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2003年に打ち上げられ、2004年に火星に到着、火星表面で活動を続けてきたローバー「オポチュニティ」が、ミッションを終了しました。当初の90日という予定を大幅に超える、約15年間にわたる活動を終えることになりました。 マーズ・エクスプロレーション・ローバーのうちの1台「オポチュニティ」。もう1台のローバー「スピリット」も同じ形。 (Photo: NASA/JPL-Caltech) オポチュニティは、昨年(2018年)6月10日より、地球との交信ができない状態となっていました。当時、火星では全球を覆う激しい砂嵐が発生しており、その影響を受けて太陽電池の発電量が低下、そのままローバーの機能が回復できない状態に陥った可能性があります。 上のローバーの絵をみるとわかりますが、テーブルのように水平に設置されている太陽電池は砂が上にたまりやすい構造です。90日のミッションを想定していたのでこれでも十
実は、太陽系全体で眺めると、必ずしも丸い天体ばかりではないのです。 下の図は、日本の小惑星探査機「はやぶさ」がとらえた、小惑星「イトカワ」です。大きさがさしわたし約540メートルの天体ですが、ごらんの通り、球形とはほど遠い、ラッコというか枝豆というか、ちょっと変わった形の天体であることがわかります。 ほかにも、私たちが知っている小惑星の中には、球形ではなく、不規則な形をした天体が多数あります。 小惑星ばかりではありません。衛星などの中にも球形ではないものがあります。火星の衛星フォボスとデイモス、土星の衛星などにも、球形ではないものがあります。 このように、球形ではない天体には1つの共通点があります。いずれも小さいということです。 天体は、太陽系を漂っている岩のかけらなどが少しずつ集まってできたと考えられています。物質には重力があります。物質が集まってくると、それ自体が重力を持ち、内部(重心
月のエネルギー源として、ヘリウム3というものを聞いたことがありますが、これはどのようなもので、どのようにして使うのでしょうか? ヘリウム3(「ヘリウム・さん」あるいは「ヘリウム・スリー」と呼ぶことが多いようです)は、ヘリウムという元素の中で、ちょっとだけ中身が違うもの(同位体元素)です。 ヘリウムは、元素の中では水素に次いで軽いもので、原子番号は2番でこれまた水素の次です。地球上にはあまりありませんが、例えば風船の中に入っていたり、吸うと声が変わるガスとして、皆さんにもなじみがあるかと思います。 ヘリウムは地球にはあまりないですが、太陽の中にはたくさんあります。そもそも、ヘリウムというのはギリシャ神話の太陽神「ヘリオス」にちなんで名付けられています。このヘリウムは、太陽の中で水素が核融合反応を起こしてできたものです。 核融合反応とはなんでしょうか? 太陽は地球の33万倍もの体積を持っている
ちょうど10年前の2007年に打ち上げられた日本の月探査衛星「かぐや」の観測データにより発見された、月の縦穴。「かぐや」の観測データにより、この月の縦穴に続く巨大な地下の空洞が存在する可能性が高いことが発見されました。 縦穴、そして地下の空洞が、今後の月での有人基地の設置場所として、大きな可能性を帯びていることを示す成果でもあります。 この成果は、アメリカの地球惑星科学に関する専門誌であるGRL (Geophysical Research Letters)(日本語に訳すと「地球物理学研究速報誌」でしょうか。我々の世界ではGRLと3文字で略称しているくらいなじみある学会誌です)に発表されます。 メディアでもかなり広く報じられていますが、このブログ記事では、そういった「速報」とは一線を画し、縦穴の発見から意義までをじっくりと解説していきます。 10月18日に行われた記者会見には、論文の筆頭著者
アメリカ(NASA)が提唱する新しい宇宙ステーション計画「深宇宙ゲートウェイ」(ディープ・スペース・ゲートウェイ)計画に、日本が正式に参加することを検討すると、文部科学省が発表しました。 文部科学省の審議会で答申された内容を、12月1日に開催された宇宙政策委員会が承認したものです。以下、林文部科学大臣の定例会見における発言です。 これは、11月28日に読売新聞が報道した内容とほぼ同じで、結果的にはこの記事が正しかった、ということになります。ですので、こちらをお読みいただいてもいいのですが、せっかくですので改めて解説していきましょう。 今回日本が参加検討を進めることを決定した(ややこしいいい方ですがこれが正式です)のは、アメリカ・NASAが提唱している「深宇宙ゲートウェイ」という新しい宇宙ステーションです。 深宇宙ゲートウェイは、NASAが今年になってから提唱し始めた、月上空の宇宙ステーショ
昨日(6月28日付)に、大手メディア各社が、「日本が日本人宇宙飛行士を月へ送る」という記事を一斉に報じています。 そのリンクは記事最下段をご覧いただくとして、内容としましては、2025年以降に、日本人宇宙飛行士を月へ送り込むというものです。 ただし、その際に日本が独自の有人宇宙船の開発は行わず、国際共同で行われる(であろう)有人月面探査計画に日本も参入し、その枠組みの中で日本人宇宙飛行士を月へ送る、という形になっています。 今回の発表は、28日に開催された「日本の宇宙探査の方向性について話し合う文部科学省の委員会」(NHKによる)の中で発表されたものです。この委員会は、文部科学省の中にある科学技術・学術審議会の研究計画・評価分科会の下にある宇宙開発利用部会の「第20回国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会」です(大変長いですが、官公庁では委員会がこのくらいの階層構造になっていることは珍
昨年7月に木星周回軌道に入り、観測を続けていたジュノー。それ以前に木星を観測していたガリレオ探査機と比べると、小型でまたミッションの目的が地味なこともあり、あまり注目を浴びてこなかった探査機(失礼)でもあります。しかしこのほどNASAが発表した成果では、木星の新たな、そしてダイナミックな姿が明らかになりました。ジュノーは私たちがこれまで知ることのなかった、全く新しい木星の姿を、私たちにもたらしてくれたのです。 ジュノーが撮影した木星の南極の様子。ジュノーに搭載されたカメラ「ジュノーカム」で撮影した画像をつなぎあわせたもの。異なった3つの軌道の画像もつなぎ合わせて、すべて木星の日中に撮影した画像で合成。高度52000キロメートルからの画像。画像中に見える楕円形の物体は台風と思われ、直径は大きいもので1000キロにも及ぶ。(Photo: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/B
火星大気に突入し、大気圏内を降下している途中で通信が途絶え、現在行方不明になっている、火星探査機エクソマーズの着陸実証機「スキアパレッリ」。 一体何が起きたのか。はるか彼方の火星で探査機がどのような状況になっているかを知るためには、手持ちのデータを徹底的に分析する必要があります。そしてそのデータは、探査機、そして母船ともなる周回機(TGO: 微量ガス探査周回機)が送ってきたデータです。 20日、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)は記者会見を開き、現時点でのデータの解析の状況について説明しました。 エクソマーズは19日、周回機TGOと着陸機「スキアパレッリ」がほぼ同時に重要なミッションをこなしました。TGOは火星周回軌道への投入、スキアパレッリは着陸という、探査にとって重要な段階を両者がほぼ同時に行っていたわけです。 このとき、スキアパレッリからのデータはTGOに到着していました。今日(20日)こ
太陽系を脱出し、今や星間空間を飛び続けている惑星探査機「ボイジャー1号」。1977年の打ち上げから36年あまり、いまだ通信ができ、機能を保っているのも驚きですが、そんな中心配なニュースが入ってきました。ボイジャー1合に搭載されているコンピューターに不具合が発生、復旧にはかなり長い時間が必要となると、NASAジェット推進研究所(JPL)が発表しました。 https://twitter.com/NASAJPL/status/1734617628545564771 ...
月探査にとり、大変ショッキングなニュースです。 NASAは18日、今年11月打ち上げ予定であった月探査用小型ローバー「バイパー」計画を中止すると発表しました。 ...
このことを知るためには、まず「角運動量」という量を理解することが必要になります。 回転している物体は必ず勢い(あるいは運動量)を持ちます。例えば、振り回したヨーヨーはぶつかると痛い思いをします。これは回転している物体が速度を持っているからです。 角運動量は、[速度]×[回転する物体の半径]×[その物体の重さ]という形で表されます。回転する速度が速い、物体の半径が大きい、あるいは重さが重い、という条件があれば、角運動量が大きくなります。 また、重要な法則として「角運動量の保存則」というのが存在します。これは、「外界から何か力が働かない限り、同じ力学系に属する物体の角運動量は保存される」というものです。これを表す端的な例としては、フィギュアスケートの回転があります。フィギュアスケートの選手が、手を次第に縮めながら回転させていくと、回転する速度が速くなってきます。これは、角運動量保存の法則が働い
NASAは9日声明を発表し、現在進められている有人月探査計画「アルテミス計画」の2回め、3回目の打ち上げを延期すると発表しました。今年(2024年)中の打ち上げが予定されていた2回めの打ち上げは2025年9月に、2025年末の打ち上げとされていた3回目の打ち上げは2026年9月と、それぞれ約1年程度延期することとしています。 以下は、NASAのビル・ネルソン長官のツイートです(日本時間で10日午前5時22分)。 ...
京都大学は8月2日、小惑星探査機「はやぶさ2」が2026年に探査を行う予定の小惑星2001 CC21について、その形状の推定に成功したと発表しました。発表された形状は、細長い楕円体をした形です。 ...
月の表面で1年間に受ける宇宙線(放射線)の量は、地上の300〜1400倍にも達することがわかります。 こう聞くとたいへん恐ろしいように感じますが、NASAが定めている安全性のガイドラインでは、一生に浴びる放射線の量が4Sv (4000mSv)を超えないようにすることになっています。これを単純に当てはめますと、人生を80年とすれば、1年間に50mSv以上の放射線を浴びないようにすれば大丈夫ということになります。 この量は、月面では1ヶ月〜半年くらい、何も対策をせずに宇宙線(放射線)を浴び続ける場合になります。 大量の宇宙線(放射線)が人体に有害なことは間違いありませんので、何らかの対策をとる必要があります。次のような対策が考えられています。 ○ 滞在期間を短くする 長くいればいただけ宇宙線を浴びることになりますから、滞在期間をなるべく短くするように、宇宙飛行士の滞在スケジュールを上手に組むこ
今年(2023年)の中秋の名月は、9月29日(金曜日)です。なお、この日は満月です。 ■過去の中秋の名月の日付 2022年の中秋の名月は、9月10日でした。 2021年の中秋の名月は、9月21日でした。 2020年の中秋の名月は、10月1日でした。 2019年の中秋の名月は、9月13日でした。 2018年の中秋の名月は、9月24日でした。 これ以前の日付につきましては、資料室の 中秋の名月の日付(20世紀) 中秋の名月の日付(21世紀・過去分) をご覧ください。 ■将来の中秋の名月の日付 2024年の中秋の名月は、9月17日です。 2025年の中秋の名月は、10月6日です。 2026年の中秋の名月は、9月25日です。 2027年の中秋の名月は、9月15日です。 2028年の中秋の名月は、10月3日です。 2029年の中秋の名月は、9月22日です。 2030年の中秋の名月は、9月12日です。
金星周回軌道投入に失敗した「あかつき」。しかし、探査機本体はまだ活動中で、6年後の金星再投入を目指しています。 そのために苦闘しているプロジェクトチームを応援すべく、「あかつき」30分の1のペーパークラフトを1000個、JAXAiにお寄せいただき、いわば「あかつきの千羽鶴」を作ろうというキャンペーンが進んでいます。 月探査情報ステーションもその趣旨に賛同しています。このページから、ペーパークラフトがダウンロードできるようにいたしましたので、皆様ぜひ、ご協力下さい。 もちろん、編集長も協力しています!
1969年7月、アポロ11号は月の「静かの海」に着陸しました。その後5回にわたって、宇宙飛行士たちが月に降り立ち、科学的な調査やサンプルの回収などを進めました。 …と、ここまでは皆さんが良くご存じのお話です。しかし、これに異を唱えている意見があるのです。 テレビ番組などで、「アポロは月に行っていない」「人類の月着陸はうそ」という話が広まっています。本当なのでしょうか? ここでは、この話において「月に行っていない証拠」とされるものについて、検証してみたいと思います。 アメリカ人の20パーセントは、月着陸について疑いを持っている? アポロでの月面の足跡は、映画「カプリコン・ワン」に出てくるものとそっくり! アポロの写真には星が全然写っていない! ロケット噴射でできるはずのクレーターがない! 着陸船の回りに、噴射で吹き飛ばされるはずのちりが漂っている。 空気も、他の光源も月面にはないはずなのに、
月探査情報ステーションは、月・惑星探査の情報を中心として、月の科学、さらには月や月・惑星探査にまつわる様々な情報を皆様にお届けする、「月・惑星探査のポータルサイト」です。 このサイトでは、月を中心として、「科学」という視点を中心に取り上げ、月についてどのようなことがわかり、どのようなことがわかっていないのかを解説しています。 そして、まだわからないことを調べようとする「探査」(ミッション)について、最新情報をいち早くお知らせするほか、その背後にある科学などについて、わかりやすく解説しています。
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