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衆院選
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6月16日、筆者はJR王子駅に初めて降り立った。まぶしいくらいの日差しにクラっとするが、気温は30度を少し超えるくらい。どちらかと言えば昨日の雨による湿度の高さが、うだるような暑さをもたらしていた。とはいえ梅雨のこの時期に見事晴天に恵まれてしまう、音楽家・あがた森魚の神通力ったら。 『タルホピクニック』とは、あがたが王子駅近くにある〈飛鳥山公園〉で行っている月例音楽集会だ。あがたが敬愛しており、作品や彼の発言にも度々登場する作家・稲垣足穂(1900年~1977年)の月誕生日である26日の前後に、楽器を持ち寄った参加者たちと演奏しながらパレードをしている。 コロナ禍に突入した2020年6月に「ギターを背負って歩く練習」と称して始めてから、丸4年。第49回目となる6月16日の開催は『ラスト』と称し、〈飛鳥山公園〉にある野外ステージ「飛鳥舞台」でのフリーコンサートと併せて開催されることを発表した
「ミニシアターが街からなくなる」そんな話を聞いたことがあるが実際のところはどうなのだろうか? 関西のミニシアターをリードし続けてきた〈シネ・ヌーヴォ〉の支配人、山崎紀子さんに街に人が戻り始めている今、話を聞いてみた。 シネマコンプレックスでは上映される機会の少ない国内外の優れた作品を中心に、過去の名作を集めた特集上映を行ってきた〈シネ・ヌーヴォ〉。インタビュー中に支配人である山崎紀子さんは現在ミニシアターがおかれている現状や、今、現場が直面している悩みを率直に話してくれた。 映画業界でのハラスメント問題に映画館はどう対応するのか。または新しいファンと出会うのに、どのような部分で運営をしていくべきか、などだ。そうした現状は、ミニシアターが持つ魅力に加えて一種の厳しさを伝えるものとなるが、〈シネ・ヌーヴォ〉の向き合い方を通じて、2023年のリアルさを伝えていきたいと思う。
〈塚口サンサン劇場〉が生まれたのは1953年。元々は〈塚口劇場〉という名前だった。その後、阪急塚口駅周辺開発事業により1978年に〈塚口さんさんタウン〉が開業すると同時に〈塚口サンサン劇場〉と名前を変えた。2011年までは東映系の作品や各社のアニメ作品などの封切館として営業を行ってきた。2010年ごろになると劇場の周辺にシネコンができ始めたこともあり、本格的に二番館としてシネコンでは取り上げないミニシアター系の作品や過去の名作など、さまざまなジャンルに上映の手を広げるようになった。その際にも映画館としての敷居を高くしたくないと考えた戸村さんは、二番館の強みを生かして番組編成にある仕掛けをしたと語る。 「ただ番組編成を組むのではなく、長いストーリーを紡いでいくようにしたんです。例えばAという映画を見たら、Bという映画が見たくなる。そうなると翌週のCという映画につながるみたいなつながりを意識し
“音楽をする人のための遊園地”を目指し、店主の寺田国敏さん(愛称、テリーさん)が仲間と共に築100年以上の酒蔵を改造したのが〈coffee house 拾得(じっとく)〉だ。味わい深い丸い机と椅子は酒樽、床には廃線になった京都市電の路面で使われていた御影石、すべてがいい塩梅でここの特別感を醸成している。coffee houseという名が表しているように、“つけものピラフ”をはじめ食事も美味い。終演後もライブの余韻をつまみにお酒や食事を楽しむのが常で、時に観客も演者も従業員も交えて酒を酌み交わす。そんな京都独特の音楽文化を育んできたともいえるこの場所で、アマチュアの学生から山下達郎のようなビッグネームまで、それぞれが思い思いの音を鳴らしてきた。 立命館大学の音楽サークル「ロック・コミューン」で産声を上げたくるりもそんなバンドの一つ。オリジナルメンバー岸田繁(Vo / Gt)、佐藤征史(Ba)
外資系レコード店のバイヤーからキャリアをスタートし、インディーズ系流通会社を経て、2006年にディスクユニオンに入社。現在まで600を超えるCD・LPタイトルを制作・販売してきた金野篤。彼のレーベル〈SUPER FUJI DISCS〉で手掛けてきた数々のリイシュー作品を見て感じるのは、歴史の中で埋もれている日本の音楽を掘り起こし、現在に再び流通させる姿勢である。『1974 ONE STEP FESTIVAL』(2017年 / 21枚組)、『1977ROLLING COCONUT REVUE JAPAN CONCERT』(2018年 / 14枚組)などのBOXセット作品を筆頭とする、丁寧な取材を伴ったライナーノーツとあわせて当時の音源を網羅的にパックしていく仕事ぶりは、さながら歴史的価値を見極め、今に伝わる形で情報を編み直し、保存していく「音楽のアーキビスト」なのだ。 またリイシューと並行し
私が言う「移民」は「違う地域・文化圏から来て今ここに住んでいる人」を意味します。違う文化の間で苦しんだり、どっちの文化も自分のものにしたり、それらを融合して新しいものが作れたり、全てが移民です。例えば田舎生まれ育ちの人が上京した場合も、その文化の違いによって深くて濃い経験をするならば、その人は自分を移民と呼んで良いでしょう。 MOMENT JOON 日本移民日記 第1回 「ない」と言われても僕はここに「居る」 「『Passport & Garcon』は全然評価されていないです」 Moment Joon は私にそう語ってくれた。自らのトラウマ的な体験を盛り込んだ自伝的アルバム『Passport & Garcon』はTBSラジオ『アフター6 ジャンクション』で取り上げられ、また ASIAN KUNG-FU GENERATION の後藤正文こと Gotch が主宰する『Apple Vinegar
特集『文化の床』の企画「#JAPANESE NEWEST FOLK」では、着実に従来のイメージを跳ね返すような変革が起こっている日本のフォークの現在を追った。 そぼそぼと、呟く言葉がプカプカ浮かび、漂着先が歌だった……。 米山ミサによるソロ・プロジェクト・浮(BUOY=ぶい)を見ていると思わずそう評したくなる不思議な佇まいが魅力だ。その歌は日常と地続きではあるが、生活臭は不思議と希薄。どこかの異国に伝わるトラディショナルな雰囲気を醸しなら歌う彼女は路傍の巫女のようである。 筆者がその存在を知ったのは、今のガットギター弾き語りのスタイルで活動開始してまだ間もない2018年頃。田中ヤコブやクララズ、たけとんぼ、杉本周太(Shuta Negi)といったシンガー・ソングライターたちと交じって、弾き語りイベントで歌っていたのを見た。この界隈を「新世代のフォーク」なんて安易に一まとめにするつもりは決し
なんせお金がないものだから、大学生の頃、毎回いつも違う美容室で散髪をしていた。初回限定のクーポンを使うために、あらゆる美容室を転々とするのです。 当然、いつも初対面の美容師さんに切ってもらうわけだけれども、「大学は?」「部活は?」とか他愛のない話をするのが苦痛だった。 この類の会話にはよく知らない親戚を相手にするような白々しさがあるし、かといって本気で受け答えするのもなんだか疲れる。面接じゃないんだしさ。 悩みに悩んだ末、僕は「架空のプロフィール」を作って遊ぶことにした。 ある時はスポーツ青年に、ある時は勤勉な法学徒に、ある時はボランティアサークルの部長――。色んな設定の中で、色んな事件に巻き込まれた。恋の話はあまりしないけれど、なんだか四畳半神話大系みたいだ。(京大生にもなってみたかったけれど、残念ながら学生証は嘘をつかない) 頭の中にある知識を総動員して立体的な世界を勝手に作る。全然知
オオルタイチの内側から溢れでた音楽を、幾重にも重ねて生まれたカセットテープ作品『?』が世に出たのが1999年。電子音と非言語が融合した即興音楽は、ダンスホールレゲエのパトワ語の響きと出会い、言葉を持たない歌へと変容を遂げていく。さらに、数多の人との出会いにより、彼の音楽は多面的に展開。バンド “ウリチパン郡”(現在は活動休止)やYTAMOとのユニット“ゆうき”などソロではなくバンドやユニットでは日本語で歌うことでその音楽に意味合いが帯びる。活動は彼一人の表現だけにとどまらず、2012年に立ちあげたバンドプロジェクトOorutaichi Loves the Acustico Paz Nova Band、折坂悠太やJuana Molinaなどの楽曲のリミックス、水曜日のカンパネラへの楽曲提供、 康本雅子とタッグを組んだ舞台パフォーマンスなど表現の場所も方法もそのたびに変化しながら拡張を続けてい
人は保守的になる生き物だ。理想と現実の生活を天秤にかけたとき、今の生活を大きく変化させることを考えると、理想に踏み込むのを躊躇してしまう人は多いだろう。でも「それで満足か?」と問われればそうではないし、数年後に「あの時、決断しておけば」と後悔するのは目に見えて明らか。しかし、いざ理想を選ぶと、たどり着くまでに様々な困難や悩みを抱えるのも事実である。理想と現実、アンビバレントに揺れ動く人が多いなか、おとぼけビ~バ~は自らの理想へ突き進む。 京都出身のバンドで2017年のフジロックではROOKIE A GO-GOに選ばれ、昨年には配信シングルとしてリリースされた”あなたわたし抱いたあとよめのめし”はSpotifyの日本でのバイラル(人気)チャートで1位になった。また世界最大級の野外音楽フェスであるコーチェラ・フェスティバルでは日本からX JAPANとともに出演。今年もアメリカのサウス・バイ・サ
スマスイ(須磨海浜水族園)、モトコー(元町高架通商店街)、新開地、稲荷市場に湊川商店街……。アーバンなイメージに埋もれがちな神戸のさまざまな側面を、アナーキーかつ下町愛にあふれた文と写真で切りとる神戸市広報課ページのエッセイ連載『ごろごろ、神戸3』。その書き手である平民金子の個展が、塩屋・784JUNCTION CAFEの2階ギャラリーにて開催される。 かつてはてなダイアリーのブロガーとして知られた平民が、稲荷市場の佇まいに惹かれて神戸に越してきたのは2015年ごろだという。同時期に生まれた子供を連れ、父親の視点から変わりゆく町の悲喜こもごもを記録してきた同連載は、SUUMO掲載の初回も含めれば今年で3年目。昨年にはスポーツ新聞をかたどったタブロイド版も刊行され、日本屈指の“無頼派広報ブログ”として市内外で人気を博している。 今回展示されるのは、平民がこれまで神戸で撮り続けてきた、連載でも
バイタリティに満ちた即興パフォーマンスで全国の音楽好きを魅了し、tofubeatsやimai (group_inou) らの客演も果たした京都のSSW・中村佳穂。すっかり売り切れていた手売りの1stアルバム『リピー塔がたつ』に次ぐ、2年半ぶりの新作『AINOU』が本日発売された。 一度でも生で見た方ならご存知だろうが、彼女のプレーにはライブという場への徹底的な愛と敬意がある。しかし今作は、そんなパフォーマンスの延長線上にあった前作とはまったく異なるコンセプトのアルバムだ。1曲目“You may they”から鳴り響く、荒木正比呂(tigerMos, レミ街、fredricson)の手でカットアップされたドラミングがその違いを雄弁に物語っている。 今回のインタビューで、中村はジャンルも世代も拠点も異なるサポートメンバー達との深い関係性や、彼らと理想の音楽を追求する楽しさについて嬉しそうに語っ
9月1日公開、『きみの鳥はうたえる』。舞台は現代の函館。柄本佑、染谷将太、石橋静河らが演じる3人の抒情的な日常に流れる時間を丁寧に切り取った映画です。 今回アンテナ編集部は三宅唱監督へのインタビューを敢行。映画製作に直結する監督の視点や、作品に込められた想いを伺いました。東京ではない地方のコミュニティで、音楽やカルチャーに触れながら豊かな暮らしを送る若者たちを描いた作品。北海道は函館と京都、距離こそありますがこの映画で丁寧に表現された世界観とアンテナのビジョンには近いものを感じました。それは自らの力で暮らしや生活を豊かにしようという気概です。 今回のインタビューでは『きみの鳥はうたえる』の登場人物たちや三宅監督が、どのような姿勢で日常をより鮮やかに彩っているのかを聞くことができました。 鑑賞前のあなたも、鑑賞後のあなたにもお楽しみいただける内容となっています。
台風クラブという名前が全国で聞かれるようになったのは、少し前のことだ。2016年11月3日「レコードの日」、漫画家・本秀康氏のレーベル「雷音レコード」から、7インチ『ずる休み』が鳴り物入りで発売された。以前から京都で評判を集めていたバンドサウンドは、アナログレコードのふくよかな音質とうまく調和していた。日本語のルーツロックをソースとしながらも、幅広い音楽性と確かな演奏技術に裏打ちされた「信頼できる」バンド。これからどんどん活躍の場を広げていくことだろう。 さて、今回アンテナ編集部は、そんな台風クラブが出した最新アルバム、『初期の台風クラブ』の成り立ちについて、ボーカル石塚淳氏にインタビューを行った。録音などの作成秘話から、前アルバム『12月14日』以降の曲作りについてなど、リスナーはもちろん、プレイヤー目線で聞きたかったことを石塚氏にぶつけてみた。浮かび上がってきたのは「ロック的なもの」と
ひんやりとした室内、古い紙のにおい。私は図書館が大好きだ。 この記事は去る6/10(土)、京都府立図書館で行われたOKAZAKI LOOPS 2017『CALM -NIGHT LIBRARY LIVE-』のレポート記事である。自分を形成した要素ともいえる「図書館」と「ライブ」の融合という、私のためのようなイベントに思えたから、この取材の参加には迷わず挙手をした。あるようでなかった新しい試みといえる図書館ライブ、実際にどんな雰囲気だったかをお伝えしたい。 このイベントは週末の閉館後の時間を利用した、最小限の音響機材と穏やかで美しい音楽を生み出すミュージシャンによる、 図書館のための図書館らしい演奏会。コンセプトは以下の通りだ。 図書館の音を探して 図書館では無音を維持するのが当たり前のこと。 しかし本当にそうでしょうか。 私たちが本を読むとき、音楽は身近に存在します。 本を読むとき、
Weekend in the Kyoto名義で、Homecomingsやベランダなど、数多くの京都のバンドのMVを数多く手掛ける映像クリエイター・篠田知典が、この夏に製作予定の映画『下鴨ボーイズドントクライ』の俳優オーディションを開始した。 今回の映画は、バンドをやっていて、留年が確定している大学生のせいいちと同棲をしている彼女、七瀬の物語で、音楽サークルに所属していたり、ライブハウスに出入りした経験のある人は誰しもが「ウッ……」となるストーリー。なんと今作の企画は、自身の失恋がきっかけということにも驚きだが、大学生活の四年間を京都で過ごし、数多くのミュージシャンと身近で見てきた篠田監督らしい着眼点だとも思える。 またこの作品は2012年から始まった新進気鋭の映画監督とアーティストの掛け合わせによる映画制作企画を具現化する音楽×映画プロジェクト『MOOSIC LAB 2018 』の正式上映
「働きながら音楽活動をする」。 このインパクトあるイベント名、最近見かけた方も多いのではないでしょうか?先日東京で行われたこのイベントのレポート記事がアップされ、瞬く間に大拡散、さまざまな論争がSNS上で繰り広げられていました。 この「働きながら音楽活動をする」というイベントはサラリーマンバンドマンが集まり「どのように働きながら音楽活動」をするかの経験や知見をシェアしたイベント。東京編には鳥居 大氏(ATATA)、小川 保幸氏( DEEPSLAUTER)、上杉 隆史氏(Endzweck)の年間数十本ライブをこなす猛者3名が登壇し、レコーディングや海外ツアー、日々のライブなどをどうやって働きながらこなしているのかをプレゼンしました。イベント終了後の懇親会では名刺交換会になったとか。このイベントを通し、新しいコミュニティが形成された瞬間だったに違いありません。 さて、このイベント一体どんな人が
働きながら音楽活動をすることを考えるトークイベント「働きながらバンドってできるの?」が行われました。登壇者は、鳥居 大氏(ATATA)、小川 保幸氏(DEEPSLAUTER)、上杉 隆史氏(Endzweck)の3名。 好きな音楽を続けたいと思っていても、年齢をリミットにしてアーティスト活動をあきらめたり、行き詰まりを感じでバンドを解散することは少なくありません。それでも、うまく活動を続けられる方法はないのでしょうか? 今回はのトークイベントの中では、バンド活動と仕事の両方で活躍している3名それぞれの経験談やアドバイスとともに、「どうしたらしっかり仕事をしながら上手くバンド活動を続けられるか」を考えていきました。 トークイベントは和やかな雰囲気で行われ、何度も会場に笑いが起こりましたが、登壇した皆様のお話はどれも説得力があるものばかり。 本イベントレポートでは、3名の登壇者それぞれのトーク内
「東京のインディーシーンってどんな感じ?」「かっこいいバンドはいるの?」京都、大阪の音楽シーンを追っ…
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