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災害への備え
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東京大学の単位不認定と杉浦さんを降年させたこと(他大学の留年に相当)について、一審判決は処分が存在しないとして、口頭弁論を経ることなく杉浦さんを敗訴させていたが、1月26日の控訴審判決で、単位不認定と降年処分には処分性が認められるとして、地裁に取消差戻となった。 これを聞いただけでも、法律界隈の方々は脊髄反射で「富山大学事件」というフレーズが脳内に浮かび大変盛り上がっていただけると思うが、もう少しちゃんと解説していこう。 事件の概要は、杉浦さんの作成したページ( https://sites.google.com/g.ecc.u-tokyo.ac.jp/sugiura-detail )などにも記載されているが、2022年5月中旬、東京大学教養学部(東大は2年生まで医学部でも教養学部の授業を受ける)で近藤興助教が担当していた必修の基礎生命科学実験の授業を、コロナに感染した杉浦さんが欠席したとこ
■ 関連タグ みなし陽性 コロナ関連の情報 ワクチン接種 坂根みち子 抗ウイルス薬の処方 抗原キット 新型コロナウイルス 最低1週間分の食料 発熱外来でのトリアージ機能 第7波 解熱剤・風邪薬 つくば市 坂根Mクリニック 坂根みち子 2022年8月1日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 当院は基本医師一人の診療所ですが、第6波までにオンライン診療約2000人、ワクチン接種約1万回行ってきました。その間、組織のルールに則り民主主義的手順を踏んで現場を改善してもらおうと努力もしましたが、指示待ちが染み付いた組織の根は深く、フィードバックする機能は機能していませんでした。 そして今、コロナの第7波の勢いが止まりません。 大多数の人には軽症で済むとはいえ、発熱外来の最前線は今最大のピンチを迎えています。明らかにキャパオーバーです。 第5波のデルタ株の時のよう
■ 関連タグ コロナ政策 医療と防疫 医療の逼迫の回避 和田眞紀夫 感染防止のための検査 新型コロナウイルス 濃厚接触者の待機期間 自宅待機期間 診断のための検査 防疫偏重のコロナ政策 陰性証明を得るための検査 わだ内科クリニック 和田眞紀夫 2022年2月8日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 濃厚接触者の待機期間、科学的な根拠とは無関係に政治的な判断だけで、猫の目のようにころころと据かえられている。新たな通達内容をやっと読み込んで、今日患者さんに説明したことが、もうその夜には変わっている。我々医療現場の人間でさえ覚え込むのに一苦労なのに、もう一般市民はわけがわからなくて当然だ。そうなると、もう誰もきちんと基準を守る人はいなくなるだろう。 防疫のために設定された濃厚接触者などという概念自体をやめてしまえば済むものを、法律(感染症法)を変えないがため
■ 関連タグ せん妄 プロポフォール 乳腺外科医事件 佐藤一樹 全身麻酔 性的幻覚 科学的証拠物 胸を舐めた 自慰行為 逆転有罪 いつき会ハートクリニック 佐藤一樹 2020年8月3日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 東京高等裁判所第10刑事部(朝山芳史裁判長 本年5月2日定年退官)は、本年7月13日、いわゆる乳腺外科医裁判控訴審において、東京地方裁判所の無罪判決を破棄し被告人に懲役2年の実刑を言い渡した。 原審では、乳腺腫瘍摘出術後の女性患者の診察時に、執刀医が健側の胸をなめ回し、二度目の診察時に自慰行為をしたという事件があったとするには、合理的な疑いを挟む余地があると判示していたが、控訴審では破棄自判により逆転有罪となった。 この控訴審判決謄本を入手し東京都保険医協会は「本控訴審判決における1非科学的誤謬、2反医学的判断、3非当事者対等主義によ
■ 関連タグ pcr検査 クラスター対応 会食による感染 保健所 匿名・保健師 新型コロナウイルス 濃厚接触者 行動調査 追跡調査 首都圏の保健所に勤務する保健師 匿名 2021年1月15日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp まず、調査方法だ。PCR検査で陽性になった人がいると、医療機関から保健所に「発症届」が送られてくる。保健師は、「発症届」を元に電話で行動調査を行う。「発症届」1通を一人が受け持つ。まずは、発症から遡り、行動を聞く。濃厚接触者がいれば、さらに調査対象が増えていく。濃厚接触者に対しては、早急にPCR検査ができるように調整を行う。さらに、その濃厚接触者が陽性だった場合、その調査は延々と芋づる式に拡大していく。 注目すべきは、濃厚接触者の定義だ。「接触したのが発症2日前以降で、相手との距離が1m以内マスクなしで15分以上会話した者、マス
■ 関連タグ pcr検査 和田眞紀夫 抗原検査 新型コロナウイルス 濃厚接触者 自粛・隔離 わだ内科クリニック 和田眞紀夫 2020年12月1日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 濃厚接触者とは何なのか。何のためにこのような概念を設けて行動自粛を強要しているのか。当たり前のようで当たり前ではない。この答えを書く前に具体的な事例について説明しておきたい。 先週末に当院にプロの音楽家の方が来院された。その日の朝に37.1℃の微熱があって倦怠感があるという。連日のライブ演奏を控えている状況で、もしコロナであったら多くの人に感染させてしまうという懸念から早急のコロナの検査が必要だった。日頃当院でも唾液のPCR検査を実施しているのだが、あいにくその日は連休初日の夕方。連休中は民間の検査会社が休みのためにPCR検査用の検体を採っても検査をしてもらえない(日・月曜
■ 関連タグ pcr検査 ひらた中央病院 クラスター 不顕性感染率 坪倉正治 定性検査 定量検査 新型コロナウイルス 東日本大震災 簡易抗体検査キット 院内感染対策 ひらた中央病院 非常勤医 坪倉正治 2020年6月2日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 筆者は、東日本大震災と福島原発事故後、福島県の浜通り地区で働く内科医である。もともとは血液内科を専攻していたが、震災後は放射線被ばくや公衆衛生関係の仕事が主である。(感染症や検査の専門では無い。)そのご縁で、震災後約9年間、福島県郡山市近くにある、誠励会ひらた中央病院という阿武隈高地の病院で非常勤として勤務している。 東京での新規患者数が毎日増加し、日本中の医療施設がピリピリしながら状況を見守っていた緊急事態宣言が出される直前の3月末、私は理事長から依頼を受けた。「原発事故で影響を受けたこの地域の、
■ 関連タグ マスクの輸出規制 マスク不足 不良品 中国からの輸入 入国制限 再利用を前提 布マスクの生産・調達 新型コロナウイルス 材料ガーゼの不足 検品費用 江崎 禎英 配布の遅延 経済産業省 政策統括調整官 江崎 禎英 2020年5月21日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp そうした中で、政府が実施している一世帯2枚の布マスクの配布について、これを疑問視する意見が増えています。配布されたマスクに髪の毛や糸くずが入っていたり、カビと思われる変色したマスクがあったとの報道を耳にされた方もいらっしゃるでしょう。問題のあるマスクは速やかに交換する対応を行っているところですが、実際に手にされた方に不安と不信感を与えてしまいましたことは、心からお詫び申し上げたいと思います。 布マスクを巡る一連の対応への批判は、政府としてこれを真摯に受け止めるのは当然です。
■ 関連タグ クラスター(集団)発生 大澤幸生 密集・密閉・密接 感染症統計数理モデル 新型コロナウイルス 社会ネットワークシミュレーション 禁三密 8割減 東京大学工学系研究科 教授 大澤幸生 2020年5月2日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp たしかに厚生労働省のHPには「密集」「密閉」「密接」をカラフルな円で描いたベン図が載っていて、3つの円の共通部分を「3つの条件がそろう場所がクラスター(集団)発生のリスクが高い!」と強調するガイドラインが示されている。さらに同省は「人との接触を8割減らす、10のポイント」を公表し、その下にも「三密を避けましょう」と付け加えることを忘れていない。 しかし、これらのメッセージでCOVID-19への対策がとられていることについて、私としては合点がいかずにもどかしく思っている。 そもそも「人との接触を8割減らせ」
■ 関連タグ 前田 裕斗 周産期医療体制 妊婦の受け入れ 新型コロナウイルス 院内感染防止策 国立成育医療研究センター 前田 裕斗 2020年4月13日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp そもそも現在の日本における周産期医療体制では、COVID-19感染が疑われる妊婦の受け入れが困難を極める。日本では分娩の約半数を一次施設、個人病院や小規模の病院が請け負っているが、そうした施設では1-2人の産婦人科が診療を担当しており、1人倒れれば閉院となってしまうことからとても感染妊婦の診療はできない。それどころか無症候患者のことを考えれば夜間や、風邪症状が出た妊婦の対応を縮小せざるを得ず、その分患者が中規模以上の病院へと流れ込む。一方で周産期センターは既に多くの分娩を抱えており、COVID-19以外のハイリスク妊娠も担当しているため、全体のことを考えればCOVI
■ 関連タグ pcr検査 クラスター フェーズの蔓延期 入院・隔離 和田眞紀夫 感染症法 指定感染症 新型コロナウイルス 検査体制の充実 わだ内科クリニック 和田眞紀夫 2020年3月17日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 新型コロナウイルスに感染した可能性があっても、風邪症状が軽い人は自宅療養で経過を追うようにという指示が出されています。 ところが一方で、新型コロナウイルスの検査で陽性に出てしまったひとは、たとえ症状が軽くても入院・隔離されてしまいます。 どうしてこのような矛盾した対応がとられているかというと、その原因は「感染症法」という法律の規則にあります。この法律で規定している二類感染症に対しては、全症例を把握して、対象者を隔離しなければいけないと決められているのです。そして、新型コロナウイルスもまさにこの「二類」に相当する感染症に指定された
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■ 関連タグ pcr検査 保健所 公費負担 新型コロナウイルス 都内民間病院院長 都内民間病院院長 匿名 2020年3月11日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 約半数は保健所を経由した診察依頼ですが、発熱持続を心配した患者や近隣開業医からの紹介患者もほぼ同数来ています。 来院した患者さんにはインフルエンザ、マイコプラズマ、アデノウィルス感染を否定し、胸部レントゲンまたはCTで肺炎像を確認し、採血検査で炎症反応も見て、尿中肺炎球菌抗原、レジオネラ抗原を検討しています。 これで原因疾患が同定できない場合には、COVID19疑いとしてPCR検査依頼を保健所にします。しかしほとんどの場合検査許可はおりません。 直接来院の患者さん達は何故PCR検査をしてもらえないのかと聞いて来ます。医師は丁寧に検査結果を説明し、保健所に掛け合ったが許可が下りなかったことを伝
■ 関連タグ かかりつけ医療機関 不安と混乱 帰国者・接触者センター 新型コロナウイルス 濃厚接触 都内某クリニック 匿名 2020年3月12日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 返答は 1.緊急性がないようであれば、今日は5時で業務が終わっている。 2.明日になっても症状の改善がないようであれば、医師の方から保健所に連絡をして、指示を仰いでほしい。本人が保健所に電話をしても、検査はしてもらえない。 上記のようなものでした。あまりの返答にびっくりいたしました。まず、緊急性がないというのはどういうことなのか。肺炎等の病状としての緊急性がなければ、仮にコロナの感染が疑われてもそのまま様子を見てしまってよいということなのか。それであれば、なぜ、感染者が一人でも出た場合は全員を隔離するという方法をとっているのか。 保健所に心配な患者さんが直接電話をしても検査
■ 関連タグ パンデミック 医療従事者の検査 和田眞紀夫 新型コロナウイルス 春節休暇の延長 民間検査会社 PCR検査 わだ内科クリニック 和田眞紀夫 2020年3月2日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 現在の日本でどのぐらい新型コロナウイルス感染が広がっているかを把握して報告することは絶対必要です。全国に登録されている感染症の定点観測医療機関では最低限検査すべきです。「治療法がなくて軽症が多いから」検査しなくてよいというのは間違いです。今は感染の拡大を可能な限り抑えて、重症患者さんや亡くなられる方の数を減らさなければいけない時期なわけで、そのためには検査で陽性の人には、他の人に移さない努力をしてもらわなければいけないし、日本中に蔓延していることが検査結果という数字で明らかになれば、国民の多くが納得して行動自粛をできるでしょう。 もちろん、診療所に
■ 関連タグ ダイヤモンド・プリンセス 新型コロナウイルス 窓のない客室 船舶検疫 関家一樹 海事代理士 関家一樹 2020年2月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 政府は18日に「(船舶隔離が)適切だと思っている」(菅義偉官房長官)と発言しているようであるが、今回の船舶検疫は大失敗だったと言っていいだろう。 船舶に対する検疫は「検疫法」と付随する「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」において定められており、今回の拘束期間「14日間」という日数は検疫感染症3号の「中東呼吸器症候群MERS」の潜伏期間14日を参考にして、仮に定められたものだったのだろう。 船舶検疫には3種類あり検疫所により運用にかなり違いがあるが、横浜検疫所の場合、検疫官が実際に船舶に乗り込む臨船検疫である「錨地検疫」「着岸検疫」が行われることはほぼ無く、99%
■ 関連タグ ダイヤモンド・プリンセス 国際検疫 新型コロナウイルス 無意味な検疫 関家一樹 海事代理士 関家一樹 2020年2月8日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 船舶検疫の歴史は古く、15世紀にペスト対策としてヴェネチアが船舶乗員の隔離を行ったことに端を発する。英語で検疫を意味する「quarantine」は、元々ペスト患者を隔離するために40日間、船舶乗船者を離島などに拘束したことを語源としている。 実はこの長い船舶検疫の歴史の中でも今回の日本の船舶検疫は史上最大のものである。そもそもダイヤモンド・プリンセス(総トン数115,875)のような総トン数が10万トンを超えるクルーズ船の登場は、2000年代以降のロイヤルカリビアン社のカリブ海クルーズの成功を受けて始まった。戦艦大和の総トン数が6万5千トン程度であることを考えると、いかに巨大な船舶で
■ 関連タグ 停留精巣 先天奇形 先天性心疾患 名古屋市立大学 放射線事故の健康影響 東日本大震災 澤野豊明 福島第一原発事故 南相馬市立総合病院 外科 澤野豊明 2019年6月26日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 先日、福島第一原発事故の後に先天奇形が増えているという主張を含んだ2つの論文が名古屋市立大学のシステム科学研究科・村瀬香准教授らから発表されました。これらの論文はそれぞれ専門誌でインパクトファクターも2−5程度とそれなりに権威のある英文医学雑誌から査読を経て出版されており、様々なデータを解析し、一定の結論にたどり着いた著者たちの取り組みには敬意を表したいと思います。 しかし、多くの住民の尽力もあり、福島第一原発事故による被ばく量からは、それはWHOや国連科学委員会(UNSCEAR)を含め、様々なデータから福島原発事故後の放射線被ばくは
■ 関連タグ コミュニケーション 医師=万能 宮地貴士 新専門医制度 村民の「嫉妬」 秋田の無医村 秋田大学医学部医学科5年 宮地貴士 2019年5月14日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 「お医者さんの給料は1500万円だよ。宿舎の改築に1000万円、学会参加の交通費に毎年100万円、専属のドライバーもついているんだよ。」 お医者さんのお財布事情について、村民の一人は異様なほど詳しい。驚いたことに村民へのインタビュー調査をしていく中で、5人が医師の給料について言及した。2日間でお会いした方が20名程度だったことを考えると、相当な数だ。 なぜこのような話題が広まるのか。私は医師に対する村民の「嫉妬」が原因だと考えている。自分たちよりも所得の高い医師を羨ましく思っているのだ。 上小阿仁村は秋田県の中で最も高齢化率が高い。2人に1人が65歳以上だ。高齢
■ 関連タグ 医師不足 宮地貴士 無診察処方 秋田県上小阿仁村 規制緩和 秋田大学医学部医学科5年 宮地貴士 2019年4月24日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 「診療所がなくなったら薬のためだけに30分も運転しないといけなんだべ」佐藤としおさん(92)は言う。 佐藤さんは上小阿仁村の八木沢集落に生まれた。「夏は川で魚を採り、冬は山に猟に出た。熊の毛皮とか内臓はよく売れたぞ。結構もうかったな、がはは」集落に100人以上が住み、にぎやかだった過去を懐かしむ。高度経済成長に伴って状況は一変した。集落の若い衆は都会にどんどん流れて行った。現在集落に住む人はたったの9人だ。佐藤さんは最後までこの集落に住みたいと願っている。八木沢集落を形成したのは隣町から移り住んできたマタギたち。その土地を愛し自然を敬い自然と共に生活する先人たちのスピリットが佐藤さんにも
■ 関連タグ DNA鑑定 アミラーゼ鑑定 佐藤一樹 柳原病院事件 術後せん妄 いつき会ハートクリニック 佐藤一樹 2019年2月25日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 東京都足立区の柳原病院で2016年、乳腺手術を担当した乳腺外科専門医が、執刀後に女性患者(Aさん)の乳首を舐め、吸って、自慰行為をしたなどとして準強制わいせつの罪で起訴された事件で、本年2月20日東京地裁刑事第3部の大川隆男裁判長は無罪を言い渡した。大手メディアやジャーナリストの江川紹子氏が大きく取り扱い広く報道したことなどから、本稿の読者であれば事件の概要は周知していることであろう。https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20190220-00115538/ 私は事件当初から乳腺外科医と拘置所で接見し、刑事弁護専門弁護士斡旋、保釈請願運
■ 関連タグ オピオイド系鎮痛剤 医療用麻薬 大西睦子 この原稿は新潮社Foresightからの転載です。 http://www.fsight.jp/articles/-/43178 大西睦子 2018年1月24日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp ◆「死んだ方が楽だと思う」 5歳の息子の父親であるビリーさん(31)は、16歳から注射器を使ってヘロインを常用していました。きっかけは、13歳のときに処方された医療用麻薬のオピオイド系鎮痛剤でした。しかし、この鎮痛剤は高価だったため、替わりに安価で幻覚作用の強いヘロインを鼻から吸引し始め、次第に即効性のある静脈注射を使用するようになりました。ヘロインを始めて服用した際には、まるで「神様に会ったような」多幸感に包まれるほどだったと、そのときの様子を説明しています。 ビリーさんは入れ墨師になりたかったそうです
■ 関連タグ 医事会計システム 南相馬市立総合病院 東日本大震災 澤野豊明 福島第一原発事故 南相馬市立総合病院 澤野豊明 2018年12月11日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 2018年10月から11月初めにかけて、南相馬市議である大山弘一氏が「原発事故前に比べ、成人甲状腺がん29倍、白血病10.8倍、肺がん4.2倍」という内容のチラシを市民に配布しました。これは当院の医事会計システムのデータを明らかに誤った解釈し作られたものです。その内容はSNSなどでも拡散され、市民にも影響が出ています。実際に外来などでも市民から「甲状腺がんが増えたと聞いたが大丈夫なのか」という声を頂き、現場で働く一医師としては心苦しい限りです。 実際のところ、この医事会計システムのデータ(表参照)からは、がんなどの病気が増えているとは全くもって言えません。これは当院の医事
■ 関連タグ アフターピル 中期中絶 中期中絶の壮絶な現場と、性教育、アフターピル問題 ~誰もが笑顔で赤ちゃんを抱っこできる日が来ますように 産婦人科クリニック看護師 相馬花(仮名) 2018年11月14日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 一昨日は、隣の部屋が出産のお祝いムードに包まれる中、私のいた部屋には重苦しい空気が流れていました。皆、一声も発することなく、中絶手術受けた本人も声を殺して泣き、静けさの中で淡々と処置は終わりました。看取りは慣れているつもりですが、中期中絶の日は、いつも悲しく辛い思いに押しつぶされそうになります。 とっても綺麗な可愛い赤ちゃんでした。本当はあと半年もすれば、産声をあげ、抱っこしてもらえるはずだった命。娩出後に臍帯を縛っても、赤ちゃんがしばらく生きていることもあります。私はそのまま処理を進めず、時間がある限り、赤ちゃ
■ 関連タグ ピロリ菌除菌 中学2年生 横須賀市 水野靖大 マールクリニック横須賀 院長 水野靖大 2018年10月31日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 主たる誤解は、 ・ピロリ菌の除菌に、日常の医療では到底使わないような抗生剤が使用される ・ピロリ菌チェックを行うと強制的に除菌されてしまう である。 この検診は検査と治療の2段階に分かれており、まずは全く侵襲のない尿による検査を行う。これで陽性だった場合、若年者では蛋白尿などの影響により偽陽性になる可能性が指摘されているので、不必要な除菌を防ぐために、再検査を行う。再検査は、特異度が98.4%と高い尿素呼気検査(これも苦痛はない)を行う。ここまでが検査の段階だ。本当にピロリ菌の感染がわかった場合は次の段階に進み、医師による十分な説明の後に希望者のみ除菌治療を受ける。 私は2012年から横須賀で開
Vol.178 「医師の働き方改革は患者安全のため」が世界の常識 〜医師の働き方改革を阻害しているのは厚労省と日本医師会〜 残業時間の上限を一般の労働者に19年4月から順次適用される年720時間よりも緩く設定。救急救命や産科など長時間の対応が必要な診療科にはさらに例外規定をつくる。一般労働者と同じ規制だと医師不足などで医療現場が混乱しかねないため、独自のルールが必要だと判断した。 まず確認したいのは、医師の長時間労働が問題になっているのは、それが患者安全を脅かすからである。世界医師会(WHA)も2005年に医師の長時間労働は医師の健康を害し、医師の家族にも負担となり、患者にとっても危険である、と述べている(1)。つい最近のアメリカの研究でも、燃え尽き症候群や過度の疲労の医師は、医療事故を起こす可能性が2.3倍高まると報告している(2)。そのため、他の先進国では医師の労働時間を制限し、交代制
Vol.169 恐ろしい日本脳炎が再流行、危ない北海道 -世界中でウィルスを媒介する蚊が繁殖、自分の身は自分で守れ- ■ 関連タグ グローバル社会 ワクチンプログラム 坂本 諒 日本脳炎 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53776 この原稿はJBPRESS(8月10日配信)からの転載です。 坂本 諒 2018年8月22日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 私は、北海道出身の看護師であり、東京都で勤務している。先日、初めて日本脳炎ワクチンを接種した。 「なぜ、今頃になって日本脳炎ワクチン?」と不思議に思われる方も多いだろう。実は、私は今まで、日本脳炎ワクチンを接種していなかった。 北海道において、日本脳炎ワクチンが法定接種の対象になったのは2016年だ。すなわち、北海道出身者のほとんどが、日本脳炎ワクチンを接種
■ 関連タグ 医師の働き方 平岡諦 応召義務 NPO法人医療制度研究会 理事 平岡諦 連絡先:bpcem721@tcct.zaq.ne.jp 2018年7月3日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp ●原点とすべきは、過労自死した中原利郎医師の最高裁・和解条項: 2010年7月8日、最高裁で和解が成立した。過労自死した中原利郎・小児科医の遺族が、勤務していた病院を訴えた裁判だ。和解の趣旨をまとめると次のようになる。「我が国におけるより良い医療を実現するとの観点から和解が勧告され、医師不足や医師の過重負担を生じさせないことが国民の健康を守るために不可欠であることが確認されて、和解が成立した」のである。 「より良い医療」とは勤務医のより良い医療環境の確保だけでなく、医療安全も確保された医療ということだ。遅ればせながら、日本学術会議も動いた。 2011年9月、
■ 関連タグ 地域医療崩壊 坂根 みち子 新専門医制度 東京一極集中 専門医制度の「質」を守る会共同代表 つくば市 坂根Mクリニック 坂根 みち子 2018年1月5日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 専門医の質の担保より偏在対策を優先させ、医療現場から挙った多くの反対の声(1)を押し切って開始した新専門医制度の一次登録(専門医の卵:以下専攻医で統一)が締め切られ、大勢が判明した。 結果、全科で専攻医の地域偏在が拡大し、内科の激減、東京の一極集中が顕著となった。 2012年〜14年の全国専攻医(人口比)の平均地域最小最大格差が3.09倍だったのに対し、今回の地域格差は4.67倍(!)にもなっている。特に東京の登録数は、過去に比べて50%増え、東京の一人勝ちとなった。(ただし正確には、都会の基幹病院から地方へ派遣される場合は、今回のデータでは都会でカウ
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