多
John Michael Wallace (ジョン・マイケル・ウォーレス) 著, 2010年3月26日 シアトル・タイムズ (Seattle Times)社のウェブサイト (http://www.seattletimes.com)に2010年3月26日に発表された論説 Beyond climate change: Reframing the dialogue over environmental issuesを日本語訳したものです。 これまでの2か月インドを旅行して、世界の環境危機の広がりと緊急性を思い知らさせた。 インドの農作物収量は、1960年代の「緑の革命」のあと数十年間成長が続いたが、 もはや人口増加に追いつけなくなった。 土壌は天然の栄養分が枯渇し、高い収穫高を維持するためにはますます多量の化学肥料を必要とするようになった。 農地は都市化のために失われつつあり、表土がレンガを作る
地球温暖化懐疑論批判 (明日香ほか) 明日香 壽川, 河宮 未知生, 高橋 潔, 吉村 純, 江守 正多, 伊勢 武史, 増田 耕一, 野沢 徹, 川村 賢二, 山本 政一郎, 2009年: 地球温暖化懐疑論批判 (IR3S/TIGS叢書 1)。 東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)・ 東京大学地球持続戦略研究イニシアティブ(TIGS)。80ページ、非売品。 2018-07-15現在、PDF版は、 第1著者の明日香さんの勤務先のウェブサイトの http://www.cneas.tohoku.ac.jp/labs/china/asuka/database.html からリンクされたところに置かれている。 [2013-11-03] [この文書の文献リストの改訂版]を作りました。 ネット上にあったがリンク切れになったもののありか (提供者による移動先、またはWeb Archive
増田 耕一の個人ウェブサイト 公開講演会などのお知らせ 教材(おもに大学の授業用) 著作リスト 学術的著作物 評論 読書ノート 翻訳文書 覚え書き ブログ yuku kawa (読書メモ) (このサイト) ブログ macroscope (別のサイトへ) 2014年にブログ「気候の門」に置いていた内容 (単純ウェブページに移動) 参加しているブログ: 気候変動・千夜一話 (別のサイトへ) 2009-2016年に作成分担していた MAHASRI (モンスーンアジア水文気候研究計画)のウェブサイトにあった内容 (別のサイトへ) 2009-2010年に個人wikiに置いていた内容 (単純ウェブページに移動)
次の形で出版されたものです。 引用する場合は(ウェブページではなく)次の出版物を参考文献としてあげてください。 再配布は原則として認めますが、著者にご連絡ください。 目次・各節へのリンク 地球環境問題の中で温暖化はどんな位置を占めるか 温暖化をめぐるさまざまな議論へのコメント(その1) 科学には何ができるのか 科学者集団の態度に関する議論 人為起源温暖化の認識 -- 科学史的にふりかえって 気候モデルとはどんなものか 温暖化の「予測」とは 温暖化をめぐるさまざまな議論へのコメント(その2) 驚きにも備えよう 人間が化石燃料を燃やすことで出している二酸化炭素がおもな原因となって、 21世紀の間に、全球平均地上気温の上昇を含む気候変化が起こるという見通しを 「人為起源温暖化」、略して単に温暖化と呼ぶことにする。 これは今では気候変化を研究している科学者の多くの共通見解になっており、 ここでは便
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