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東京・銀座の「ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)」で「YOSHIROTTEN Radial Graphics Bio ヨシロットン 拡張するグラフィック」展が開催されている。グラフィックデザインを起点に平面のみならず映像、立体と様々なクライアントワーク、作品制作で縦横無尽に活躍するYOSHIROTTENの過去から現在までを一望できる展示だ。しかもgggで400回目となる記念の回。 数々の有名グラフィックデザイナーがプレゼンテーションしてきた老舗ギャラリーでYOSHIROTTENは何を見せたのか?デザインのクリエイションに迫った。 写真=五十嵐拓也 文=倉田佳子 ―gggでの記念すべき400回目の展示として個展開催おめでとうございます。 いつ頃にお話があったのでしょうか? 1年半ほど前です。2018年にgggで開催した、山口はるみさんの個展「HARUMI YAMAGUCHI × YO
IMA Magazineの他、若手写真家の作品や作品集を販売中。会員登録で5%OFFでお買い求めいただけます。 IMA 2024 Autumn/Winter Vol.42 2024年10月29日発売 ネルホル、潜在する記憶 千葉市美術館で個展「水平線を捲る」を開催したアーティストデュオ・ネルホル。彼らは写真を重ねて積み上げ、それを彫ることで、本来一枚の写真からは溢れ落ちてしまう時間や記憶、さらには背景にある歴史や社会的背景を浮き上がらせていく。ネルホルが描く波立つ水面のように歪むイメージは、複雑で単一的ではないこの世界のメタファーのようだ。肖像写真、帰化植物、韓国や別府で展開されたフィールドワークからパブリックドメインの写真素材まで、被写体となるテーマや素材を拡張させながら、紙との深い関わりを軸に我々に写真の新たな可能性を提示するネルホル。彼らはどこから来て、これからどこへ向かうのか。17
IMA Magazineの他、若手写真家の作品や作品集を販売中。会員登録で5%OFFでお買い求めいただけます。 IMA 2023 Autumn/Winter Vol.40 2023年10月29日発売 ホンマタカシの現在地 ホンマタカシの写真は、1990年代からずっと私たちの身近に存在している。スクラップ・アンド・ビルドを繰り返す東京のまち、押し寄せては引き返す海の波、森の中に生えるキノコ、どれも一見いつも変わらないようで、実は常に変化しているものに目を向ける。 彼は一回の撮影で、数回しかシャッターを押さない。彼は、自分の写真がメディアによって変わるのをよしとする。彼は平気で嘘をつく。写真の嘘が真実に見えることを楽しむ。ホンマの写真は常に流れているのだ。「回顧とか総括みたいなの、やなんだよね」。権威的な予定調和を厭う写真家のそんな言葉から始まったこの特集は、ここ数年の作品と日記と他者との対話
東京都現代美術館で開催中の「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」展。展示を見ていると、時代を作り先導した一人のクリエイターの熱を帯びた仕事に圧倒される。評判が評判を呼び、現在、一目見ておこうという人々が終了目前となって駆け込みで列をなしているという。広告やエディトリアルのグラフィックデザインから舞台や映画の衣装や美術のデザインまで多彩なジャンルで活躍した石岡だが、IMAでは「写真」を切り口にアートディレクターとして活躍した初期の仕事にスポットを当てて、広告写真を中心に、戦友ともいえる写真家たちと共に築き上げたその偉業を振り返った。展覧会を鑑賞した人も、見逃した人も、作品に隠されたエピソードを知れば、石岡作品と彼女が駆け抜けた熱い時代に、一層の理解が深まるはずだ。 文=鈴木芳雄 写真=白井晴幸 巨匠写真家アーヴィング・ペン(1917~2009)のプリントが見られるとは思わなかった。マ
―最新作の『The Good Side』について聞かせてください。ご自分の新婚旅行をおさめた写真集。フランスからの出版ですね。 この写真集は、海外流通ということもあり、僕のことをほとんど知らない人たちがどう見てくれるのかという意識が強かったです。そして、自分自身で内容を構成すると、やはり「写真」というよりも「思い出」としての湿度が前面に出た構成になってしまって、感情表現の印象が強くなり、コンセプトが読み取りづらくなる。なので、誰か自分以外の人に「写真集」として、冷静に構成してもらいたくて、オランダのデザイナー、Kummer & Hermannにお願いしました。この旅では5カ国へ足を伸ばしたのですが、写真集では、ページごとに場所が入り混じっています。ロンドンとパリ、ストックホルムが混在していたり。つまり時系列の記録ではなく、5カ国全体を1つの旅として再構築してもらいました。加えて、べた焼きも
(左)Grand Canyon from Yavapai Point, Bright Angel Canyon, Grand Canyon National Park, Arizona, 1942 by Ansel Adams © Ansel Adams Publishing Rights Trust/CORBIS/amanaimages(右)Canyon de Chelly National Monument, Arizona, 1942 by Ansel Adams © Ansel Adams Publishing Rights Trust/CORBIS/amanaimages 「大自然の記念碑的美しさに魅入られたアダムスは、彼自身、環境論者たちには記念碑のごとくにみなされ、写真家たちには我が国の代表として崇められている。彼の深い洞察と不屈の精神によって、アメリカの大部分が、未来のアメ
ギャラリスト、学者、企業などの取材を通じ、経済的視点からアートの新たな役割を考察する新連載「アートと経済」。第1回は組織開発・人材育成の専門家であり、作家としても知られる山口周を迎えた。いま、世界のビジネスエリートたちは美術館のギャラリートークなどに積極的に参加し「美意識」を鍛えているという。しかし、それは「このアートが美しいと思える感性」を得ようとしているのではない。自分の中に湧き上がる感覚を正確にとらえようと努めているのだ。 文=加瀬友重 写真=山口賢一(REALROCKDESIGN) ―経済、あるいはビジネスという観点からアートをとらえてみようという企画です。そもそも、アートとビジネスはどういう関わり方をしてきたのでしょうか。 例えばレオナルド・ダ・ヴィンチというと、アートのど真ん中に位置する人のように思われています。しかしながら彼が活躍した16世紀末ごろは、アーティストはいまでいう
自分のことを世界に知らしめたい。そう話した宮崎いず美の顔には一抹の野心もない。そこにはただ、深く沈み込むような自問があり、世界を淡白に見つめる落ち着いた佇まいがあった。ほんの少しの皮肉とともに——。「シュール」「キュート」「ユーモラスでポップ」。Tumblrで発表した写真が国内外で大反響を呼び、一躍アートフォトシーンの第一線に躍り出た宮崎。しかしそんなシーンの評価とは打って変わって、彼女は別の地平を見つめていた。ミレニアル世代の新鋭が模索する写真表現とは?作品の「本当の意味」について彼女自身が語った。 インタヴュー・構成=若山満大 ―宮崎さんが写真を始めたきっかけについて教えてください。 写真を始めたきっかけは高校の部活でした。その後武蔵野美術大学の映像学科に進んで、映像と写真を学びました。 ―映像と写真の両方を学ばれた中で、写真を選んだのは? 映像は集団制作が基本で、一人で作るには限界が
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