『プレイバック』レイモンド・チャンドラー 田口俊樹/訳 東京創元社[創元推理文庫] 2024.07.08読了 チャンドラー氏が亡くなる前年に刊行された遺稿となる小説である。フィリップ・マーロウのシリーズとしては7作目で最後の作品だ。田口俊樹さんが訳された『長い別れ』がなかなか良かったので、新訳で出ていたこちらを読んだ。 マーロウは、ある弁護士から1人の女性の居所を突き止めて欲しいと依頼を受けた。目的は知らされるままに尾行をするが、彼女には何かあやしい、腑に落ちないところがある。そもそも、この依頼の目的は何なのか。マーロウは依頼の枠に留まらず、探偵の血が騒ぎ(プラスいつものごとく魅力的な女性に惹かれて)、直接関わりを持ってしまうのだ。 あまりにもキザすぎて、恥ずかしくて隠れたくなる…。それなのに、マーロウのカッコ良さは何なんだろう。イメージでは007のボンドを演じたダニエル・クレイグなんだけ