フランスで路上生活者など社会的弱者への救済活動に尽力した故アベ・ピエール神父が、1970年代末から2005年にかけて7人の女性に対し性的暴行やセクハラなどを繰り返していたことが、同氏が創設した福祉団体「エマウス」が17日発表した調査報告書で明らかになった。他にも被害者がいるとみられる。ピエール神父はフランスで最も尊敬された人物の一人で、裏の顔の暴露に、カトリック教会やフランス社会に衝撃が広がっている。 ピエール神父は07年に94歳で死去した。エマウスに昨年、被害者を名乗る女性から神父による生前の性的暴行を告発する情報が寄せられ、暴力防止などを手がける企業「エガエ」に調査を依頼した。 その結果、エマウスの関連団体の職員やボランティア、知人など、少なくとも7人の女性から、胸を触られたり、わいせつな言葉をささやかれたりする被害の証言を得た。80年代初頭に被害を受けた女性は当時16~17歳だった。