サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
掃除・片付け
cinemandrake.com
好きですよね?…映画『アメリカン・フィクション』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 原題:American Fiction 製作国:アメリカ(2023年) 日本では劇場未公開:2024年にAmazonで配信 監督:コード・ジェファーソン 人種差別描写 恋愛描写
今回は、何かと反LGBTQや反トランスジェンダーの界隈で話題に持ち上がりやすい「動物を自認する人」について整理しています。 ※この記事は私が個人用に整理していたメモを多少構成を変えて修正して公開するものです。一部内容の専門的な正確さは掲載している出典に依存します(参考文献リストは最下部に記載)。随時、内容を更新することがあります。 LGBTQは「動物を自認する人間」を生み出す!? 「ジェンダー・アイデンティティ(gender identity)」という言葉があります。日本語では「性同一性」や「性自認」と翻訳されたりもします。 ジェンダー・アイデンティティというのは、出生時に割り当てられた性別や、ジェンダー・ロールとして社会が押し付ける性別らしさは一旦に脇に置いて、「私の性別のアイデンティティはこうなのではないか?」と体感に基づいて自分で熟考し辿り着いた「性別/ジェンダー」のことです。 多く
今や陰謀論やデマが大量に氾濫し、インターネット上でも酷いことになっています。そうした陰謀論やデマが差別の扇動に使われることも頻繁にあります。 その情報が「陰謀論やデマ」かどうかの判断基準において、よく「科学的」という言葉が持ち出されます。「これは科学的だから正しい」とか「それは科学的と言えないから正しくない」とか…。確かに「科学」は情報の適正さの判断のひとつの目安になるかもしれません。 しかし、そう迂闊に考えてもいられない現状があります。 そこで無視できない用語となってくるのが「ジャンクサイエンス」という概念です。知っていますか? 科学者でも、一般の人でも、もはや「ジャンクサイエンス」を理解せずにこの情報の大氾濫時代を過ごすことはできません。身近な概念であり、知らなくても生活に接してきます。 今回はこの「ジャンクサイエンス」について整理しています。 ※この記事は私が個人用に整理していたメモ
2023年は「サカバンバスピス」から「トコジラミ」、「バーベンハイマー」まで、さまざまなインターネット・ミームが世間を賑わしました。 2024年も始まって早々にさっそく強烈なインターネット・ミームが登場しています。 ここでは日本ではそれほど有名ではない海外のインターネット・ミームをピックアップして紹介しています。 今回、取り上げるのは「五条悟タンポン事変」です。 この記事には、一部のファンにとっては不快と感じかねない「作品やキャラクターの扱い」に関するセンシティブな内容が含まれています。ご注意ください。 『呪術廻戦』とは? まず『呪術廻戦』の話から始めないといけません。もう知っている人は読み飛ばして構いませんが、知らない人はこれを機にぜひ。 『呪術廻戦』は“芥見下々”による日本の漫画で、2018年から「週刊少年ジャンプ」で本格的に連載が開始されました。 物語は、架空の日本を舞台に、人間の負
2023年に映画に舞い戻った「カラーパープル」 ハリウッドではリメイクやリブートは毎年のように何作も製作され観られます。中には「これ、リメイクする必要ある?」という映画もあります。正直、大手映画企業が自社の有するIP(知的財産)を更新したいだけなんだろうなという下心も透けて見えますが…。 ただ、このタイトルはリメイクされる意義が本当に大きい一作になるだろうなと思います。ほんと、いろいろあったから…。 それが2023年にアメリカで公開された本作『カラーパープル』です。 本作はアフリカ系アメリカ人の著名な作家にしてフェミニストとしても活動実績のある“アリス・ウォーカー”が1982年に執筆した「The Color Purple」を原作としていますが、この小説は“スティーヴン・スピルバーグ”監督によって1985年に『カラーパープル』として映画化されました。 この1985年の『カラーパープル』はアカ
キャサリン・クリンチ、堂々のデビュー作 「場面緘黙(ばめんかんもく)」という言葉を知っていますか? 以前は「選択性緘黙」という用語も使われていたのですが、最近は使用されない傾向にあります(精神神経学雑誌)。 これはたいていは子どもが発症する精神疾患のひとつで「特定の対人的状況(典型的には家庭)では十分な言語能力を発揮するが、他の対人的状況(典型的には学校)では一貫して言葉を話さない」という状態が継続するものです。 そんな精神疾患があるのかと初めて知った人もいると思いますが、実のところ私は子どものとき、この「場面緘黙」を経験しており、がっつりその当事者でした。 勘違いされやすいですが、言語発声能力がないわけではありません。わざと喋ろうとしないわけでもありません。なんというか上手く言葉にできませんが、沈黙の魔法にでもかかったように言葉を発することができません。躊躇なのか圧力を感じているのか、そ
ヨルゴス・ランティモス、どこまでいく? さっそくタイトルから入りましょう。 今回紹介する映画は、私が「2023年の映画ベスト10」の第1位に選んだ作品。アメリカでは2023年12月に一般公開で、日本では2024年1月26日に公開でしたが、東京国際映画祭で一足先にお披露目され、それよりもっと前のヴェネツィア国際映画祭ではコンペティション部門で最高賞の金獅子賞を受賞しました。 それが本作『哀れなるものたち』です。原題は「Poor Things」。 開口一番で話題にしたいのが本作の監督。ええ、この人です。“ヨルゴス・ランティモス”…(ラスボス風の響きで)。私、たぶん、“ヨルゴス・ランティモス”のこと好きなんだろうな…(突然の乙女ゲーム的な告白の呟き)。 「天才」なのか、「奇才」なのか、「変態」なのか、それはわかりません。でもとにかくヘンテコなクリエイターです。 このギリシャ出身の監督の作る映画は
私はまだなんとか頑張ってます… 2023年も終わり。 今年も映画をいろいろ観ました。ストライキしながら鑑賞するのです。 ということで、私、シネマンドレイクが選んだ2023年の映画ベスト10を発表したいと思います。対象は私が今年観た「2023年に劇場公開された or 配信スルーで発売された or 動画配信サービスで配信された新作映画」です。 さらにドラマシリーズのベスト10も発表しています。 ついでに独自の部門別でも選びました。 私が2023年に鑑賞した新作映画の本数は配信も含めると…と、ここでいつもなら視聴作品数をざっくり書くところなのですが、私は今年夏ごろから体調を大幅に悪化させてしまいまして…。例年よりもかなり鑑賞数が少なくなってしまいました。こちらの感想サイトの更新はなんとか継続はしていたのですが…。 バービーみたいに不健康とは無縁の身体になりたい…。 今回はそんな私の2023年のベ
独りは寂しい? むしろ歓迎? 12月って師走というわりには、忘年会とか、クリスマスとか、年末から正月とか、やたらと複数で集まることが多いイベントが並んでいます。何も最後の月にこんなイベントを偏らせなくていいのに…。ひとりでゆっくりすることを好む人間にはちょっとツラい時期だなと毎回思ってるんですが…。 中には「孤独は嫌だ! 自分はあの大勢に囲まれて過ごしたい!」と感情を煮えたぎらせる人もいるかもしれません。いわゆる「モノフォビア(Monophobia)」ってやつですね。独りになることに極端な恐怖や不安を感じ、孤立を避けるためにあらゆる手段を講じようとしてしまったり…。 今回紹介する映画はそんな心境に陥りやすい人にはツラい作品…になるかな? それが本作『Saltburn』です。 この原題そのままが邦題らしいです。「ソルトバーン」じゃないんですね。日本では劇場未公開で「Amazonプライムビデオ
私的制裁は惨劇を生む 2023年11月、日本でネットを騒がせていた「私人逮捕系YouTuber」が逮捕されました(朝日新聞)。 私人逮捕などと当人は主張していますが、実際にやっていることは一方的な暴行やストーキングのような行為で、注目を集めて自己中心的な私利私欲を満たすことしか考えておらず、極めて悪質です。無論、そこには公正さも倫理観も欠片もありません。 こういう「私人逮捕だ!」と図に乗る人は基本的に「自分よりも弱い相手」を選別してターゲットにします。暴力団事務所に乗り込んだりはしません。何が弱者かを理解したうえで、どうせろくに反撃もできないだろうと余裕でいられる相手を狙った意図的な攻撃です。用意周到に練られた加害行為です。 こんな事件をお騒がせニュースのネタとして消費しているだけな日本社会ですが、これは些細な話では済みません。なぜなら歴史的に私的制裁というものは差別や迫害と密接に関わる行
対物性愛の世界 「対物性愛」という言葉を知っていますか? 「オブジェクト・セクシュアリティ」や「オブジェクトフィリア」とも呼ばれたりしています。 世の中には性的指向があり、異性愛や同性愛、両性愛、無性愛(アセクシュアル)などがありますが、これらは基本的に人間を相手にする前提の概念です。こうした「対人」ではなく「対物」を前提とするのが対物性愛で、対物性愛者はモノ(object)に対して性的もしくは恋愛的に惹かれています(性愛や恋愛ではなく他の強い感情的結びつきの場合もあり、実際は当事者それぞれです)。 靴や水などに性的興奮を感じるのは従来からフェティシズムとして扱われてきましたが、対物性愛はそうしたフェティシズムとは別の立ち位置・歴史的経緯でアイデンティティ化したものと言えます。 対物性愛という言葉は1970年代に当事者によって作られた造語であり、1990年代以降にはインターネット上でのコミ
「多様性」や「LGBT」という言葉は、日本でもすっかり知れ渡り、単語として一般化した雰囲気ですが、実際のところ、それらの言葉の意味は正しく理解されているのでしょうか? 正確に理解しないままになんとなく頭に入れてしまっている人もいれば、その不正確な認識に基づいて「反“多様性”」や「反”LGBT”」に傾く人も珍しくありません。「最近、多様性とかLGBTってよく言うけどさ~」と、今の流行りの言葉につい口をはさんでみせてマウントをとる人も見かけますが、たいていは「多様性」や「LGBT」の意味を適切に理解していません。 それでも学習の機会は乏しく、不正確な情報が拡散されやすいネットの特性も悪化の原因となり、「反“多様性”」や「反”LGBT”」にまつわる言説は増すばかりです。 そこでこの記事では「反“多様性”」や「反”LGBT”」で使われやすいレトリックを整理することにします。 ※この記事は私が個人用
1945年、戦争が終わった日本の焼き払われた街に敷島浩一は戻ってきた。戦禍によって両親を失い、帰る家もなくなり、意気消沈する中、彷徨うように生きる。そんなとき、同じく居場所のない大石典子と出会い、共に一緒の屋根の下で暮らすことになり、少しばかりの生きがいが見つかる。しかし、それは突然やってくる。敷島浩一の過去に深い爪痕を残しているあの巨大な生物が…。
それはこれからわかる…映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 原題:Killers of the Flower Moon 製作国:アメリカ(2023年) 日本公開日:2023年10月20日 監督:マーティン・スコセッシ 人種差別描写 恋愛描写
和風「シンデレラ・ストーリー」 親や家庭が子どもの人生を抑圧して縛り上げ支配する…そんなことは昔の慣習のように思えますが、今もそんな状況はあちこちにあるようです。 とくにここ最近は「親の権利(parental rights)」なるものを主張する大人が出現しています。 近年急速に湧いている「親の権利」支持者の源流にあるのは、もともとは「反ワクチン」で、たとえ子ども自身が健康のためにワクチンを打つことを望んでいようとも、反ワクチンの親がそうさせないという問題があり、その反ワクチンの親が「子どもにワクチンを打たせないのは親の権利だ!」と言い切っているわけです。コロナ禍が収束し始めるとターゲットを変え、今度はLGBTQや人種差別歴史教育に反発するようになり、「子どもにLGBTQを教えたくない! これは親の権利です!」と学校教育に介入することで、今、アメリカでは大問題になっています(Xtra Mag
ケネス・ブラナーのポアロ映画第3弾…映画『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。
あの人気レースゲームを題材に 運転免許を持っている人ならわかると思いますが、自動車教習所には車の運転を体験できるシミュレーターがあり、講習の中でそれを利用する機会があります。ゲームセンターにあるような座席とハンドルがついていて、アクセルやブレーキペダルもあるので、実際の車とそっくりです。 と言っても、あくまで運転操作の基礎を覚えるためのものなので、そんなに超リアルなシミュレーションはできません。シミュレーターを利用するくらいなら普通に実物の車を運転してみるほうが手っ取り早く学べますからね。 しかし、今では自分の家でものすごいハイテクなドライビング・シミュレーター・ゲームをプレイできる時代です。 そのゲーム・ジャンルで先頭を爆走してきたタイトルと言えば「グランツーリスモ」でした。 「グランツーリスモ」は1997年に「PlayStation」で1作目が発売され、以降、大人気となってシリーズ化し
この監督は今度は何を見せてくれる? あなたにとって自分の家に侵入してほしくない最も嫌な存在は何ですか? まあ、どんな何であれ、自宅に侵入されるのは嫌ですけど…。愚問でしたね…。 家に侵入する…と言えば、やっぱり犯罪者でしょうか。とくに家に押し入る主要な犯罪が強盗。アメリカでは年間165万軒の家が強盗の被害に遭っているそうです。これは30秒に1件というものすごい発生率です。日本では2022年は1万5692件もの侵入強盗が認知されています。ただ、アメリカも日本もこれでも強盗件数は減少傾向にあります。 他に家に侵入して嫌なのは…虫とか? 虫嫌いでなくても自分の部屋に虫が平然とウロウロしていたら気になる人も少なくないはずです。なんか2023年の夏は長期間で暑かったせいか、虫の活動がそんなに活発ではなかった気もするけど…。今年はいつものクモ以外には、トンボくらいしかびっくりする侵入はなかったな…。
LGBTQ(セクシュアル・マイノリティ)は映画にはどれくらい描かれてきたのか? それに関心がある人にとって、必見のレポートが毎年公開されています。「GLAAD」による「Studio Responsibility Index(SRI)」です。 しかし、英語で公表されている90ページ近い大ボリュームのレポートで、かつ日本のメディアはあまり報道しないので、映画ファンの間でも認知度は低いです。 そこで今回はこの「GLAAD」による「Studio Responsibility Index」について、2022年の概要を日本語で私なりにまとめて紹介することにします。あくまで概要なので詳細は実際の「Studio Responsibility Index」を確認してください(ネット上で公表されています)。 「GLAAD」とは? まず「GLAAD」が何なのか知らない人のために簡単に説明します。 「GLAAD」
差別主義は何気ない会話から 「差別主義」という言葉は主に「何かしらの対象を差別することに根差した立場を持つこと。もしくはその立場そのもの」を意味します。 どうしても「差別主義」と書くと妙に仰々しく見えるので、自分には全然関係ない話に思えてしまいますが、こうした差別主義は案外と身近にあります。 世の中には差別主義的な団体が無数に存在し、活動を続けています。それらの多くは特殊なものでもなく、とても平凡です。所属する人たちの多くも、会社員、個人事業主、主婦/主夫、学生など、どこにでもいるような顔触れです。まるで趣味の同好会のようなアットホームさで運営がされています。 そして差別主義的な団体に属している人たちの多くは、軽い世間話と仲間欲しさに集うことから始まります。「最近の多様性? あれってちょっと行き過ぎだよね~」「そうそう、私もそう思ってた」…そんな何気ないトーク。それは憂さ晴らしになり、なん
YRFスパイ・ユニバースの本格稼働 ハリウッドでは「スパイアクション」のジャンルは映画界では大人気です。派手で大掛かりな見せ場、駆け引きによるサスペンス、間に挟まれるロマンス…いろいろなエンターテインメント要素を詰め込みまくれるので、うってつけなんでしょう。 それはインドでも同じようです。 インド映画界もスパイアクションは盛り上がっており、大ヒットした大作もいくつもありました。 そんな中、ついにこんなところまで到達してしまいました。 その象徴となった映画が『PATHAAN パターン』です。 『PATHAAN パターン』は2023年公開のインド映画ですが、現時点でインドの歴代国内興収ランキングで4位につけています。 この映画の特筆すべき点はその展開です。単純に続編を重ねるシリーズもののスパイアクション映画はインドでも普通にありましたが、今作はシェアード・ユニバースなのです。つまり、複数の作品
天下統一を果たして勢いに乗る豊臣秀吉は次の狙いを明国に定め、その足がかりとして朝鮮半島に出兵する。豊臣秀吉の下で「賤ヶ岳の七本槍」の1人として名を馳せた勇猛果敢な武将・脇坂安治率いる大軍を迎え撃つのは、朝鮮水軍の冷静沈着な将軍イ・スンシン。互いの戦略を見定め、その対抗策を練るという入念な準備が進められつつ、武将たちは自軍内の政治的駆け引きに翻弄されながらも、決戦の時を迎える。
2023年、ブギーマンが映画館を訪問 あなたの家には「あれ、閉めたはずなのに、開いちゃってるぞ?」というドアはありませんか? 一回ガチャリと閉めても、閉まった状態を保持せず、すぐにカチャっとドアが開いてしまう。これは心霊現象…ではなく、ドアの調整が必要なだけです。 ドアには「ラッチ」という部分があって、そこをドライバーで調整すると開き戸が完全に閉まるようになります。ドアは使っているうちにだんだんと調整が要るほどにズレてくるんですね。私の家の部屋のドアもそうなりました(ちゃんと簡単に直りました)。場合によっては丁番の調整がさらに必要になるケースもあります。一度それぞれの自分の家のドアをチェックしてみてください。 でも今回紹介する映画にでてくるドアは、ちょっと小手先の道具で修正するだけではどうにもならないレベルの話です。 それが本作『ブギーマン』。 少し誤解のないように説明しておくと、『ブギー
世にも奇妙すぎる「三匹の子豚」 「三匹の子豚」という民間伝承の”おとぎ話”があります。日本でも有名ですね。 3匹の子ブタがそれぞれ自分の家を建てることになり、1匹は藁で、もう1匹は木枝で、もう1匹はレンガで家を建てますが、藁と木枝の家はオオカミに吹き飛ばされてしまい、レンガの家の子ブタだけが助かる…だいたいはそんな話。 イギリスの文学研究者である“ジェームズ・ハリウェル=フィリップス”が1886年頃に集めた童謡の中にこの「三匹の子豚」が登場したのが初と言われています。 初期の物語では、レンガの家を作った子ブタは最終的に煙突から入ろうとしたオオカミを待ち構えて茹でてしまい、そのオオカミを逆に食べる…というかなりショッキングなラストになっています。1933年のディズニーによるアニメーション映画『シリー・シンフォニー』の1話『三匹の子ぶた』でさらに一般に知られるようになった際は、もっとラストが温
紫キャンディバーは進化の味…映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 原題:Crimes of the Future 製作国:カナダ・ギリシャ(2022年) 日本公開日:2023年8月18日 監督:デヴィッド・クローネンバーグ 児童虐待描写 性描写 恋愛描写
とらんすじぇんだーとはりうっど 『トランスジェンダーとハリウッド 過去、現在、そして』あらすじ トランスジェンダーが映画、ドラマ、番組など映像メディアでいかに描かれてきたのか。その歴史は映画黎明期までに遡り、その時点から大きな問題を孕んでいた。その偏見を肌で実感してきて、現在において第一線で活躍するトランスジェンダーを代表するオピニオンリーダーやクリエイターらが分析し、それぞれの思いを語る。そこから聞こえてくるのは「私はここにいる」という率直な声。 『トランスジェンダーとハリウッド 過去、現在、そして』感想(ネタバレなし) 映画を観るあなたには罪があるかもしれない 映画が何かしらの理由で批判にさらされたとき、「映画に罪はない」という言い回しでその批判の空気を吹き飛ばそうとする人がいます。私はこの「映画に罪はない」という言い方が嫌いで、というのもその論調は典型的なトーン・ポリシング(論点のす
性別って何なんだろう?…ドキュメンタリー映画『ジェンダー革命』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 原題:Gender Revolution: A Journey with Katie Couric 製作国:アメリカ(2017年) 日本では劇場未公開:2021年にDisney+で配信 製作:ケイティ・クーリック ほか じぇんだーかくめい 『ジェンダー革命』あらすじ 女性と男性。性別はこの2種類。生殖器で決まる。本当にそうだろうか。性別というものは実はとても奥が深く、表面からはわからない知られざる世界が広がっている。今、この性別という概念が揺れている。生まれたときに判断された性別に疑問を持つ人、性別を変えるべく手術を受ける人、そして男女の二元論に縛られたくないと宣言する人。生物学的な性や性同一性(ジェンダー・アイデンティティ)をめぐる議論を多くの当事者
バービーをフェミニズムSFに 1959年、アメリカの「マテル社」から、ある着せ替え人形が発売されます。 「バービー(Barbie)」です。 着せ替え人形(ファッションドール)という代物自体は16世紀から存在していたようですが、アメリカであれば“ベアトリス・アレクサンダー”が創業した人形会社がその開拓をしました。 そんな中、忽然と生み出された「バービー」。数ある人形の山に埋もれるだけだと思いきや、そのファッショナブルなスタイルと極端にスレンダーなボディ・プロポーションが当時は新鮮で、爆発的に大ヒットしていきます。 日本ではタカラトミー(旧:タカラ)製の着せ替え人形「リカちゃん」が後発で人気となったので、あまり「バービー」が席捲した印象は薄いですが、世界的にはその影響力は強烈でした。着せ替え人形と言えば「バービー」…それくらいの方程式を築き上げます。 「バービー」はオモチャの枠にとどまらず、C
宗教アニメ…ですよね? 日本人は宗教に無関心だと言われがちですが、その人の関心がどうであれ、日本社会は想像以上に宗教の影響があちこちにあります。なのにそれを「宗教」と認識することがあまりないような…。やっぱり日本人は単に宗教“音痴”みたいなものなんでしょうか。それとも宗教を暗黙のうちにタブー視しているのでしょうか。 例えば、アメリカの映画などの作品を観ていると、キリスト教の影響を感じさせるものは珍しくなく、それを指摘しながら「これは“宗教”的な作品だ」と言及する日本人は普通にいます。 でも自国の作品に対して「これは“宗教”的な作品だ」とはなかなか言っている人は見かけません。カルトとかを直接題材にでもしていない限り、“宗教”的な作品ということにならなかったり…。それってちょっと変だなと思います。日本の作品でも仏教や神道を土台にしている作品が結構たくさんあるんですけどね。 日本人はどうも宗教を
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『シネマンドレイク:映画感想&レビュー』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く