3回にわたってお届けした「なぜエルメート・パスコアールは2年連続で八代に行くのか?」も今回で最終回。その2度目の八代公演もいよいよ今週末(5月18日)に迫ってきた。 インタビューでは、裏話や秘話で飾り立てるというより、稀有な現場が作られていくさまを山口さんに素のままの言葉で語ってもらった。もちろん、立川談志師匠の高座を少年時代に間近で何度も見た経験や、お兄さんが〈FRUE〉の主宰者であることなど、普通ではない背景があることはあるのだが、そんな特別さを際立てるよりも、こういう奇跡みたいな時間がちょっとしたきっかけで「誰にでも起こりうること」なのかもしれないということを話し言葉で書き残しておきたかった。もっというと、それは「誰にでも起こりうるチャンス(と同時に難題でもある)をスルーせず、受け入れ、祝福する」ということや、「常識や空気、決まりきったいいわけにずるずると流されることに対して、楽しさ