人間活動が原因の気候変動で、世界中の氷河が消滅の危機にある。融解が進むのは氷河だけはない。永久凍土の融解は既に生態系だけでなく、人間の暮らし、生命にも影響を及ぼし始めている。 関連記事 スイス氷河が消失の危機 温暖化の影響、過去85年で半減と推定 世界各地で前例ない氷河融解 海面上昇がもたらす「破滅的事態」 永久凍土が解ければメタン放出 「永久凍土の縮小は温暖化を更に加速させる危険性も抱えている」。スイス・チューリヒ大のガブリエラ・シュープマン・ストラブ准教授は、シベリアを主なフィールドに、地球温暖化が北極圏の生態系に及ぼす影響などについて調査研究している。 永久凍土とは、2年以上にわたって0度以下で凍った状態が続く土壌や地盤を指す。アラスカやシベリア、モンゴル北部など北半球の陸地の約25%が永久凍土で、温暖化で融解が進むと、地形変化などで周辺に住む人々の暮らしや生態系に重大な影響が及ぶ。