本稿のゴールは中国側からの視点、利害関係や意図をもとに、ミャンマー問題への中国の今後の打ち手について予想してみる、というものだ。 最初に述べておきたいのは、これはかなり限られた材料をもとに組み上げたシナリオの一つにすぎないということだ。また、私はミャンマーの専門家でないことも事実である。ただし多かれ少なかれ「中国の論理」については承知しているつもりでいるし、運良く現地の情報が手に入りやすい環境にある。今回はそれを手がかりにひとつの仮説を提示してみようという試みだとご理解いただきたい。 その限られたピースはかき集めてみると明確にひとつの方向を示しているように見えるが、ひとつの新しいピースがあればすべての絵柄が変わるのがこの手の話なので、それは何をも意味しないと言われればそのとおりではある。しかし外れたら外れたで、その「なぜ」を探ることに一定の意味があるかもしれない。 結論としては、詐欺犯取締