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大谷翔平
eaglegoto.hatenablog.com
『昭和レトロなジャズ喫茶論』 集英社クオータリーから刊行された 「コトバ」56 に掲載された、菊地成孔さんの記事「ジャズ喫茶の文化論」を読んで思わず笑ってしまいました。いかにも菊地さんらしい諧謔味に富んだジャズ喫茶論なのですね。 なにしろタイトルが刺激的、「なぜ、ジャズ喫茶はコーヒーがまずいのか?」~あるいは、修行場のパワハラとモラハラ~というのですから、これはジャズファンはもちろん、ジャズ喫茶店主だって思わず手にとって読まざるを得ません。 しかしよく読んでみると、菊地さんが語るコーヒーもフードもみんなまずかった「イーストコースト」という店の話は、今から半世紀も昔のこと。また、「80年代においてもとにかく一貫していたのはコーヒーがまずかった」とも発言していらっしゃるが、これとてもう40年も昔の話なのですね。 それももっともで、「90年代にプレイヤーとして「新宿ピットイン」とかに出演するよう
【BRUTUS】が面白い! 今ジャズが「来て」いるようですね。『文学界』に続いて『BRUTUS』まで素敵なジャズ特集を出すとは! この状況、だいぶ前から予感はありました。いささか手前味噌ですが、私が監修した小学館のCD付ムック『JAZZ 100年』シリーズは総計118巻、累積販売280万部という異例のヒット。現在新星堂さんから出していただいているコンピレーションCDシリーズ『四谷いーぐるが選ぶジャズ喫茶のジャズ』はおかげさまで現在8巻を数え、また、つい最近私が監修させていただいた『ゼロから分かる!ジャズ入門』(世界文化社)も、発売わずか2ヵ月で重版となりました。 海外に目を移せば、従来日本独自と言われて来た「ジャズ喫茶」が諸外国の熱心なオーディオ・マニアの眼にとまり、すでにアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど、世界各地に吟味されたオーディオ装置でじっくりジャズを聴くという、日本の「ジャズ喫茶」
【支援グッズ、ご購入のお願い】 まさかと思われる方もおいでかと思いますが、52年続いた老舗ジャズ喫茶「いーぐる」も、コロナによる影響で存続の危機に立たされております。2月ごろから下降線をたどって来た売り上げも、4月に入って出された「緊急事態宣言」を受け、週末の臨時休業、営業時間の短縮を実施した結果、8割減と大幅に減少し、スタッフへの給与、家賃支払いにも事欠く危機的状況となっております。 こうした事態を受け、スタッフ一同の発案により、いーぐるのロゴ入りTシャツ、パーカー、キャップ、そして「いーぐる50周年」の際制作した私家版冊子『いーぐるに花束を』、店主の最新刊『一生モノのジャズ・ヴォーカル名盤500』(小学館新書)などを、ネットhttps://jazzeagle.base.shopにて予約販売を開始いたしました。 全国のジャズ喫茶ファンのみなさま、日本独自のジャズ喫茶文化を続けさせていただ
【「50年のジャズ・アルバム・ベスト100」が面白い】 現在発売中の『ミュージック・マガジン』に「50年のジャズ・アルバム・ベスト100」という記事が掲載され、各方面から話題を呼んでいるようです。この企画は、37人の音楽関係者が1969年以降2019年に至る、50年間に限定したジャズ・アルバム・ベスト30枚を選出し、それを編集部が集計しベスト100を選出したものです。そしてその結果について村井康司さんと柳楽光隆さんがたいへん興味深い対談を行っています。 選出された「ベスト100」や対談は『ミュージック・マガジン』をご覧いただくとして、たまたま私もその元となるベスト30選出に参加しているので、私のセレクトをご紹介しつつ、選定結果、選定過程に対して感想を述べてみます。なお冒頭の数字は私の順位で、アルバムの後ろの数字は「ベスト100」の順位を表しています。 後藤雅洋の選んだ1969~2019「ジ
【「ジャズ評論」についての雑感~その4(番外編)】 ツイッターは観ているだけですが、最近ジャズを巡る面白い騒ぎがありました。柳楽光隆さんに初対面のさる音楽関係者が「ジャズは終わった」と否定的なコメントを発し、柳楽さんがおおいに憤慨しているようです。常識的に考えて、初対面で相手の専門領域のジャンル自体を否定的に捉えること自体、失礼であることがわからないはずがなく、明らかにこれは挑発ですね。 こうしたやり取りに対し、友人の音楽評論家、村井康司さんがツイッターで実に適切な評価を下しています。村井さんは 「ベテランのジャズ・ファン、それも音楽業界にずっといた方にも、ジャズは死んだとか今のところジャズは駄目だ、と言う人はけっこういますけどね。そういう人はどこかで新しいものを聴かなくなっているだけなんだけど、そういう意見を聞きかじりでリピートしてる感じがします。」 とコメントしていますが、まさに同感。
今ネットで話題の柳楽光隆さんの「スピリチュアル・ジャズって何?」という記事を読んだhttps://note.mu/elis_ragina/n/n17f9a89aeae0。非常に役に立った。カマシ・ワシントンの『The Epic』(Brainfeeder)が登場したとき、「スピリチュアル・ジャズ」に結び付けて解説した記事を読んだ記憶があるが、当時は「?」という印象が先に立った。 というのも、1967年以来ジャズ喫茶の現場で様々な新譜を見聞きした経験で言うと、この言葉が指しているらしい70年代以降のある種のムーヴメントに対し、当時「スピリチュアル・ジャズ」という呼称は一般化してはいなかったからだ。 しかし今回の柳楽さんの記事で、この呼び名が「後から付けられた名称」であると知り、なるほどと納得したのだった。こんな些細なことでも、それを明確に指摘している文章に出会ったのは初めてだった。つまり、カマ
10月1日(月曜日) 【“JAZZ 100年”パート4『JAZZ 絶対名曲コレクション』創刊のご挨拶】 今から4年前、2014年4月から小学館隔週刊CD付きマガジン『JAZZ 100年』全26巻の監修を担当し、翌2015年4月よりはシリーズ・パート2『ジャズの巨人』全26巻、そして2016年5月に始まったパート3『ジャズ・ヴォーカル・コレクション』は、当初1年間26巻の予定が好評につき、2年に渡る全52巻もの刊行となりました。これら「JAZZ 100年シリーズ」は合計104巻、累積販売実績は何と二百数十万部を超えるジャズ本としては異例の大ヒットとなりました。 ちなみにこれらはすべてCD付きですから、同時にジャズのCDが二百数十万枚以上売れたことになります。出版不況、CD販売不振と言われている折、これは明るい話題だと思います。 しかしジャズ・シーンの現況を知っている方なら、さほど驚かれること
10月18日(土) 北中正和さんのお名前はもちろんずいぶん昔から存じ上げてていたけど、まさか「いーぐる」で講演をお願いできるとは思わなかった。きっかけは、このところよく顔を出すようになった渋谷の知る人ぞ知る隠れ家音楽スポット、Li-Poでの打ち上げの席で親しくお話しさせていただいたことから始まる。私は、とにかく北中さんが最近関心のあるテーマでなにかお話してくださいとお願いしたところ、今日の「ワールド・ミュージックのゆくえ」となったわけだ。 大成功です。私が内心望んでいたことがすべてかなった。つまり、個人的におおいに関心があるのだけど、あまりにも中身が膨大で全体像が掴みがたいワールド・ミュージックの現在について、極めて的確なガイドが示されたのだ。 まず冒頭、youtube でモリ・カンテやジプシー・キングスなど、1980年代後半から起こった、いわゆる「ワールド・ミュージック」の概観を極めてわ
think. 33 【カニエ・ウェストを巡る、原雅明さんとの酒席での“雑談”】 前回think. 32を書いたのが2010年11月22日、しかも「この項、未完」となっている。完全に1年以上ほったらかしだ。まあ、同年12月にNTT出版から上梓した『ジャズ耳の鍛え方』が、「その続き」あるいは、「とりあえずの私の考え」を表明しているというのが、当時(1年前)の漠然とした気分だったのだろう。 もちろん一般向きの図書だからややこしい話は抜きにしてあるので、think32以来の懸案である「主知主義批判」の根源的解答などになりえていないのはやむを得ない(と言うか、そうした本質的問題に確固たる答を出す能力など、今の私は持ち合わせていない。ただ考え続けるのみだ)。 また、たまたまではあるけれど、今年は中山康樹さん主導によるヒップホップの連続講演や、“音楽夜噺”主宰、関口義人さんと共同でイヴェント『ジャズとワ
1月29日(火) 昨日の八田さんの意見にあった「世代の問題」という視点は、本質的なところを突いた指摘だと思う。私としては、この世代論と同時に、清水さんの「読みにくい」文体論についても「1.26」でもう少し議論したかった。 私の考えでは、清水氏(1927年生まれ)の剽窃問題は、文化輸入国日本の宿命だと思う。明治開国以来、洋楽は言うに及ばず美術、文学、演劇などすべて西欧から輸入した日本は、それらについて知ろうと思えば海外の文献に頼らざるを得なかった。 この風潮は60年代、70年代になっても続き、やれマクルーハンだボードリヤールだといった連中の言ったことを、さも自分が考え出したようにして本にすることが当たり前に行われていた。そして読みにくい翻訳より、それを噛み砕いた「実用書」が歓迎されもした。清水さんがものを書き始めたのはこういう時代だった。 もっとも清水さんの文章は決して読みやすくはない。だか
1月26日(土) 今日の連続講演は、故人の剽窃事件を扱う非常に深刻なテーマなので、いささか気が重い。いずれウエブ・マガジン「JAZZ TOKYO」に経過報告をする予定になっているが、とりあえずメモ的に書いてみる。 1月26日土曜日、午後3時30分からおこなわれた第350回いーぐる連続講演は、「ジャズ・ジャーナリズムの現状を考える」の第2回目として、中山康樹氏の提案による「オスカー・ピーターソンは誰のために《テリーズ・チューン》を書いたのか」というテーマで、会場参加者との質疑応答も含めたシンポジウム形式でおこなわれた。壇上には中山康樹氏、村井康司氏、そして私の3人が上がった。当日の参加者総数はわれわれ3人を含め40名。 冒頭、中山氏による今日の討議の趣旨説明がおこなわれた。要約すると、昨年亡くなられた詩人、評論家、清水俊彦氏が剽窃を行なったこと、また、故植草甚一氏のサインと酷似したサインを清
8月17日(金) 山下邦彦さんから電話、5年越しの大著「坂本龍一論(仮題、というか、私が勝手にそう思っている)」が脱稿したので会いたいという。ついては村井康司さんにもお目にかかりたいというので、村井さんに連絡しつつ、夜、店に向かう。 Y社長がいたので、株暴落など世俗の話題をするうち、偶然にも山下さんと村井さんたちが同時に来店。聞くと、偶然にも新宿駅で会ったという。これも奇遇か。 さっそく山下さんの最新著作の話題になり、彼は貴重な資料を持参し坂本龍一の音楽について精密な議論を展開する。私は楽典には疎いのでフムフムと言いつつ、要するに山下さんの仕事は、坂本龍一であるとかキース・ジャレット、ジョー・ザヴィヌルといった優れた音楽的才能の持ち主の音楽を精密に、そして彼一流の「解釈」に基づいて分析することによって、彼らの音楽の感動の秘密を探ろうとしているのだと理解した。いってみれば帰納的作業である。そ
【いーぐる 連続講演】 第701回 10月7日(土曜日)15:30より 参加費無料・飲食代金のみ 『四谷いーぐるが選ぶ“ジャズ喫茶のジャズ”』第12弾 「ジャズ喫茶で聴く魅惑のレジェンドたち」 発売記念イベント ~新星堂とのコラボ企画による、初のジャズ喫茶発コンピレーション・シリーズ~ 「いーぐる」店主後藤雅洋が、半世紀を超えるジャズ喫茶レコード係の経験を活かし、あなたのリスニング・ルームをジャズ喫茶に変える、初の“ジャズ喫茶コンピCD”第12弾発売記念イヴェントです。 シリーズ第12弾は、普段あまり触れるチャンスのない、ルイ・アームストロング、デューク・エリントン、カウント・ベイシー、レスター・ヤング、コールマン・ホーキンスといったジャズ史上のレジェンドたちの名演をお送りいたします。 店主最新刊『ジャズ喫茶いーぐるの現代ジャズ入門』(シンコーミュージック刊)では、カマシ・ワシントン、ロバ
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