『アリスとテレスのまぼろし工場』をみました。いや、すごいですね。以下感想。物語上の重大な仕掛けに触れています。 日本列島、海と山とに囲まれた小さな街、 見伏。街の産業の中心ともいえる製鉄所での大きな事故以来、そこでは誰も街の外に出ることはできず、永遠の冬が続き、子どもたちの成長も止まっていた。終わりない日常が続くなかで、人々は倦み疲れ、中学生たちはしばしば刹那的な快・不快に身をゆだね無限に続くかと思われる時を過ごしていた。 中性的な容姿をもつ中学生の少年、菊入正宗は、「気になる」存在である同級生、佐上睦実によって、不可思議な力で稼働を続ける製鉄所の内部に誘われる。そこには睦実の面影を感じさせる、幼い少女がいた。幼児のような振舞いをするこの少女はいかなる存在なのか、そして終わらない日常に終わりは訪れるのか。少女・少年たちが対峙する、この世界の終わり。 『さよならの朝に約束の花をかざろう』に続