例えば、とあるきっかけで素敵な人(容姿に関して)に出会い、話してみるとその内面にも惹かれ、いつの間にかその人のことしか考えられなくなる。一目惚れとは大体そんな感じであり、それは書店で本を買うときなんかにも起こり得る。少なくとも私はそういう体験をした。 「亡命ロシア料理」。シンプルながらもインパクトがあるタイトルで、何が書かれているのか興味をそそる。表紙には、美味しそうというよりは何をどう調理したのか全く分からない、異国感の強い料理の写真が4つ並んでいる。我慢できずにページを捲る。 目次には、 お茶はウォッカじゃない、たくさんは飲めない 帰れ、鶏肉へ! 100%人生ジュース キノコの形而上学 クルコヴィの木で絞首刑! なまけ者のためのペリメニ 女性解放ボルシチ 気付けば足はレジへ。 そんな経緯で数年前に出会い、いまだに愛読している「亡命ロシア料理」について、改めてその魅力を紹介したいと思う。